司法試験を受験するには、まずは予備試験に合格するか、法科大学院(ロースクール)を修了して、受験資格を得ることが必要です。

そのため、どの法科大学院を受験するべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。

本コラムでは、全国にある法科大学院のうち、岡山大学法科大学院について紹介したいと思います。

このコラムを読めば、岡山大学法科大学院の基本情報のほか、入試情報についても知ることができます。

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岡山大学法科大学院の基本情報・特徴

この章では、岡山大学法科大学院の基本情報や特色、司法試験合格実績について紹介します。

基本情報

所在地

岡山大学法科大学院は、岡山県岡山市にある法科大学院です。

最寄り駅であるJRの法界院駅からは徒歩約15分であり、JR岡山駅からバスで通学することも可能です。

学費

岡山大学法科大学院は国立のロースクールであるため、学費は他の国立のロースクールと同じになります。

具体的には、

入学金 28万2000円
授業料 80万4000円(年間)

となっています。

もっとも、岡山大学法科大学院は、法科大学院独自の奨学金を用意しており、成績優秀者に対しては、授業料相当額の奨学金支給や無利息での貸与制度も設けられています。

特色

岡山大学法科大学院の特色としては、充実したサポート体制が挙げられます。

岡山大学法科大学院では、1クラス10〜15人程度の少人数教育が行なわれており、これにより、教員のきめ細やかな指導が実現されています。

また、岡山大学法科大学院では、学習アドバイザー制度を設けています。

学習アドバイザー制度とは、修了生の若手弁護士を学修アドバイザーとして任用し、その学修アドバイザーが、授業担当教員と連携して、司法試験合格者および実務法曹という立場から学修を支援する制度です。

これにより、法学未修者であっても、不安を感じることなく法科大学院での学習を進めることができます。

さらに、岡山大学法科大学院では専用の自習室が完備されているほか、蔵書約160万冊、閲覧席約1000席を有する附属図書館を利用することもできるため、学習環境も非常に充実しています。

司法試験合格実績

岡山大学法科大学院の司法試験の近年の合格実績は以下のとおりです。

合格者数(内、未修者)受験者数(内、未修者)
令和5年12人(4人)33人(19人)
令和4年8人(3人)26人(18人)
令和3年16人(8人)33人(23人)
令和2年8人(3人)30人(22人)
令和元年7人(5人)42人(33人)
平成30年11人(6人)51人(44人)
平成29年9人(5人)50人(42人)
平成28年11人(6人)61人(48人)
岡山大学法科大学院 司法試験実績より

令和4年度の司法試験においては、受験者33人中12人が合格しており、その合格率は約36.4%です。

もっとも、令和3年度既修コース修了者7人は、令和4年度の司法試験に全員現役で合格しており、素晴らしい実績を残しています(予備試験合格受験者 2 名、法科大学院修了資格者 5 名)。

また、法学既修者を主体とする法科大学院が司法試験合格率の上位を占めるなか、岡山大学法科大学院は、法学未修者の合格者もコンスタントに輩出しています。

参照:岡山大学大学院 法務研究科

岡山大学法科大学院の入試情報

この章では、岡山大学法科大学院の入試情報について説明していきます。

募集定員

岡山大学法科大学院の募集定員は、未修者・既修者合わせて24人(内、法曹コース特別入試7人)となっています。

同一日程の法学未修者入試と法学既修者入試は併願することができ、両入試の合格基準を満たした場合は、法学既修者入試に合格したものとして取り扱われます。

試験科目・入試内容

岡山大学法科大学院の入試には、一般入試(未修者・既修者)と法曹コース特別入試の2種類があります。

以下では、それぞれに分けて説明します。

一般入試

①未修者コース

法学未修者入試では、小論文と、面接・書類審査を総合して判定されます。

小論文においては、法科大学院での勉強に必要な理解力、思考力、表現力が問われ、面接・書類審査においては、志望動機の明確さ及び求める学生像にかなう人物かどうかが見られます。

配点は、小論文200点、面接・書類審査100点の計300点です。

②既修者コース

法学既修者入試では、法律科目試験と、面接・書類審査を総合して判定されます。

法律科目試験においては、次の3科目について論述試験が行なわれます。

  • 公法系(憲法) 
  • 民事法系(民法、民事訴訟法、商法)
  • 刑事法系(刑法、刑事訴訟法)

配点は、公法系は50点満点、民事法系は150点満点、刑事法系は100点満点で、計300点満点です。 

面接・書類審査においては、未修者入試と同様、志望動機の明確さ及び求める学生像にかなう人物かどうかが見られます。

最終的に、法律科目試験300点、面接・書類審査100点の計400点により合否が判断されます。

法曹コース特別入試

法曹コースとは、法学部等を設置する大学が、法科大学院と連携して法科大学院の既修者コースの教育課程と一貫的に接続する体系的な教育課程を編成し、法曹志望者や法律の学修に関心を有する学生に対して、学部段階からより効果的な教育を行うものです。

法曹コースの授業は法科大学院未修者コース1年目の内容を代替するものであり、法曹コースを修了し、早期卒業をした者は、法科大学院未修者コースの2年目(既修者コース1年目)に進学し、法曹を目指すことが想定されています。

参照:法曹コースとは:文部科学省 

そのため、岡山大学法科大学院においても、基本的には法学部法曹プログラムを修了見込みの者が法曹コース特別入試の対象となってます。

法曹コース特別入試においては、岡山大学法学部法曹プログラムの成績と面接・書類審査を総合して判定されます。

配点は、法曹プログラムの成績100点、面接・書類審査100点の計200点です。

検定料

岡山大学法科大学院の入学試験検定料は、どの入試方式であっても一律30,000円となっています。

岡山大学法科大学院の倍率と難易度

岡山大学法科大学院の令和5年度入試は、受験者112人に対して合格者47人であり、その倍率は、2.38倍です。

2023年度の法科大学院別の入試倍率ランキングによれば、全34法科大学院中23位となっています。

倍率は、全国の法科大学院の中では中程度で、比較的入りやすいといえます。

関連コラム:【2024最新】法科大学院(ロースクール)入試の難易度を倍率と合格率から分析! | 司法試験・予備試験コラム 

参考:岡山大学大学院 法務研究科

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