自己紹介

名前:神谷匠海さん
年代:20代前半
属性:大学生
論文式試験順位:論文77位

受講されていた講座

法曹を目指すきっかけ

小学5年生の時に、池井戸潤さんの「下町ロケット」を読み、その中に登場する「神谷弁護士」という人物に魅力を感じたためです。どんなに不利な状況でも、依頼人である佃社長に寄り添い、ベストな解決を図る、そんな神谷弁護士に魅せられて、法曹を志しました。

アガルートアカデミーを知ったきっかけや選んだ理由

僕の大学は、地方の中堅私立大学で、周りに予備試験を目指している人は少なかったです。それでも、運よく、僕の友人に予備試験を志している子がいて、その子がアガルートで学習していたので、アガルートに入塾しました。また、当時、高い合格実績のわりに、値段がフルカリキュラムで70万円以内というのも決め手になりました。

勉強の方針とどのように勉強を進めていたか

詳しくは、後述しますが、アガルートの1年合格カリキュラムを、アガルートの推奨通りに進めていたの一言に限ります。

まず、総合講義300から受け始めましたが、総合講義300では法律の全体像をつかむ、という点を意識し、分からないところがあっても、とにかく先に進めていました。そのため、講義を聞き終えた段階では、全体の3割も理解していなかったと思います。

総合講義300を聞き終わると、問題演習に移りました。問題演習は、主に重要問題習得講座の問題を解いていました。もっとも、総合講義300の内容を3割も理解していなかったので、1周目は何もわからなかったです。それでも、とりあえず1周回し、2周目、3周目、4周目と解いていきました。1周目は、2周目の予習と思って、問題文を読み、条文を引き、講義を聞いて、次の日に同じ問題を軽く見直す、そんな感じで進め、3周目、4周目から解けるようになることを目指していきました。

重問が1周目を終えた時点で、短答の過去問を解き始めました。短答の過去問も、1周目は、2周目の予習という感じで、問題文を読み、分からないなりに考えて(分からないので大半間違えていました)、講義を聞いて、次の日に見直す、という感じでした。解けるようになることを目指すのは3周目、4周目からで大丈夫です。

僕は、大学2年の11月から、アガルートで勉強を始めたので、3年生の11月くらいまでは、重問を3周、短答を1周(憲・民・刑は2周)くらいしていたと思います。3年生の12月から、論文の過去問の検討をしていました。これは、まず令和3年度の問題から解き始めて、そこから遡っていきました。過去問を初見で、時間を計って(基本7科目は70分、実務科目は90分)解くのは、最初の3か月はペースが分からず、全然かけていませんでした。ここで心掛けていたことは、同じ問題を2周起案してみることです。1周目に起案したものと、2周目に起案したものを比較してみると、2周目の方が、解けるようになっていました。このように比較することで、前よりも上達している、と考えることができ、モチベーションを保っていました。

大学3年の2月から短答の比重を増やしていきました。短答は、とにかく過去問を100%にすることを心がけました。もっとも、短答は暗記量も相当な量に及ぶので、僕は一元化教材として、判例六法を使っていました。具体的には、担当の過去問をすべて一周し(予備、本試験、サンプル、プレすべて含めて)、過去問に出てきた条文・判例にすべてマークをして、それを通学中の電車の中や寝る前、隙間時間に熟読していました。こうすることにより、過去問に頻出の条文・判例が視覚的に分かるようになり、勉強の効率化につながりました。(過去問すべてと聞くと多いように思えますが、聞かれることは限られています。試験範囲の法令全体の半分くらいです。)また、条文・判例を意識した学習は、論文にも直結しました。

短答直後から、論文の勉強を始めました。具体的には、重問の総復習、予備試験の過去問、予備試験答練、実務基礎答練をやりました。重問は苦手部分の総復習(といっても時間の加減上、予定の半分もできませんでした…。)、予備試験の過去問はまだ解いていない問題プラス過去解いた中で苦手な問題の復習という感じです。答練は、時間を計って起案し、添削を受けました。アガルートの答練はレベルが高く、なかなか点が伸びなかった時期もありましたが、点数が低かった問題については、重点的に復習しました。

特に苦労したのは、民事実務基礎の要件事実です。民事実務基礎の講義は、聞き流してしまっていたので(今考えれば本当にまずいことをしたと思います…。)、直前に受けた辰巳の論文模試で14点という点数を取り、何とかしなければと、予備試験の過去問、アガルートの答練、辰巳の模試で出題された、要件事実をWordにまとめて、印刷して、何度も見直しました。試験当日は「保証」の要件事実が出たので、何とか対応できましたが、皆さんは講義の段階から、ある程度しっかりやっておいた方がいいと思います。

論文試験後、口述試験前については、論文試験後、1週間は、論文の再現答案を書いていました(皆さんも記憶の新しいうちに論文の再現を書くことをお勧めします。)。

それ以後は、法科大学院試験に向けて勉強していましたが、やったことは重問の復習と過去問の検討です。僕が受験したのは、愛知大学の法科大学院で、予備校も過去問検討講座を出していないという状況でしたが、重問の総復習、HPに掲載されている過去問を解き、出題趣旨を読んで、教授が書いてほしいと思っていることを考えていれば、おのずと十分な答案が書けるようになってきます(ちなみに、結果は合格していました)。

法科大学院入試の後は、アガルートの実務基礎科目の講義を受けて、要件事実をまとめたレジュメを作成していました。合格した手ごたえはなかったですが、来年の予備試験に向けても生きてくると思ったので、やっていました。

論文試験の合格発表後については、発表後、その日に口述模試の申し込みをしました。口述模試は、すぐに枠が埋まってしまうので、なるべく早く申し込むべきです。僕は、LawSchoolTimesと伊藤塾、そして、アガルートの口述模試を受けました。模試の際に意識していたことは、前の模試で注意されたことを、次の模試で改善することです。口述には、独特の作法があります。それを身に着けるため、(複数回と言わずとも、1回は)受けるべきです。

他に口述の勉強としては、過去問の検討です。結構、過去問の焼き直しみたいな問題が出題されていますし、本番もそのような問題(Ex.逮捕状の緊急執行)が出題されたので、直近5年分の過去問検討はマストです。あとは、民訴・刑訴の短答過去問の検討、短答の勉強に使った判例六法で手続きの流れを頭に叩き込む、刑法は主要な構成要件の確認(窃盗・詐欺・横領・背任など、財産犯を中心に)、基本刑法(日本評論社)のを用いて苦手な部分を確認(共犯の射程、承継的共犯、不能犯、窃盗、詐欺、強盗、横領、背任、放火は一通り読みました)など、知識の総復習という感じです。要件事実は、論文合格前に自作したレジュメを用いて、暗記していました(アガルートの民事実務基礎科目の講座の「要件事実」は網羅性が高いので、役に立ちました。この口述までの1か月が、本当の頑張りどころです。

学習時間はどのように確保し、一日をどのように過ごしていたか

僕は、大学生で、比較的時間は取れた方だと思いますが、3年生はフルで事業を履修していたので、時間は膨大にあるわけではありませんでした。そこで、勉強できるときはする(休日や授業のない日は10時間)、勉強できないときでも1時間はやる、というようにメリハリをつけて勉強していました。とにかく、毎日何かしらの勉強をすることが大切だと思います。

また、隙間時間も活用しました。通学の電車(片道1時間)の中で、短答を解いたり、論証集を覚えたり、六法を読むなど、1日の中で、隙を見つけては勉強をしていたと思います。

予備試験は、長期戦なので、隙間時間の活用こそが、合否を分けると思います。

直前期の過ごし方

直前期は、とにかく勉強していました。学部4年生ということもあり、卒業に必要な単位も取得していたので、履修科目も必要最低限にし、空いた時間はとにかく勉強という感じです。

それでも、睡眠時間は最低7時間、取っていました。夜11時半~夜12時前に寝て、朝6時半~朝7時に起きるという生活を継続し、朝ご飯は朝7時半までには必ず食べていました。いつもと変わらない生活を継続するということを心がけました。

また、家族や友人との食事も月数回は必ず行っていました。勉強ばかりではなく、たまにはリフレッシュすることも大切です。

試験前日は、とにかく緊張していましたが、それでもいつも通りの時刻に寝ました。当日も、いつも通りの時間までに朝食を食べて、試験会場に行きました。試験会場への経路は、前日までに下見をしていたので、迷わず着くことができました。試験開始とともに、筆記具を持った時、手が震えていたことは今でも覚えています。それでも、やれることはやってきた、と覚悟を持てたことが、何よりよかったと思います。

試験期間中の過ごし方

試験後は、緊張と短時間の内に起案をするということで、とても疲れます。そのため、ホテルに帰って、夜10時半までには寝ていました。次の日は、朝の6時に起きて、歯を磨き、顔を洗って、朝食を食べて、論証集や要件事実のレジュメを見ていました。また、僕は、勝負の時には決まって聴く音楽(ショスタコーヴィチの交響曲第7番ハ長調「レニングラード」の第4楽章です)のがあるのですが、それを聴いていました。皆さんも、何かしら、自分のやる気モードが入る方法を見つけておくのがいいと思います。

集合時刻より余裕をもって試験会場に行き、試験会場では、論証集を見るなど、していました。とにかく、下手に新しいことをするのではなく、いつも通りの生活をすることが大切であると思います。

受験した時の手ごたえと合格した時の気持ち

短答試験は、手応えもあり、すぐに採点して、法律科目だけで190点を超えていたことが分かったので、すぐに論文試験の勉強に挑めました。

しかし、論文試験は、民法と民訴で大きく外し、憲法も証言拒絶権という予想外の問題が出たこと、選択科目も自信が持てなかったこと、があり、正直落ちたと思いました。なので、合格していた時には、驚きと興奮と感動がこみあげてくると同時に、口述に対する不安で、よく分からない感情になりました。

実際、口述試験が一番不安でした。口述試験は、短答試験や論文試験にはない緊張感があり、集合室の体育館では、何度か吐き気がしました。刑事は誘導に乗れて手ごたえもありましたが、民事は請求の趣旨から間違え、判例も知らなかったなど、ひょっとしたら落ちてるんじゃないかという不安に駆られました。そのため、合格していたときは、本当に安心しました。

振り返ってみて合格の決め手は?それに、当該講座はどの程度影響したのか

合格の決め手は、アガルートだと思います。はっきり言って、アガルートの講座を受講していなければ、合格していた自信はありません。アガルートのカリキュラムを、アガルートの推奨通りにこなす、これ以上でも、以下でもありません。基本書も読まなくても、アガルートのカリキュラムで十分合格できます。

さらに、合格の決め手になったのは、家族や友人、大学の教授など、身近な人々が応援し、協力してくれたおかげも大きいです。皆さんには、感謝してもしきれません!!!

アガルートアカデミーを一言で表すと

「最短ルートアガルート」その言葉に偽りなし、ですね!!!

受験生に対するメッセージ

僕は、有名大学卒でもなければ、さして頭がいいわけではない、偏差値52.5の地方の私立大学に通う大学生です。それでも、日本最難関といわれる司法予備試験に、学習期間1年半、受験1回で、合格できました。それができたのは、アガルートさんのおかげだと思います。

もし、法曹への強いあこがれがあるのに、学歴でとあきらめている大学生がいるなら、僕はぜひ行ってあげたいです。学歴など関係ない、正しい方法論さえ身に着ければ、予備試験は合格しうる試験なんです、と。京セラの名誉会長であった故稲森和夫氏は、「世の中に失敗はない。チャレンジしているうちは失敗はない。諦めた時が失敗である」という、言葉を残しておられます。僕は、この言葉の意味を、予備試験を通して、少し理解することができました。