令和元年 司法試験 合格者の声|掘り下げがちという思考パターンを払拭できないままでも有効な試験対策ができたと思っています R.Mさん
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自己紹介
名前:R.Mさん
年代:30代
属性:社会人
受験資格:予備試験合格
受講されていたカリキュラム
下記リンクは最新版です。
合格者の方の受講年度と異なります。
■ 総合講義100
■ 論証集の「使い方」
■ 予備試験 論文過去問解析講座
■ 予備試験 論文過去問セレクト答練
■ 論文答案の「書き方」
■ 重要問題習得講座
■ 労働法 3講座パック
■ 短答知識完成講座Ⅰ
■ 司法試験 論文過去問解析講座
■ 旧司法試験 論文過去問解析講座
■ 民法(債権法)改正対策講座
合格体験記
私は法科大学院修了の受験資格喪失後にアガルートの受講を開始し、予備試験ルートで司法試験に合格しました。五振した最も大きな要因は、「法律の勉強」はしていても「試験対策」の仕方が分からないままだったことです。抽象的にこだわる傾向が強く、法科大学院では周囲が当然のように合格していく中、試験合格という目的に適合しない不毛な概念操作に時間を費やしていました。もっとも、自覚は大いにあり、大手予備校の講義、問題集、テキストに手を出したこともありました。しかし、それはそれで私には基本書・論点のつぎはぎや羅列にしか思われず、やはり行間の読み込みが足りないと自己判断し、基本書の抽象論に戻るという負のループに陥っていたのです。
状況が好転したのは、市販されている『実況論文講義』を手にしてからでした。論点の一般的な内容よりも、その論点が導かれる思考過程に重点を置いた解説で、本を1周した時点で明らかに壁をひとつ越えた感覚がありました。論点解説が列挙された他の分厚い問題集に不足していたもの、すなわち、論点の中身一般論ではなく個別の問題と論点の結び付き方を見る姿勢ができ始めていた実感があったのです。その後、『合格論証集』にも目を通し、諳んじるためではなく理解のための構成となっており文章のコピーペーストが極端に苦手な自分に合っていると感じ、工藤先生について行くことを決意しました。
具体的な学習方法としては、論文対策は「重要問題習得講座」に勉強時間の大半を割き、平均して10回以上答案構成をしました。「論文過去問解析講座」以外はほとんどこれだけといっても良いほどです。定義が甘いもの、論点の理解不足、特殊事例の処理、論理のつなぎ方、暗黙知に含まれるもの等細かく分類し習熟度に応じて付箋で色分けしながらやりこみました。また、「総合講義論証集」は常に手元に置いて参照しながら、隙間時間には講義を聴き込みました。判例も論証集をフックにして常に答案に書くことを意識して読むようにしていました。基本書は深みにはまる危険があるので辞書的使用にとどめました。短答対策は市販の分野別過去問集をひたすら回して解説の熟読をしました。
予備試験と司法試験とで特別に異なる対策はしませんでした。ただ、一度目の予備試験の教養科目で想定外の大事故を起こして短答落ちしたことや、口述対策を全くせずしどろもどろだったことは反省点です。総じて予備試験の個別対策はきちんとしておくべきでした。司法試験に関しても他校の模試を1回受けた他は、5年分の過去問を2周しか回せず受験生の態度としてどうかと後悔しきりですが(修了生時代も過去問練習「らしき」行為はしましたが本筋を外れた問題意識の下ではほとんど無意味でしたし、実際記憶が全くありません)、自分なりに1回1回の負荷をかなり上げて勉強しました。また、「論文過去問解析講座」の解析密度の高さと明晰ぶりが尋常ではなかったことも、起案不足にもかかわわらず合格できた要因であったと思います。
論文式に関しては「分かっていても書けない」とよく言われますが、私は「分かれば書ける」と思っていたので手を動かした時間はかなり少ない方だと思います。その分、「記憶のみに頼った解答を絶対しない」「論証集で押さえたキーワードを踏まえつつ借り物ではない自分の言葉で論じる」という信念の下、答案構成の回数に注力しました。
勉強時間に関しては、アルバイトを行っていたこともあり平均すると1日5~6時間程度で、自分のコンディションを確認するため勉強時間の記録をつけました。限界は1日9時間で、何より体調管理と体型維持のため基本的に毎日1時間の高負荷トレーニングを習慣とするようにしました。この運動習慣は定着しており、今後の生活を考えても良かったと思っています。
最後に、私は勉強のやり方に関しては自他共に認める融通の利かなさと癖の強さがある人間です。受験生に人気の書籍や教材を使っても文章のちょっとした部分や矛盾が気になってすぐに深みにはまり、一時期はどうしていいのか分からず絶望的な日々を過ごしていたこともあります。そんな私が諦めずに勉強し続けられたのは、アガルートの教材や講義に、深みにはまりそうな曖昧さや誤魔化しをほとんど感じなかった、あるいは曖昧等と感じることに対する説明がきちんとされていたおかげだと思います。教材の量がコンパクトであることも明解さに寄与していると思います。頭の良い受験生であれば、大量の教材を上手く捌いて効率的に論点を網羅することも有効な手段でしょうが、私のような重鈍かつ記憶力の弱いタイプだと物量の中で身動きが取れなくなってしまいます。コンパクトかつ明解で行間という名の誤魔化しがないアガルートの教材の下であったからこそ、掘り下げがちという思考パターンを払拭できないままでも有効な試験対策ができたと思っています。