検察官(検事)とは?警察との違いは?仕事内容や役割、やりがいも解説
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ニュースやドラマで見かけることの多い「検察官」。
しかし普段の生活ではあまり関わりがないため、実際のところ検察官にはどのような役割があるのか、ご存じない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、検察官の役割とはどういったものなのか、詳しく解説していきます。
検察官と警察との違いや仕事内容、やりがいについてもご紹介していきます。
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検察官とは?役割をわかりやすく解説
検察官とは、犯罪の捜査や刑事裁判を遂行する国家公務員です。
検察官には、検事総長、検事、副検事等の区分があり、司法試験に合格して検察官を志望した場合、検事として任官するのが一般的です。
犯罪の疑いがある事件が発生した場合、検察官はその事件を捜査し、被疑者の取調べや被害者からの聴取、証拠品の収集や精査などを行います。
そして、捜査の結果を踏まえ、検察官は被疑者を起訴するか否か、つまり、刑事裁判にかけるかどうかを決定します。
日本において、被疑者を起訴するか不起訴にするかをを決められるのは、検察官のみ。
事案の真相を明らかにし、真犯人に対し適正な処罰がなされるためには、検察官の存在が不可欠なのです。
また、起訴をした場合、被疑者改め被告人が真犯人であり、有罪であると主張することや、どれほどの刑罰を受けるべきか検討し、裁判所に対して論告、求刑を行って適正な処分を求めることも、検察官の重要な役割です。
犯人を明らかにし、適切な刑罰を科すには検察官が必要であり、安全な社会の形成に検察官は欠かせない存在だと言えるでしょう。
※出典:我が国の検察制度の特色
検察官と警察官の違いとは?
犯罪が発生すると、多くの場合、まずは「警察」が一次的に捜査を行い、必要がある場合には犯人と疑われる人物(被疑者)を逮捕します。
逮捕された被疑者は警察に身柄を拘束され、警察署内の留置所に留置されます。
そして、刑事訴訟法の定めにより、警察は逮捕後48時間以内に、被疑者の身柄と捜査記録を「検察官」に引き継がなければなりません。
被疑者を引き継いだ検察官は、本当に被疑者が犯人であるのか、どのような犯罪が成立するのか、犯罪が成立するとして、起訴が相当な事件であるのか…事案の真相を明らかにするために、さらに捜査を行います。
この際、検察官自身が捜査を行うこともあれば、警察を指揮して捜査を行うこともあります。
法律上、検察官は警察を指揮することとなっていますが、どちらが偉いということではありません。警察官から、色々なことを教えてもらうことも多々あります。
被疑者を刑事裁判にかけるか否か、つまり、起訴不起訴の最終的な判断を下すのも検察官の役割です。
警察は刑事裁判の当事者となることはありません。
検察官と警察は異なる仕事ですが、両者はときにぶつかりながらも、協力して事件を解決していく関係といえるでしょう。
※出典:警察との違い
【動画で分かる】検察官の仕事内容・働き方
検察官の仕事内容と種類
検察官と聞くと「検事」という呼び名を耳にすることも多いと思いますが、検事は検察官の中の役職の一つです。
検察官の役職の種類
- 検事総長
- 次長検事
- 検事長
- 検事
- 副検事
検察官は上記の5つに区分され、いずれも国家公務員です。
このうち多数を占めるのが「検事」と「副検事」です。また、各地方検察庁の長として検事正が置かれていますが、検事正を務めるのは検事です。
検察官の仕事は、主に次の4つ。
検察官の主な仕事
- 証拠を収集し、被疑者を起訴するか不起訴にするかを判断する(捜査)
- 刑事裁判において、被疑者(被告人)が犯罪を行ったことを証明する(公判)
- 刑罰が適切に執行されるよう指揮する
- 法令に定められた各種事務を行う
①証拠を収集し、被疑者を起訴するか不起訴にするかを判断する(捜査)
前述したように、検察官は事件の捜査を行い、被疑者を起訴するか否かを判断します。
日本において、被疑者を起訴することができるのは検察官だけであり、不起訴の判断ができるのも検察官だけです。
②刑事裁判において、被疑者(被告人)が犯罪を行ったことを証明する(公判)
刑事裁判に立会し、被告人が有罪であることを主張・立証(裁判所に証拠を提出したり、証人尋問をしたり)し、犯罪の証明を行います。
また、被告人にはどの程度の重さの刑罰が相当かを検討し、裁判所に対し求刑します。
さらに、裁判所の判決に問題があった場合控訴や上告等の不服申立てをするのも、検察官の役割です。
③刑罰が適切に執行されるよう指揮する
裁判の確定後に、刑罰が適切に執行されるよう、刑事施設職員などの執行機関を指揮します。
被告人の社会復帰を支援するのも、検察官の仕事の1つです。
④法令に定められた事務を行う
法令に定められた各種事務を行います。
また、法務省の職員として、法令そのものの立法や改正に携わることもあります。
このように、検察官は仕事の幅が大変広く、責任の重い仕事であると言えるでしょう。
※出典:検察官の種類と職務内容
※関連コラム:検察官・検事になるには?年齢や出身大学との関係性についても解説!
検察官のやりがいとは?
検察官は警察官とともに人々の平和を守っており、世の中になくてはならない仕事です。
困っている人や被害に遭って苦しんでいる人たちのために働ける、世の中をより良くするために働けることから、やりがいを感じて働いている人が多いです。
また、検察官の仕事においては、事件の当事者(被害者)との間で金銭の授受は発生せず、公務員として国から給与を支給されます。お金のために判断が揺るがされることはなく、是々非々で判断できることも魅力といえます。
純粋な気持ちで真実を追求し事案の真相を解明すること、公平公正であると同時に、被害者の立場を重んじ、事件を解決することで少しでもその助けとなれることは、時に困難を伴いますが、同時に検察官の大きな魅力です。
そして、検察官の活躍のフィールドは、捜査・公判活動にとどまりません。
法務省において立法に携わることは先ほど触れましたが、それだけはありません。内閣府、金融庁、警察庁、国税庁、公正取引委員会、証券取引等監視委員会…数えきれないほどの省庁で、検察官が活躍しています。
また、主要国における日本国大使館や、国際機関の日本政府代表部では、検事が一等書記官を務めており、諸外国との調整業務等に従事しています。さらに、アジアを中心とした諸外国においては、検察官が法整備支援に携わり、海外の法律の立法に大きな役割を果たしています。
さらに、民間企業や様々な法人など、検事が活躍するフィールドはとどまることを知りません。どこに置かれても、法律の専門家として、これまで培った能力を発揮すると同時に、ますます磨きをかけることが可能です。
そして、出向先の出会いが、その後、長きにわたるご縁となることも少なくありません。
このように、司法の中心として様々な仕事を経験できる点、様々な得難い出会いがある点も、検察官の魅力であると言えるでしょう。
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