司法試験受験資格を取得するためには、原則として法科大学院(ロースクール)を卒業する必要があります。

「どうせ法科大学院に通うのならば、日本最高学府の東京大学の法科大学院へ行きたい。」
そう考える人も多いのではないでしょうか。

そこでここでは、東京大学法科大学院(以下、東大ロー)とはどのような特徴があるのか、またその入試の内容、日程、倍率などを見ていきたいと思います。

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東京大学法科大学院(東大ロー)の基本情報・特徴

東京大学法科大学院(東大ロー)は、東京大学大学院法学政治学研究科に属しているロースクールです。
例年国内トップクラスの司法試験合格者を輩出している法科大学院で、令和6年の司法試験合格者実績は、受験者255人中121人と、合格率は47.45%でした。

※引用:東京大学法学部・法学政治学研究科
学校名東京大学大学院法学政治学研究科法曹養成専攻
所在地〒113-0033 東京都文京区本郷7丁目3-1
アクセス東京メトロ 丸ノ内線「本郷三丁目」 徒歩8分
都営地下鉄 大江戸線「本郷三丁目」 徒歩6分
東京メトロ 南北線「東大前」 徒歩6分
東京メトロ 千代田線「根津」 徒歩8分
試験内容外国語・学部成績による第一段階選抜
法学未修者:二段階選抜で小論文、面接
法学既修者:第二段階選抜で論述式問題
募集人数既修165名、未修65名
学費1年度:入学金28万2000円+授業料80万4000円
2・3年度:授業料80万4000円
電話番号公式ページ参照
URL東京大学大学院法学政治学研究科・法学部
https://www.j.u-tokyo.ac.jp/

令和7年募集要項
https://www.j.u-tokyo.ac.jp/law/admission/admission/

東京大学法科大学院(東大ロー)の特徴

主な特色は以下の3点です。

  • 最高峰の教授陣による授業
  • 学習過程での困難を解決する学習支援体制
  • 充実した学生自習室等の設備

授業を担当するのは、法学を志すものならだれもが一度は名前をきいたことがあるであろう超有名教授陣です。最高峰の教授陣から近い距離で指導が受けられるという点が大きな特徴と言えるでしょう。

また、東京大学法科大学院では、学習相談員や心理カウンセラー、クラス顧問が配置されており、気軽に学習や進路について相談できる体制が整っている点も安心できるポイントです。

さらに、指定席制の自習席が全員に割り当てられており、判例検索等のデータベースの利用が可能になっています。自習や資料確保がしやすい点も評判であり、大きなメリットと言えるでしょう。

東京大学法科大学院入試の難易度と倍率

東京大学法科大学院の2024年度入試は全体で受験者数817人、合格者数が244人となっており、実質倍率は3.35倍でした。

東京大学法科大学院の入試難易度は高いと言えるでしょう。

2023年度の倍率は、2.89倍で、大学法科大学院の倍率で見た難易度は、前年より上がっています。

年度募集人数出願者数合格者数倍率
2024既修1655981833.27倍
2024未修65219613.59倍
2023既修1654931802.74倍
2023未修65177602.95倍
2022既修1655061852.74倍
2022未修65226613.70倍
2021既修1654531712.65倍
2021未修65137612.25倍

※参考:過去の出願状況・選抜結果

東京大学法科大学院の司法試験合格率

東京大学法科大学院の令和6年度司法試験は、受験者数225名、合格者121名、合格率47.45%という結果でした。

合格率で見たとき、全国の法科大学院で5位の実績であり、受験する学生のレベルの高さが伺えます。

【令和6年度司法試験】
・受験者数:255名
・合格者:121名
・合格率:47.45%
※参考:司法試験の結果について

東京大学法科大学院入試の偏差値

法科大学院には、偏差値というものが設定されていません。
そのため、難易度・レベルについては、倍率や合格率、司法試験の合格実績などを参考にする必要があります。

【令和7年度】東京大学法科大学院の試験日程・出願期間

令和7年度の東京大学法科大学院の入試日程は、2024年11月16日(土)です。
願書の受付期間は、2024年9月30日(月)~10月4日(金)で、2024年10月5日(土)以降に到着したものについては、10月4日(金)までの消印(国内の消印に限る。)のあるものに限り有効となります。

願書出願期限2024年9月30日(月)~10月4日(金)
試験日2024年11月16日(土)
合格発表2024年12月13日(金)午後1時

願書については、Webシステム導入により、紙媒体での配布は行っていません。

東京大学法科大学院の出願方法(法科大学院)ページより、必要項目を記入して出願してください。令和7年度の入学願書作成は9月下旬公開予定です。

【令和7年度】東京大学法科大学院の募集人数

東京大学法科大学院の募集人数は、未修者(3年制)が概ね65人、既修者(2年生)が概ね165人となっています。

未修者枠のうち、社会人特別選抜枠が概ね5人、理系特別選抜枠が概ね10人です。
また、既修者枠のうち法曹コース特別選抜枠のみでの合格者は、概ね110人を上限となります。

募集人員
一般選抜・法学既修者試験(2年短縮課程)概ね165人(このうち、法曹コース特別選抜枠:概ね110人を上限とする) 
一般選抜・法学未修者試験(3年標準過程)概ね65人(このうち、社会人特別選抜枠:概ね5人、理系特別選抜枠:概ね10人)

※参考:東京大学(法科大学院)学生募集要項

東京大学法科大学院の入試科目

2024年11月16日(土)に実施される筆記試験では、法学未修者には総合問題、法学既修者には法律科目問題の科目試験が課されます。

法律未修者向けの総合問題では、全2題が課され、法学既修者向けの法律科目問題では、公法系、民事系、刑事系の3系統から、各1題が出題されます。(全3題)

科目内容
法学未修者総合問題2題を課す。
法学既修者法律科目問題公法系、民事系、刑事系の3系統から、各1題を出 題する(合計3題)。

※ 公法系は憲法・行政法、 民事系は民法・商法・民事訴訟法、 刑事系は刑法・刑事訴訟法とする。

※参考:令和7(2025)年度東京大学大学院法学政治学研究科法曹養成専攻専門職学位課程(法科大学院)学生募集要項

東京大学法科大学院の選抜方法

東京大学法科大学院の選抜方法は、既修・未修ともに2段階での選抜となっています。
第一選抜では、未修・既修共通で外国語の能力を証明する証明書の提出で審査されます。
第二選抜は、未修・既修で異なる試験内容になっています。

【第一選抜(未修・既修共通)】外国語・学部成績の書類審査

外国語については英語・フランス語・ロシア語・スペイン語・中国語・韓国語のうち、いずれかの能力を証明する証明書を提出する形によって行われます。

なお、英語の証明書についてはTOEICまたはTOEFLの証明書が指定されているため注意が必要です。
TOEICの点数がどれぐらい必要か?については、公式なデータがありませんが、TOEICのスコアが重視されることで有名な一橋大学の場合で、平均スコアは700~750前後、ボーダーは450~500前後となっているため、同程度の成績であれば問題なく通過できるでしょう。

【第二選抜・未修者】小論文形式の総合問題

筆記試験については小論文形式の総合問題が2題課されます。
未修者の選抜については、法律家として活動するための基礎となる問題発見能力や論理的思考力、文章作成能力などが審査されます。

【第二選抜・既修者】論述式の法律科目問題

公法系、民事系、刑事系の3系統から各1題、合計3題の論述式の問題が出題されます。

商法・手形法を含めた基本7法はすべて出題の可能性があるので注意が必要です。

東京大学法科大学院の学費・授業料

東京大学法科大学院の学費は、1年目が合計108万6,000円、2年目以降が年間80万4,000円です。

東京大学法科大学院は、国立の法科大学院であるため、他の国立ロースクールと学費は同じです。

入学金授業料合計
1年目28万2000円80万4000円108万6000円
2年目以降80万4000円80万4000円

つまり未修の方なら、3年間の学費合計が269万4000円、既修の方なら2年間の学費合計が189万円ということになります。

東京大学法科大学院の奨学金制度

東京大学法科大学院独自の奨学金制度として月額8万円が給付される奨学金制度がありす。

当該奨学金は給付制で返還の必要はありません。受給奨学生は2024年度3年次未修者1名、2024年度2年次未修者1名となっています。

※参考:東京大学大学院法学政治学研究科・法学部2024年度 各種奨学金(法曹養成専攻)

東京大学法科大学院の出身大学

2024年度の東京大学法科大学院合格者のデータでは、既修コース合格者183名のうち98名(53.6%)が東京大学出身、他大学出身者が85名(46.4%)となっています。
法学未修者の合格者は61名で、うち東京大学出身者が16名(26.2%)、他大学出身者が45名(73.8%)でした。

つまり、既修コースのおよそ半数、未修コースの7割が、東京大学以外の出身者ということになります。

  法学既修者 法学未修 総数
募集人員 165名 65名 230名
出願者 598名 219名 817名
合格者 総数 183名 61名 244名
経歴 社会人経験者 6名 16名 22名
他学部出身者 5名 24名 29名
うち理系出身者 0名 5名 5名
社会人又は他学部 9名(4.9%) 31名(50.8%) 40名(16.4%)
出身大学 東京大学出身者 98名(53.6%) 16名(26.2%) 114名(46.7%)
うち法学部出身者 96名(98.0%) 15名(93.8%) 111名(97.4%)
他大学出身者 85名(46.4%) 45名(73.8%) 130名(53.3%)
性別 男性 128名 36名 164名
女性 55名 25名 80名

※引用:東京大学法科大学院 2024年度法科大学院入学者選抜試験合格者数

東京大学法科大学院の入試対策

未修コースの入試対策

東京大学法科大学院の未修コース入試では、小論文の問題が課されます。
そのため、小論文のノウハウは必須になってきます。
法科大学院に特化した小論文対策の市販教材は少ないため、予備校の小論文対策講座を受講するなどの対策を検討されるといいでしょう。

既修コースの入試対策

既修コースの入試では、論述式で公法系、民事系、刑事系の3系統から、各1題出題されます。
各科目の過去問の傾向と対策を知り、本番でも適切に論述できるよう準備しましょう。

東京大学法科大学院の過去問傾向と対策方法については、以下の関連記事で詳しく解説しています。

※関連コラム:東京大学法科大学院(ロースクール)入試過去問の出題傾向と対策

過去問入手方法

 法科大学院入試の過去問は東京大学文学部複写センターに問い合わせなければ入手できないので注意が必要です。詳しくはホームページを参照してください。

※関連コラム:東京大学法科大学院(ロースクール)入試過去問の出題傾向と対策

【東京大学 法科大学院】卒業生が語るリアルなロースクールライフとは?

東京大学法科大学院 学生生活

東京大学法科大学院(ロースクール)の卒業生にインタビューしてみました。

「1日のスケジュールは?」「留年する人はいた?」など、リアルなロースクール生活を語っていただきましたので、ぜひご覧ください。

まとめ

東京大学法科大学院の入試概要は、以下の通りです。
・願書出願期限
2024年9月30日(月)~10月4日(金)
・試験日
2024年11月16日(土)
・合格発表
2024年12月13日(金)午後1時

未修・既修別で、入試内容が違うため、過去問などを参考に適切な対策を進めてください。

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