司法試験を目指す方は、まず、法科大学院(ロースクール)への進学か予備試験に合格するルートか決めなければいけません。

法科大学院を選ぶ際は、学費がどれくらいかかるかは重要なファクターです。

本コラムでは、法科大学院を修了するまでにかかる学費について詳しく見ていきす。

法科大学院(ロースクール)の学費はどれくらい？

国立の法科大学院の学費

国立大学の学費は、一律に入学金が28万2000円、年間の授業料が80万4000円です。

既修者コースの場合は2年分、未修者コースの場合は3年分の学費を支払うことになります。

すなわち、

既修者コースは総額282,000＋804,000×2=1,890,000円
未修者コースは総額282,000＋804,000×3=2,694,000円

ということになります。

既修者コースであれば200万円弱、未修者コースであれば300万円弱かかるといった感じです。

また、公立大学は、大学がある自治体の住民のみ入学金が安く設定されています。

たとえば、首都大東京の場合、都民であれば入学金が14万2000円、授業料は60万円程度なので、国立大学よりもさらにコストをおさえることができます。

私立の法科大学院の学費

私立大学の法科大学院の入学金、授業料にはかなりの幅があります。

おおむね入学金は10～30万円です。

授業料は、国立大学より安い50万円台、60万円台としている大学もあれば、130万円台、140万円台という大学もあります。

授業料は大体110万円前後に設定している大学が多いです。

私立の法科大学院に通う場合、1年で100万円前後かかると考えておくべきです。

私立の場合も、既修者コースであれば2年分、未修者コースであれば3年分の学費を支払うことになります。

たとえば、入学金を20万円、授業料を120万円と仮定すると、

既修者コースは200,000+1,200,000×2=2,600,000円
未修者コースは200,000+1,200,000×3=3,800,000円

ということになります。

既修者コースであれば300万円前後、未修者コースであれば400万円前後かかる感じです。

私立の学費はとても高いので、後述の奨学金を上手く利用しましょう。

奨学金や学費免除にも注目

少人数教育を徹底するために、上記の通り通常よりも費用がかかる法科大学院ですが、そのほとんどが奨学金制度や入学金・学費の免除制度を設けています。

まずは、経済的に困窮している者に対する入学金・学費の免除です。

ほとんどすべての法科大学院は、この制度を設けています。

また、成績優秀者に対する学費の減免制度もあります。

この制度を導入している国立・公立の法科大学院もありますが、やはり元々の学費が高額な私立の方が充実しています。

たとえば、中央大学法科大学院は募集人員200名のうち、20名に全額免除、150名に半額免除を適用するので、実質受験生の約7割が学費免除の恩恵を受けることになります。

また、福岡大学法科大学院は、九州出身の成績優秀者に対する学費免除も行っています。

このように、奨学金制度の内容や適用される人数は、各法科大学院により様々なので、事前に調べておく必要があります。

※関連コラム：法科大学院（ロースクール）入試の難易度を倍率と合格率から分析！

自分にとってコスパのいい法科大学院とは？

法科大学院は他の大学院と比較して学費が高いので、なるべくコストを押さえたいと思うところではあります。

しかし、学費だけで進学先を決定するのは避けてください。

法科大学院は司法試験に向けて勉強する場所ですから、当然一番の指標とすべきなのは司法試験の合格率です。

また、勉強に集中できる学修環境があるか、十分な資料・データベースにアクセスできるか、無理なく通えるかといった点も重要です。

たしかに、学費がかかるのは厳しいですが、奨学金を利用することもできます。

また、長い目で見れば、結局司法試験にいちはやく合格するのがもっともコスパの良い方法なので、自分が頑張れる環境を提供してくれる法科大学院を選んでください。