【司法試験・予備試験】論文式試験における刑事訴訟法の勉強法
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目次
【司法試験・予備試験】論文式試験における刑事訴訟法で問われること
大きく分けると捜査手続と公判手続の2つの場面が問題となる
刑事訴訟法の論文式試験では、大きく分けると捜査手続と公判手続の2つの場面に関する問題が出題されます。
捜査手続は、簡単に言うと被疑者を起訴する前の段階における刑事手続をいい、例として逮捕手続や捜索差押手続を挙げることができます。
他方で、公判手続は起訴後の手続をいい、例として、違法な捜査に基づいて証拠が収集された場合に、この証拠を裁判で用いることができるか等の問題を挙げることができます。
司法試験の論文式試験で要求されているもの
平成28年の採点実感によると、試験では、以下の3つが求められています。
①捜査、公判前整理手続及び公判の過程に現れた刑事手続上の問題点について、問題の所在を的確に把握すること
②問題に対する法的解決に重要な具体的事実を抽出・分析した上で、これに的確な法解釈を経て導かれた法準則を適用して一定の結論を導くこと
③その過程を筋道立てて説得的に論述すること
そのため、刑事訴訟を勉強するにあたっては、これらの点を意識することが大切になります。
※関連コラム:司法試験・予備試験の論文式試験の勉強法(総論)
【司法試験・予備試験】論文式試験における刑事訴訟法の勉強法
基本的な原理・原則を正確に理解する
刑事訴訟法の勉強を始めると、令状主義や強制処分法定主義など、様々な原理や原則が登場します。
そして、これらの原理・原則を正確に理解することが重要です。
正確に理解をするとは、①条文の根拠、②当該原理・原則の定義、③当該原理・原則の制度趣旨、④どのような場面で問題になるか、⑤当該原理・原則に関する最高裁判例をしっかりと理解することをいいます。
時間軸を意識する
刑事訴訟法を勉強する上では、時間軸を意識した勉強が大切になります。
ここでいう時間軸には2つのものがあります。
1つは、手続の流れという意味での時間軸です。
刑事訴訟法は、実体法である刑法の手続に関する法律ですが、刑事訴訟は具体的には捜査に始まり、最終的には判決の言い渡しまで、一連の手続に従って行われます。
そのため、自分が勉強している事項がどの段階の話なのかを意識することが大切です。
もう1つは、事実関係の時系列という意味での時間軸です。
これは司法試験の採点実感でも度々言われていることですが、捜査の進展により様々な事実や証拠関係が明らかになるにつれて、被疑者に対する嫌疑は高まっていきます。
それにもかからず、この点を意識していない答案は少なくありません。
以上のように、刑事訴訟法を勉強するにあたっては、2つの時間軸を意識することを心がけましょう。
判例の重要性
採点実感を読むと、刑事訴訟法の論文式試験では特に判例を意識した論述が要求されているように思います。
また、司法試験も問題の多くは、何らかの判例(裁判例を含む)を意識して作成されたものが多く、問題文の事案と判例の事案との違いを意識した論述が求められています。
このように、刑事訴訟法は判例が大事であるので、判例百選などで、①判例の事案、②問題の所在、③判例の考え方、④判例の考え方が妥当する範囲(判例の射程)を正確に理解するようにしましょう。
あてはめが重要?
刑事訴訟法を含む刑事系科目では特に「あてはめ勝負」と言われることがあります。
たしかに刑事系科目は他の科目に比べて問題文に記載された事実が多いため、事実の引用が他の科目よりも比重が高くなることは確かなのですが、これは法律論を軽視してよいということではありません。
たとえ規範が正確に書けていたとしても、規範とあてはめが対応していなければ、規範を理解していないことがあてはめを通じて伝わってしまいます。
すなわち、あてはめには規範の理解を裏側から伝える機能があるわけですね。
そのため、あてはめが重要という意味を取り違え法律論を軽視した学習をすると本番で低い評価になってしまう可能性がありますので、法律論とあてはめは両輪であることを意識して勉強を進めましょう。
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富川 純樹 講師
関西学院大学法科大学院(未修)を卒業後,平成27年に司法試験に合格(69期)。
アガルートアカデミーでは,ラウンジ(個別指導)や受験生の受講相談も担当している。
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Twitter:@dsx79079