【司法試験・予備試験】論文式試験における行政法の勉強法
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目次
【司法試験・予備試験】論文式試験の行政法で問われること
司法試験・予備試験行政法で出題されること
司法試験・予備試験の行政法で問われるものとして大きく2つに分けることができます。
まず,行政法で問われることは,多少の正確性を抜きにして言えば,「公権力(行政庁)が,ある法律に基づいて,私人の権利利益を侵害したり,あるいは私人の権利利益が侵害される恐れがある場合に,その権利侵害行為を排除したり,権利侵害行為がされるのを事前に防止するために,どのような法的手段を採ることができ,また,それが認められるか」ということに尽きます。
そして,ここでいう法的手段とは,「訴訟の提起」が中心になります。
そこで,訴訟に関連した出題が多くされます。
1つは本案「前」の問題,もう1つは本案「上」の問題です。
本案前の問題
本案前の問題とは,いかなる法的手段を採るか,訴訟要件を満たすか等,訴訟の入口に関する問題といえるでしょう。
この問題は,行政法のテキストでいう「行政救済法」の分野に関わってきます。
本案上の問題
司法試験で問われるもう1つの問題が本案上の問題です。
訴訟の入口の問題をクリアした後に,行政庁の行為の適法性を判断する場面です。
たとえば,行政法において最も出題される取消訴訟においては,ある行政庁の権利侵害行為が違法と判断されて初めて,当該行為を取り消すことが出来ます。
つまり,この訴訟においては,請求認容判決が出されます。
そして,その行為が違法となるかについては,「その行為の根拠となる条文の要件を充足するか,あるいは,裁量権の逸脱濫用が認められるか」を中心的に検討していきます。
このことを分析するために,行政法では,初見の法律を解釈し,具体的な事案に当てはめる,ということが求められます。
この問題は,行政法のテキストでいう「行政法総論」の分野に関わってきます。
行政法の難しさ
行政法は抽象的な概念が多いことに加え,憲法や刑法とは異なり「行政法」という法律は存在しないため,具体的なイメージをつかむのが難しい科目です。
また,本案上の問題では,法律の条文構造や趣旨をもとに個別法を解釈することが求められる場合がありますが,このような作業は他の科目には見られず,この点も行政法の難しさの1つといえるでしょう。
そこで,行政法をマスタ―する上では,科目の特性に合った勉強法を確立することが重要になります。
※関連コラム:司法試験・予備試験の論文式試験の勉強法(総論)
【司法試験・予備試験】論文式試験における行政法の勉強法
問題演習の重要性
先ほども述べたように,司法試験の行政法では初めて見る法律を解釈し,これを具体的な事案に当てはめる,ということが求められる場合があります。
そして,個別法を解釈する能力はテキストや判例を読めば自然と身に付くものではなく,実際に問題を解きながら個別法を解釈する作法を学ぶしかありません。
そのため,行政法の勉強では,基礎的なものでもよいのでできるだけ早い段階から問題演習を始めることをおススメします。
そして,出来るだけ早く司法試験・予備試験の過去問に入っていくことが重要です。
特に行政法の過去問については全ての演習書の中で「最良の演習書」といえますので,これを繰り返すだけで,行政法で求められる基本的な知識や,処理手順が身につきます。
問題演習の際に意識すべきこと
まず,行政法の問題を解く際には,自分が今解いている問題がどの場面で問題となっているかを意識する必要があります。
上述の通り,行政法は,本案「前」の問題と本案「上」の問題とに区別することができますが,この点を意識しないで答案を書いてしまうと,法体系に対する理解を採点者に疑われるおそれがあります。
次に,実際に答案を作成する場合か答案構成にとどまる場合かにかかわらず,結論に至るまでの思考過程を明らかにすることが重要です。
司法試験の行政法では,いわゆる典型論点がメインで問われることは少なく,どちらかと言えば現場思考型の問題が多いといえます。
そのため,なぜその結論に至ったのかを自分の言葉で説明することが重要になります。
そこで,普段の学習から,結論に至るまでの思考過程を示す習慣を付けるのがよいでしょう。
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平成23年度に(新)司法試験に合格後、伊藤塾にて主に予備試験ゼミを中心とした受験指導業務を担当。
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自身の受験経験だけでなく、答案の徹底的な分析やゼミ生への丁寧なカウンセリングの結果確立した論文作成ノウハウをもとに、アウトプットの仕方はもちろん、インプットの仕方までをも指導するスタイルは、ゼミ生の圧倒的支持を受けた。
また、期をまたいだゼミ生の交流会等を定期的に行うなど、実務に出た後のフォローも積極的に行っている。
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