自己紹介

名前:川下拓海さん
年代:20代前半
属性:大学生

受講されていた講座

法曹を目指すきっかけ

私の父は現役の警察官です。代々警察の家系であり、幼いときは、自分も警察官になるのかなとおぼろげながら考えていました。

そんな中、中学3年の時、弁護士の先生が学校で講演会をしてくださる機会があり、その時に法曹三者、特に検察官という職業があるということを知りました。

司法試験に合格すれば、より責任が重く、そして容疑が有罪とされるまで、その事件の最後までに携わることが出来る職に就くことが出来るのだということを知り、自分の進路として、検察官になるという選択肢が増えました。

警察官も法律に携わる職のため、小さいころからもともと法律には興味がありました。検察官になりたいという気持ちと、司法試験という、法律関係の試験の中で一番難しい試験に挑戦してみたいという気持ちから、高校三年の末に、大学生活は司法試験に捧げ、検察官になるということを自分の進路にしようと決めました。

アガルートアカデミーを知ったきっかけや選んだ理由

私は大学付属の高校に通っていたため、大学受験がありませんでした。そのアドバンテージを利用して、高校の授業過程が終了した高校三年の11月から、予備校選びを始めました。

アガルートは、ネット上の予備校比較サイト等で、どのサイトでも上位に挙げられており、CMでも時折目にしていたため、司法試験予備校の大手として、アガルートという予備校があるのだなということを知りました。高校から予備試験の勉強を始めるという人は自分の周りにはいなかったため、情報が少なく、とても慎重に予備校選びを行ったのを覚えています。

次に、アガルートを選んだ理由は、一番カリキュラムの効率が良いと感じたからです。

まず、2年カリキュラムよりも、1年の短期集中でやる方が、知識の老化も少なく、かえってカリキュラム内の合格可能性が上がるのではないかと考えました。

そして、短答よりも論文合格を見据えたカリキュラム設定となっている点、総合講義と論文演習(重要問題習得講座)を並行して行っていく点、そして総合講義が、テキストを二周してくれるという点に、1年合格を目指すうえで一番効率がいいのではないかと思い、最終的にアガルートを選びました。

この選択は合格をした今になっては、受験勉強の中で一番重要で、かつ一番良かった選択だったと感じています。

勉強の方針とどのように勉強を進めていたか

基本的には、アガルートが構成したカリキュラム通りに講義の受講を進めました。

最初は民法の総合講義から始まり、終わったら商法の総合講義と並行しながら民法の書き方、重問をやる、ということを7科目一周しました。この際心がけていたのは、「終わった講座に戻らない」ことと、「暗記をしない」ことでした。この二つをやってしまうと、一周回すスピードが遅くなり、いつまでも一周が終わらないことをストレスに感じてしまうと思います。「重問やったけどよくわからないから、もう一回講義聞こう」ではなく、「全部一周した後に戻ってくるからいいや」と先に勧める人が、早く受かる人だと思います。暗記に関しては賛否あると思いますが、特に論証は一言一句暗記するものではなく、「どういう理由から、どういう規範が生まれるのか」を理解するツールであり、その理解もしないまま字面を暗記するようなものではないと考えています。一周目ではなかなか理解しきるのも難しいですし、論証を暗記するというのも大変で時間がかかりますから、「暗記しなきゃ」と思ってそちらに時間を割くよりも、先に先に進んでいくことが優先であると考えます。

この一周が終わったら、また民法の重問に戻り、7科目の重問の2週目を行いました。2週目が終わった科目から、予備試験の論文過去問を起案し始めました。このあたりから、短答の勉強も始め、本格的にアウトプット段階に入りました。短答は、短答過去問を解きまくり、条文を読みまくれば受かると思います。

さて、予備試験の勉強は、「答案が書けるようになった」タイミングが大きな分岐点だと考えています。私自身、フルスケールで答案を書けるようになってから、大きく気持ちが変わったのを覚えています。

もちろん、模範答案のような完璧な答案が書けるようになるということを表しているのではありません。正直、合格するのに模範答案レベルの回答が出来るようになる必要はないと思います。「答案が書けるようになった」というのは、「答案構成が最後までできて、論証はおぼろげながら、当てはめも何となくだけど、何も見ずに答案を最後まで書けるようになってきた」というような段階を表していると考えていいと思います。ここまで来たら、0から1が終わったといえると思います。後はもう知識を正確にすることと、答案の精度を高めていくことをして、1から10、10から100とどんどん自分の答案力を高めていくだけです。正直、0から1がこの試験の勉強の中で一番大変です。

この工程は、重問で行うことになります。私が重問を回すうえで一番大事にしていたのは、答案の全体像、俗にいう「答案の型」を身に着けることです。「この科目のこの論点の時は、まずこういう風に問題提起して、規範立てて、当てはめして…そしたら次の論点に派生するから…」というように、一問解くごとに、その問題の模範解答がどのような構成になっているのかを理解することを最優先にしていました。正直、この工程が一番大変ですし、テクニックとして三段論法を崩していたりするところもあったりしますから、なかなか「型」として習得することが難しい部分もあります。私自身、最初の民法なんか、わからな過ぎて泣きながら重問を解いていた記憶があります。ですが、私はこの意識で重問2週を終え、予備試験の過去問に着手してみたところ、フルスケールで起案することが出来る問題が半分以上ありました。もちろん、起案できても完璧な答案ではないですし、見たことない論点や難しい問題は自力で解くのは難しいですが、それでも何となくの構成はできるレベルになっていました。その時に気づいたのが、「重問で学んだ答案の型は、予備過去問でそのまま使える」ということでした。

勉強の方針について述べてきましたが、「重問」をどう攻略するかが、予備試験論文式試験を合格するうえで最重要だと考えています。その際には、「答案の型」を自分なりに体に叩き込むということが大切になってくると考えています。

論文の勉強方針について厚く述べたのは、それだけ論文の勉強が難しく、大変であるということです。ですが、一回軌道に乗る、つまり「答案が書けるようになった」ら、そこからは世界が変わると思います。その軌道に乗るまでの私なりの過程を、述べさせていただきました。

学習時間はどのように確保し、一日をどのように過ごしていたか

私は学生であり、時間にも比較的余裕がありました。授業がない時間は、基本的に自習室で勉強をするようにしていました。行き帰りの通学時間も、電車に乗っている時間は、基本的に短答を解いたり、論証を見たりして、なるべく隙間時間を効率的に使うようにしていました。

私は縛られるのがあまり得意ではなく、基本的に学習計画を綿密に立てることはしませんでした。ノルマに追われて焦ったり、体調不良等の急なトラブルで学習計画が狂うことによりストレスを感じてしまったりすると、かえって効率が悪くなってしまうと考えていたからです。予備試験は最低でも1年の勉強を要する長期勝負のため、精神の安定をいかに保つのかということが大事になってきます。ノルマや勉強時間にとらわれすぎないことも、大切かと思います。「勉強できる時に勉強をする」というくらいの気持ちでいいのではないかと思います。

直前期の過ごし方

短答直前期

短答は、ひたすら過去問を解いて、ひたすら条文を読むという勉強方法を行っていました。正直パワープレイなところがありますから、勉強のテクニックはあまりないかと思います。「やれば受かる」とよく言われました。直前期もやることは変わらず、ひたすら問題を解くということしかしていませんでした。

一つ大事なことは、本番に臨む際、休憩時間は短いため、問題を解いている時間や、条文素読を行っている時間はないということです。模試でこのことを知っていましたから、私は休憩時間に一周することが出来る一元教材を各科目作成して、本番にもっていくことを考えました。よく出やすいところをまとめたり、暗記知識を表でまとめて見やすくしたりしたレジュメを作成しました。

そして、大事なのが、模試を受けることです。まず本番の形式や緊張感を知ることがとても大事です。次に、本番同じ問題が出ることがあります。私自身、模試で出た問題が本番何問か出題されました。そして、模試は大抵本番よりも難しいですから、シビアな点数が出ますので、より勉強に拍車がかかると思います。気合を入れるという意味でも、模試は受けるべきだと思います。

私はカリキュラム内合格は正直厳しいかなと思っていたところもあり、カリキュラム内で必ず短答だけは受かりたいという思いで、他の受験生と比較しても多すぎるかなという程度で短答に時間を割きました。一般教養で点が取れないこともあり、法律科目で合格点を超えるために勉強をしました。そのプレッシャーもあり、短答前はとても緊張していたと、今振り返っても思います。

論文直前期

短答後は大学の定期試験があり、論文までは実質一カ月しかありませんでした。

短答に大きく時間を割いていた分、論文の感覚を取り戻さなくてはなりませんでしたし、選択科目、民事実務基礎の要件事実は、あまり手が回っていない状態でした。

一カ月間ではまず、基本七科目の重問一周、予備過去の全問題の答案構成を行いました。その傍ら、要件事実のインプット、選択科目のインプット、司法試験過去問演習を行いました。

本当に時間がなく、起案する時間が取れなかったため、一カ月間はほとんど起案をしませんでした。

最後の三日間で、全科目の論証を回して、本番に挑みました。

論文式試験は、短答よりは軽い気持ちで受験しました。来年は絶対合格したいと考えていましたが、今年はその布石くらいの感覚でしたので、あまり緊張せずに本番を迎えました。

口述式試験

口述式試験の詳細は割愛しますが、間違いなく一番緊張する試験でした。

メインとなる勉強法は、過去問を回すことと、本番形式の練習をすることです。本番形式の練習は、模試受けたり、友人と問題を出し合ったりするのが良いと思います。アガルートは、受講生を対象に口述模試を開催してくれました。マイページからの申し込みになり見逃しやすいため、気を付けてください。

繰り返しになりますが、間違いなく一番緊張します。問題も簡単ではありませんし、合格率はもちろん高いですが、落ちたら振り出しというプレッシャーもあります。しっかりとした対策をすることをお勧めします。

試験期間中の過ごし方

まず、体調管理を徹底しました。厳しい試験ですから、体力もギリギリですし、論文口述は二日間にわたって行われますから、体調を崩してしまったら、相当合格が厳しくなってしまいます。私はこの観点から、試験期間中でもしっかり睡眠をとるようにしていました。

勉強面に関しては、これまでやってきた知識を確認することで精いっぱいになると思います。論文であれば論証の確認くらいしかできる余力はないと思います。ここまでくれば、後はもう本番を迎えるだけですから、難しく考えず、できることをやり、しっかり寝て万全の態勢で臨むことが大切だと思います。

受験した時の手ごたえと合格した時の気持ち

短答式試験

終わった直後は、あまり手ごたえがなく、まずいかもしれないと思いました。

ですが、自己採点をして、法律科目のみで合格推定点を上回っていたため、とてもほっとしました。未知の肢も、趣旨に立ち返って、最後まで考え抜いた結果、正解を導き出すことが出来たのではないかなと今になって思います。

論文式試験

二日目の帰りに商法で論点を落としたことに気づき、そのせいで結論も変わってしまったため、絶望しました。ですが、他の科目の手ごたえが良かったため、もしかしたら受かっているかもしれないという感覚になり、一応口述の勉強をしながら、合格発表を待ちました。

結果、合格しており、同じく論文式試験を受験し、ともに合格した同級生の友人と声を上げて喜んだのを鮮明に覚えています。まさか一発で論文に合格するとは思ってもいなかったため、非常に驚きました。商法の論点落としが響き、あと少しというところで二桁合格を成し遂げることはできませんでしたが、余裕をもって合格することが出来ていたので、自分の勉強は間違っていなかったんだなと思うことが出来ました。

論文の勉強を振り返ると、高速で重問を回したこと、予備過去を全年度きちんと起案したことで、論文の力がしっかりついていたんだなと感じました。短答に大きく時間を割き、論文までの一カ月は時間がなく起案が出来ない状態でありながら、余裕をもって合格することが出来たのは、後ろを振り返らずにアウトプットをすることが出来たからだと、今になって思っています。

口述式試験

最終合格を知った時は、本当にほっとしました。それと同時に、次は司法試験だという自覚がわき、身の引き締まる思いでした。

振り返ってみて合格の決め手は?それに、当該講座はどの程度影響したのか

合格の決め手は、アガルートの一年合格カリキュラムを受講したことです。

アガルートのカリキュラムに沿い、行使の先生方の「とにかく回せ」という言葉に従って、盲目に勉強をしました。受験生活を振り返ってみても、アガルートの受講生になる決断をしたことで、合格まで導いてもらえたと考えています。

一年合格カリキュラムは、それ自体で完成されたカリキュラムで、このカリキュラムの講座以外に、必要なものはありませんでした。

アガルートのカリキュラムを受講し、それに沿って学習をすることこそが、合格に一番の近道だと考えています。

アガルートアカデミーを一言で表すと

「予備試験受験において一番の予備校」です!

受験生に対するメッセージ

まず、私はマネージメントオプションを使用せずに、カリキュラム内合格を果たすことが出来ました。マネージメントオプションがないと合格は厳しいのではないか、と思ってアガルートの受講を悩んでいる方がいるかもしれませんが、決してそんなことはありません。マネージメントオプションをつけずとも、合格に必要十分な要素がカリキュラムに詰まっています。安心して、アガルートを選んでいいと思います。

高校三年の末から勉強を始めてからは、気が休まることは少なく、大学1、2年次は、大半の時間を予備試験の勉強に費やしました。今でも本当に大変な試験だったなと思います。現在予備試験の受験を控えている方々の中には、苦しい思いをされている方もいらっしゃるかと思います。ですが、合格した先には、本当に素敵な景色が待っています。先の見えないトンネルも、いつかは出口が来るように、苦しくても勉強を続けていけば、いつかは必ず突破口が見えてきます。私もこの先、司法試験が控えています。アガルートを信じて、一緒に頑張りましょう!

最後に

最後に、多くの講座で、合格のための力を養ってくださった工藤先生、口述模試を担当してくださった谷山先生、他多くの講師の皆様、アガルート関係者の皆様、本当にありがとうございました。

アガルートを選んで、本当によかったなと思っています。

司法試験にも必ず合格し、良い法律家になれるよう、これからも精進いたします。

改めて、この場を借りて、御礼申し上げます。