合格者インタビュー

受講されていたカリキュラム

下記リンクは最新版です。合格者の方の受講年度と異なります。

自己紹介

在卒高校名:市立札幌旭丘高等学校
在卒大学名・学部名:東京理科大学・経営学部
在卒法科大学院名・コース:北海道大学法科大学院・2年課程(現在1年次)
受験回数と短答、論文の通過経験:学部2年次に初受験。短答は毎年通過するも、論文通過は今回(令和
 4年度)が初めてでした(なお、令和3年度の論文は0.56点差で涙を呑みました)。

法曹を目指すきっかけ

率直に言えば、浪人したにもかかわらず大学入試に失敗したことが最大の理由だと思います。まだまだ頑張れたはずだという後悔、周囲の期待を裏切ったことへの罪悪感。ややもすれば滑稽に思われるかもしれませんが、そうした負の感情から、リベンジの機会を切に願いました。ちょうど兄が法曹であったことも相俟って、司法試験という大きな目標を打ち立てました。
また、法曹としての自由でスタイリッシュなライフスタイルにも憧れました。昔から、キャラが立ちすぎている(?)せいか、「お前に企業は無理!」と言われることもありましたから、やはり僕には法曹という職が向いているのだろうと信じています(僕の名誉のために付言しておくと、僕とてコミュニケーション力に難があるわけではありません。それどころか、学部生時代は行きつけのバーで歳上の方々からずいぶんと可愛がっていただきました)。

実際、予備試験合格後、就活を進める中でいくつかの法律事務所の雰囲気を体験させていただく機会に恵まれましたが、どこの事務所もひとりひとりの個性を重んじてくださり、非常に働きやすそうな印象を受けております。

アガルートアカデミーを知ったきっかけや選んだ理由

アガルートアカデミーが設立される前の話ですが、兄が工藤北斗先生の講座を受けており、工藤先生が大変優れた講師だと聞いておりました(実際、あんな兄でも司法試験に一発合格しました)。

また、資料等を直に拝見し、カリキュラム等に一切の無駄がないことにも感動しました。

勉強の方針とどのように勉強を進めていたか

実のところ、総合講義の動画視聴は序盤も序盤で挫折しました。そんな僕でも、いや、そんな僕だからこそ、勉強方針というものについて(一家言というほど大それたものではありませんが)思うところがありますので、以下に述べさせていただこうと思います。大きく、2つの段落に分かれます。
 第1:司法試験・予備試験というものは、演繹的なアプローチ(平たく言えば、テキストや基本書で知識をインプットすることに専念して、それから問題演習に入るというアプローチ)では苦戦するおそれが高いと考えます。その最大の理由は、「蓄えた知識が、実際の試験問題のどこで・どのように用いられるのか」に関する智慧(僕はこれを「戦術眼」と呼んでいます)が養われないことにあると考えます。結局、司法試験も予備試験も書けなければ受からない試験である以上、本番で書けない知識───換言すれば則ち、魂の込もっていない知識────は知らないも同然でしょう。そのような観点から、私は重要問題習得講座(以下「重問」)と過去問を中心に取り組み、生きた知識を少しずつ血肉化していくという帰納的なスタイルを採りました。
 第2:重問は、基礎知識及び論証の定着という目的との関係で非常に優れた問題集だと思います。打てば響くように基本知識を想起できる能力が極めて重要なものであることは論を俟ちませんし、基幹問題集を何周も反復するというのが王道の学習方法ということも弁えております。その一方で、この段落では、無味乾燥な作業だけを延々と反復することだけが勉強ではない、則ち、頭を使って必死に本番サイズの問題文に食らいつくという経験もまた不可欠であるということについて述べたいと思います。もとより、法学の世界においては、実社会の紛争及びそれを解決するツールである法律が主役であり、紛争が先に存在しています。しかし、こと試験においては、出題趣旨というものが問題文中の事実関係に先行しています。敷衍すれば、出題者はA,B…という事項について受験生に論じてもらいたいがために、a,b…という事実を問題文に記載しているのです(ヨソ行きの言い方をすれば、「解」が問題文に内在しているのです。)。則ち、受験生は、あたかも化石から全体像を復元するかのごとく、問題文中の事実関係から解答を復元することが求められているのだと僕は考えています。そして、そのためには、問題文中にある〈手がかり〉に目敏く反応する能力を養う必要があり、この意味で、基本問題の反復のみならず、本番サイズの問題とにらめっこする経験も重視すべきだと考えています。

受講された講座の良さ,当該講座の学習方法(使い方)

総合講義300

テキストのコンパクトさが最大の売りだと思います。テキストを受け取った時には「こんなもんか」としか思いませんでしたが、他の予備校テキストや市販の参考書の厚さを知って以降はあの薄さがどれほどすごいことなのか肌身に染みました。もちろん、内容も一級品で、「このテキストに載っていないことは覚えなくていい」と本気で思っていました。

論文答案の「書き方」

総合講義を受けた直後、あるいは同時並行で受講する講座で、答案の書き方を文字通り何も知らない受講生にとっては、その雰囲気や方法を掴む意味でも大変ありがたい講座でした。扱われる問題も、基礎的で最重要なものばかりでしたから、その意味においても初学習者が取り組むのに最適であると思われます。
もちろん、テキストと講義の何れとも、ムダがなく洗練された内容でした。結局、予備試験も司法試験も、答案が書けなければ意味がないのですから、初学者の段階で答案を書くことを意識させることは不可欠だろうと考えます。

論証集の使い方

論証集もコンパクトでした。重要フレーズは太字になっており、最悪そこだけ覚えればいい、というノリで取り組みました。また、余白も「良い感じ」で、実際に問題を検討する中で気付いたこと等をメモするに十分でした。

自分の活用方法等について反省を述べるとすれば、これだけコンパクトで持ち運びに適しているのだから、スキマ時間等に見返したりすべきだったということです。実のところ、いまだにうろ覚えの(キーワードと規範・結論しか覚えていない)論点が少なくありません。

重要問題習得講座

上述の通り、基幹教材として重宝しました。問題数も、数ヶ月(もっと真剣な人であれば1ヶ月?)あれば1周できるような適切な分量でした。模範解答を読み込む中で、基礎知識及び論証並びに上述の戦術眼を少しずつ体得していきました。

予備試験論文過去問解析講座

司法試験・予備試験における過去問の重要性は今更私が語るまでもないと思いますが、その解説の質という点においても他予備校のテキストや市販教材に負けないものと感じています。

また、工藤先生が講義の中でちゃんと再現答案にも目を通すべき旨を注意喚起してくれたおかげで、相対性という視点についても忘れることはありませんでした。

学習時間はどのように確保し,一日をどのように過ごしていたか

学部生時代は、法学部ではなかったこと、かつ、課題の多い学部であったこともあり、主に平日の夕方以降を法律の勉強に充てていました。所詮は専業受験生だったのですが、しかし、経営学関連の課題と法学の勉強を並行させるのは疲労感が大きかった記憶があります。他方、土日は予定がない限り15時くらいから21時まで法律の勉強という過ごし方でした(今にして思えば、もっと早起きすべきでした。笑)。

直前期の過ごし方

直前期だから特にどう、ということはありませんでした。勉強内容も日頃の延長という感じです。強いて言えば短答の直前期はあたふたしましたが、受験生時代に文系と理系を両方やったこともあり(浪人中に理転したという希少種です。結局理科大の文系学部に入学するという中途半端な着地になりましたが。笑)、一般教養科目でそこそこ点を取れると見込んでいたので、割に気楽でした。
論文の直前期はもちろん緊張しましたが、「どれだけ緊張していても、実力があれば出る。あれば。」と自分に言い聞かせていました。その一方、令和3年度予備試験(合格した年の前年)の論文では、0.56点足りず不合格と大変悔しい思いをしており、絶対に落とし前をつけてやりたいという思いを胸に秘めていました。

試験期間中の過ごし方

学部生時代は、他学部ということが災いし、周りに勉強仲間が一人もいなかったので、周りとの会話内容や雰囲気は何も変わることがありませんでした。他方、ロースクール生として受験した今年は、仲の良いライバルくんと、「2日目が終わるまで、終わった科目についてはお互いノーコメントで!」という約束を結んでいました(ただ、この約束が適用されるのは実質的には1日目の夕方以降に限られるので、大した影響はありませんでした。)。
結局、試験期間中もそうでない期間中も、特にやることや考えることは変わらなかったというイメージです。

受験した時の手ごたえと合格した時の気持ち

「去年でさえ0.56点差なんだし、まあ今年は大丈夫だろう。」というのが試験直後の率直な感想です。とはいうものの、合格発表時に自分の番号を見つけたときは、ギリ泣くか泣かないかという感じでした。真っ先に家族、そして好きな人(好きだった人?)に連絡して労ってもらいました。笑

振り返ってみて合格の決め手は?それに,当該講座はどの程度影響したのか

決め手と言われると難しいです。ここまで色々偉そうなことを言ってきましたが、学部生時代に合格できなかったという意味では決して短期合格者というわけではありません。どちらかと言えば、「ダラダラ勉強していたら自然と受かった」とでも言うべきなのかもしれません。その事実を受け入れた上で僕に語れることがあるとすれば、「継続は力なり」という陳腐な箴言に尽きるでしょう。

アガルートアカデミーを一言で表すと

水先案内人。

受験生に対するメッセージ

法曹として、皆さんと一緒に素敵な社会を実現できれば幸いです。