司法修習とは?スケジュールや給料、修習生登録後の流れを解説
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司法試験に晴れて合格したら念願だった法曹になれる!
と思うかもしれませんが、実はすぐに実務家にはなれません。
司法試験合格後、実際に働き始める前に、1年間の司法修習で実務を勉強しなければなりません。
では、司法修習とは一体どんなものなのでしょうか。
その概要やスケジュール、給料などを徹底解説します。
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司法修習とは?
司法修習とは、司法試験合格後、法曹資格を得るために必要な、裁判所法で定められた法曹教育制度です。
司法試験で必要な勉強はあくまで法律を解釈するための机上の勉強でありましたが、司法修習では主に法律実務に関する知識と実技を学ぶことが目的です。
司法修習の最後には、司法修習生考試、いわゆる「二回試験」を実施します。
修習生は二回試験に合格することでようやく弁護士・検事・裁判官となることができるのです。
司法修習は、弁護士・検事・裁判官いずれの道に進む者に対しても、同一課程で行われます。
司法修習生は公務員的な立場として扱われるので、就業時間は裁判所に準じて基本9時~5時です。
弁護修習中は配属先の事務所に従うので少し長くなることもあります。
関連コラム:司法試験とは~日程・配点・試験時間等~
司法修習で給料はでる?いくら?
司法修習生には、「修習給付金」という名前の給料がでます。
修習給付金(給料)の額については裁判所のホームページで公表されており、毎月135,000円が支給されています。
この他にも、修習のために下宿している方には「住居給付金」として毎月35,000円が、修習に伴って引っ越す方には「移転給付金」として引っ越し費用の補助金があります。
毎月13万5千円となると、実家暮らしであればまだしも、一人暮らしをしていくには厳しい額といえるでしょう。
ちなみに、最高裁判所から許可を得てアルバイトを行うことも可能です。
司法修習のスケジュール・期間
司法修習では、法律実務家に必要な事実認定などをおよそ1年の期間で学習します。
例えば、学校のように講義形式で勉強することや、裁判所で裁判を傍聴するといった実地研修もあり、この1年間で実務における沢山の大切な要素を学び取るのです。
例年、大まかには以下のようなスケジュール・期間で司法修習が行われます。
※令和5年司法試験合格以降に実施される司法修習については、翌年の3月からの開始となりますので、以下のスケジュールとはスケジュールがズレる、もしくは変更される可能性があることにご注意ください。
【スケジュール】 | 【内容】 |
9月 | 司法修習生申込み |
12月 | 導入修習 |
1月~7月 | 分野別実務修習 |
8月~9月(A班)10月~11月(B班) | 集合修習 |
8月~9月(B班)10月~11月(A班) | 選択型実務修習 |
11月下旬 | 司法修習生考試(二回試験) |
12月 | 二回試験合格発表&司法修習終了 |
司法修習の流れと内容
司法修習は司法試験合格後、修習生登録した場合に、以下の5段階によって行われます。
- 導入修習
- 分野別実務修習
- 選択型実務修習
- 集合修習
- 司法修習生考試(いわゆる二回試験)
以下、各段階について詳しく見ていきましょう。
修習生登録(9月)
司法試験の合格発表は例年9月にあります。※2023年から司法試験の合格発表は11月。
そこで合格した方は、合格発表日~約1週間の短期間で修習生登録の出願手続(司法修習生の申し込み)をします。
分野別実務修習は全国の地方裁判所所在地で実施されるのですが、この時に配属地の希望を出すことが出来ます。
その後、白表紙という司法修習で使用する教材と課題が送られてくるため、12月の司法修習開始までにやっておかなければなりません。
採用発令がされるのは11月。
採用内定の辞令及び分野別実務修習の修習先が記載された書類が到着します。
導入修習(12月)
修習生として認められたら、12月からはいよいよ導入修習です。
導入修習は埼玉県和光市にある司法研修所で、およそ1ヶ月にわたり、講義・演習形式の修習を受けます。
導入修習はこれから行われる修習のガイダンス的な役割。
起案の初歩的な考え方や事前課題の解説などを内容とする講義や軽めの起案、グループワークなどを行います。
※関連コラム:導入修習とは?開始時期と場所、講義内容とついていくためのポイント
分野別実務修習(1月~7月)
修習の大部分を占めるのが分野別実務修習。
分野別実務修習は採用発令の時に通知された修習地にて行われます。
導入修習後の1月~7月にかけて、「民事裁判」「刑事裁判」「弁護」「検察」といった配属庁に4クールに分かれ、各配属庁で約2か月の研修を受けます。
どの時期にどの配属になるかはクラスによって異なります。
選択型実務修習(8月~9月or10月~11月)
集合修習の前又は後に、約2ヶ月間の期間中、数ある修習プログラムから自分で興味のあるものを選んで修習するものです。
A班とB班に分かれ、以下のようなプログラムが実施されます。
- 各配属庁で行われるプログラム
- 全国さまざまな場所で行われる全国プログラム
- 自分で会社の法務部などの研修先を見つけてくる
選択できるプログラムは2週間程度の期間のものが多いので、大半の修習生は、いくつかのプログラムを選択します。
分野別実務修習を深化させた研修などもあり、ここで修習の総仕上げを行います。
※関連コラム:実務修習とは?分野別実務修習・選択型実務修習についてそれぞれ解説
集合修習(8月~9月or10月~11月)
集合修習は選択型実務修習の前又は後に約1か月半行われます。
集合修習では民事弁護・刑事弁護・民事裁判・刑事裁判・検察の5科目についてみっちりと講義を行います。
具体的には起案と模擬裁判です。
起案は丸一日かけて行われ、とてもハードな内容となっています。
二回試験に対応できる学力が身につくように、みっちりと学ぶことになるでしょう
※関連コラム:集合修習とは?修習の内容や期間中の過ごし方を紹介
司法修習生考試【二回試験】(11月)
修習課程をすべて終えたら、最後は二回試験が待っています。
二回試験の科目は民事弁護・刑事弁護・民事裁判・刑事裁判・検察の5科目で、試験は起案の形式で行われます。
試験時間は昼食時間も含めて7時間半にも及び、1日1科目5日間にわたって実施されます。
二回試験に合格しなければ法曹になることは出来ません。
とは言え、二回試験に落ちる人数は毎年10人に満たないくらいで、極めて少数です。
※関連コラム:二回試験(司法修習生考試)とは?内容・科目と不合格にならないポイント
上記の司法修習生考試【二回試験】の合格発表は12月。
無事に合格していれば、晴れて司法修習生としての生活は終わり、法曹として旅立っていくことになります。
司法修習に関するよくある質問
司法修習を働きながら受けるには?副業や休職は可能?
司法修習生は、基本的に修習に専念すべき義務を追っており、兼業が禁止されています。
そのため、職に就いている人は退職して司法修習に臨むことになります。
ただし、やむを得ない理由がある場合のみ、最高裁判所の許可が降りれば、兼業が可能です。
兼業の必要性について記載した書類を申請した後、司法修習生の中立性・公正性が守られ、司法修習に支障がないことが認められた場合は、許可される場合があります。
※参考:令和5年度司法修習生 採用選考申込書の記載要領
司法修習に行かない・受けないという選択肢はある?免除は可能?
司法修習に行かない場合、弁護士になる方法は一つです。
それは、弁護士資格認定制度を利用することです。
弁護士資格認定制度では、法務大臣の認定を受けた場合に弁護士としての資格が与えられます。
条件としては、司法試験合格後に民間企業や行政組織など、定められた職に通算5年~7年従事していることとなっています。
(年数の条件は、職種によって異なります)
また、法務大臣が指定する約1か月半の研修を修了することも必須条件です。
司法修習に社会人はいる?年齢層は?
司法修習生の年齢層は公開されていませんが、司法試験合格者の例年のへ近年齢は28~29歳です。そのため、20代・30代の方が多く、社会人経験がある方も一定数を占めていると考えられます。
司法修習自体に、年齢制限はなく、様々な年齢の方が参加します。
寮に入らないで通うケースはある?
司法修習生の寮として、埼玉県和光市に「いずみ寮」がありますが、全員が入寮するわけではなく、希望制となります。
司法修習に期限はある? 延期させることは可能?
司法修習には、期限がありません。
司法試験に一度合格すれば、何年経っても司法修習を受けることが可能です。
そのため、司法試験合格後にしばらく一般企業で務めたいという方や留学したいというような場合は遅らせることも可能です。
司法修習は欠席できる?
約1年の修習期間のうち、45日までは欠席が許可されます。
45日以上欠席すると、修習を終了できませんので、注意が必要です。
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- 法曹三者に関する情報を漏れなく手に入れたい
- 司法試験の勉強についていけるか不安
- 司法試験に合格している人の共通点や特徴を知りたい
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