令和元年 司法試験 合格者の声|基本的には判例の理解があれば十分であとは条文の趣旨等から推測していけばよい 飯嶋 太郎さん
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自己紹介
名前:飯嶋 太郎さん
年代:20代
属性:学生
受験資格:予備試験合格者
受講されていたカリキュラム
下記リンクは最新版です。
合格者の方の受講年度と異なります。
■ 司法試験型答練
合格体験記
具体的勉強方法について記載します。
(1) 短答式
ひたすら過去問を解くに限る。有名な判例や条文は当然、有限であるのだから、過去問をこなすことで類似問題に対応することができる。ここで、過去問を解く際に私が注意していたこととしては、解いた回数によって答え合わせの仕方を変えるということである。1回目~3回目くらいは丁寧に解説を読んで理解するというより、とにかく次に進むという意識をもった。
私自身、細かいところまで理解しないと気が済まない性格であるため、性格どおりにすすめると1科目を1周するのに最大で2~3か月かかってしまうこともある(逐一知らない条文や判例を調べ、ノートにまとめていくなどをするから)。それでは2周目に入っても1周目に解いた問題をまるで覚えておらず、結局再度1周目と同じ作業を繰り返し1年かけても最高で3~4周できればよいという感じになってしまう。
たしかに、1周目で丁寧に理解していれば2周目以降が楽になるのでは?と思うかもしれない。しかし、一度で全てを理解することなど、私のような凡人には到底できず、1周目で理解した(と思っていた)内容を3か月後に思い出すことは困難である。そのため、はじめのうちは1つひとつを「こういうものだ」という程度の理解にとどめ、なるべく短期間で多くこなせるようにしていた。
4周目以降になってくると、自分の中でもある程度同一の問題について「こういうものだ」というイメージができてくるため、そこで初めて理解できていない条文や判例を調べてみるという作業を行う(ただ、この時点まで来ると、同時並行的に論文の勉強もしているため、以前に間違えていた、あるいは理解できていなかった問題について理解できていることが多い)。最終的には10~15周こなせば、大体の問題に対応できる力がついているし、その時点で対応できないものは他の受験生も解けない可能性が高いため問題とならない。こうした勉強の結果、短答式試験では9割近い正答率を上げることができた。
(2) 論文式
まずは、過去問演習(新司法試験)が有効である。私の場合、過去問を初見で時間を計って実際に解き、答案例をみて確認するというオーソドックス(?)な方法をとっていた。合格者の再現答案と自分の作成した答案の比較をするといったことはせず、論点の確認をして終わるということが多かった。過去問演習は合計で2周行い、2周目を行った司法試験直前期にようやく出題趣旨と採点実感を熟読するようになった。2周目では、ある程度論点についての理解はできているため(直前期だったこともあり、押さえていない論点があったときには特に注意して復習した)、事例と設問、出題趣旨、採点実感を参考に、確実に落とせないところ(論点や表現)を中心にまとめて、試験直前に見返すことができるようにした。
次に、旧司法試験の過去問演習である。旧司法試験の問題は論点を拾い、論証を組み立てる練習として非常に有効であると思う。私は民法、民事訴訟法、刑事訴訟法、労働法の基礎固めとして旧司法試験の過去問演習を徹底的に行った。旧司法試験だけあって、かなりの良問がそろっており、一通りこなせば相当の力はつく(主要論点は当然に網羅できる)。
最後に、演習書や判例、学説について簡単に触れる。まず、演習書についてであるが、あまり広く手を出すべきではないと思っている。たしかに、演習書は学者や法曹実務家の先生方が執筆されており、大変良質なものである。しかし、著者により見解のばらつきがあったり、演習書の数が膨大すぎてどこからどこまでやればよいのかわからなくなる。そして、判例についてであるが、主要なものは事案と判旨を押さえておくべきであることはたしかである。他方、あくまで司法試験「受験生」であることをわきまえれば、判例を探求することは時間と労力の無駄でしかなく、控えるべきと思う。また、学説については判例以上に深入り厳禁である。主要な争点については簡単に押さえておくべきかもしれないが、基本的には判例の理解があれば十分で、あとは条文の趣旨等から推測していけばよい。