『実践演習行政法』の司法試験へ向けた勉強での使い方と特徴
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行政法の司法試験・予備試験の過去問を検討したけれども、よくわからなかった・・・
行政法の問題演習をしたいけれども、何を素材としたらよいかわからない・・・
このような疑問に直面している方は多いのではないでしょうか。
そこで本コラムでは、行政法の問題演習書として最適な「実践演習行政法」についての特徴と活用方法について解説いたします。
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「実践演習行政法」は、「司法試験予備試験の問題を素材にして、行政法の基礎知識を確認しつつ、事例問題への対応力を向上させたいと考えている学修者のために執筆された」(はしがき抜粋)ものです。
各設問は、基礎編、応用編、展開編に分かれています。
基礎編では、「当該年度の予備試験問題を解くうえで必要となる基礎的事項について解説」がなされています。
応用編では「まずもって当該年度の予備試験問題の解説を行うが、ひと通り解説を行った後で、法務省から公表されている当該年度の出題趣旨を掲載し、併せて若干のコメント」も行われています。
展開編では、「発展的な問題」を扱っており、基礎編→応用編→展開編と順を追っていくことで効率的な学習をすることができる構造になっています。
さらに参考答案も各設問の最後に掲載されており、実際に司法試験の答案として記載するとしたらどのような答案になるのかも知ることができ、本書が「実践演習」と銘打っていることからも本試験で役立つ演習書であることがわかります。
このように、本書は司法試験予備試験の問題を素材として基礎から発展まで学習をすることができるだけでなく、参考答案を踏まえたうえでの本試験を見据えた実践的な演習ができるという特徴があります。
司法試験の勉強での使い方
本書の基本的な活用方法は、「①通読(問題をざっと読み、回答・解説を読込む。)②2回目以降は、回答・解説を伏せたうえで、自ら答案作成をしてみる」ことをお勧めします。
以下では、より詳細な本書活用方法をご説明いたします。
まずは通読する
何よりも、まずは通読をしましょう。
その際、問題文を読んだ後、余裕のある方は答案構成をするのもよいとは思いますが、1回目は、あまり時間をかけすぎないことがポイントです。
特に行政法を苦手とする方は、問題文を読んだうえでどこから検討をしたらよいのかについて当たりを付けることに苦手意識を持たれている方が多いのではないでしょうか。
そこで、まずは通読をすることが非常に大切です。
本書は予備試験の問題を素材としたうえで、当該問題の論点となる部分について、非常に丁寧に、かつ分かりやすく噛み砕いた解説がなされています。
イメージを持って頂けるように、1つ具体例を挙げます。
多くの受験生は、処分性の定義は知っているかもしれませんが、実際に処分性が論点となる問題が出題された場合、答案の良し悪しに大きな差が生じます。
なぜ、差異が生じてしまうのでしょうか。
それは、処分性の定義は知っている(暗記している)ものの、その内実を十分に理解していないということです。 本書では、処分性につき「4要素」に分類し、各要素について具体的な解説がなされています。
そのうえ、参考答案では具体的な事例におけるあてはめについても記載がなされているため、解説部分で規範の理解を深め、参考答案であてはめの理解を深めることができます。
そのため特に行政法に苦手意識を持たれている方は、まずは本書を通読しましょう。
自ら答案を起案をしてみる
本書には、参考答案が掲載されています。
この参考答案を見ることで、本文の解説を踏まえ、実際に答案という形に落とし込んだときにどう書いたらよいのかがわかります。
このような参考答案を十分に活用するためには、自ら答案を起案し、参考答案と比較することが非常に大切です。
自ら起案した答案と参考答案を比較することで、自分の答案の弱点をはっきりと認識することができます。
本書を通読して頂くと、行政法の理解が通読前と比較して向上していることを実感することができるようになります。
この過程によって、答案作成の力を十分に練ることができるのが本書の本当の良さであるといえるでしょう。
『実践演習行政法』の評価
「実践演習行政法」は、
- 政法の基礎的理解に不安を持っている
- 実際に答案を書こうとしても、なかなか上手く書くことが出来ない
といった受験生には非常に最適な演習書です。
まずは本書を手に取り、通読→起案を繰り返すことで、行政法の基礎的な演習力を身に付けることができます。
そのため本書は、初学者(行政法に苦手意識を持っている方)~中級者には非常におすすめできる書となっております。
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