法曹界を目指す多くの学生や、キャリアチェンジを考えている社会人の中で、「法科大学院に進学するのは本当に正しい選択なのか?」と頭を悩ませている方は少なくありません。

入学するかどうかの判断は一筋縄ではいきませんよね。その不安や疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?
法科大学院への進学は、一つの大きな選択肢であり、それに向いている人にとっては非常に価値のある経験となるでしょう。しかし、法科大学院に進学するデメリットも存在します。最終的な判断は各自の価値観や目指すキャリア、そして現実の状況に応じて決めることが重要です。

このコラムでは、多くの人々からささやかれる「法科大学院に行くな」「やめとけ」との意見の背後にある、具体的な理由や、法科大学院に進学するメリットデメリットについて詳しく解説していきます。


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法科大学院はやめといた方がいいの?講師が解説

法科大学院ルートの3つのデメリットについて、講師が詳しく解説しています。

法科大学院に行くなやめとけと言われる理由3選

ここでは法科大学院のデメリットを、①時間と費用がかかる、②司法試験の合格率が低い、③コスパが悪いの3つの観点から解説します。

時間と費用がかかりすぎる

法科大学院の最大のデメリットは、時間と費用がかかるという点です。

時間的には、大学4年間と未修3年間または既修2年間の7年ないし6年かかります。

最近は、そのデメリットを払拭するため、法曹コースというものができました。法曹コースであれば、大学3年間と既修2年間の5年間で法科大学院を修了することができます。もっとも、少なくとも5年間を要するという点はデメリットといえるでしょう。

そして、時間がかかる分、費用もかかります。授業料(国立大学の法科大学院)は、既修者(2年)が総額189万円、未修者(3年)が総額269万4000円です。

私学で人気の高い慶応大学法科大学院では、既修者が総額332万円、未修者が総額493万円となっています。

司法試験の合格率の低さ

法科大学院のデメリットの2点目は、司法試験の合格率が必ずしも高くないという点です。

令和5年の司法試験では、予備試験合格者の司法試験の合格率は約92.6%であるのに対し、法科大学院全体の合格率は約40.6%となっています。各法科大学院でも差が大きく、合格率が1位だった京都大学法科大学院の合格率は68.4%でした。

予備試験の合格率が高い理由は、予備試験と司法試験の内容は共通するところが多い点にもあります。

そのため、司法試験受験者数自体は減少している一方で、予備試験の受験者数は年々増加しており、予備試験の人気が高くなっています。

大変な割にコスパが悪く感じる人もいる

これまで述べてきた通り、法科大学院を修了し、司法試験に合格するためには、相当な時間とコストがかかります。そして、法科大学院の授業には、必ずしも試験に必須とはいえない、司法試験合格後を見据えた授業もあり、それに時間を取られてしまうこともあります。

それにもかかわらず、法科大学院の合格率はそれほど高くないとすると、費用対効果が悪いともいえるでしょう。

さらに、司法試験制度の改革により弁護士の人数が増えたことで、弁護士としての収入が減ったという声もあります。苦労して最難関の司法試験を受けたとしても、ほかの職業と比べそれほど収入がよくないとなると、よりコスパが悪いと感じる人も少なくありません。

その結果、司法試験受験者数は近年減っており、さらに、閉鎖する法科大学院も増え、その数は当初より減ってきてしまっています。

法科大学院に行くメリットとは?

一方で、法科大学院に行くメリットもあります。

ここでは、①在学中の受験資格、②法曹以外のキャリア形成、③同じ志をもつ仲間を得られることの3つの観点から解説します。

在学中でも司法試験の受験資格を得られる

これまで司法試験を受験するためには、法科大学院を修了するか予備試験に合格する必要がありましたが、令和5年司法試験からは1年以内に修了見込みの人が司法試験を受験可能となります。

これによって、法科大学院の修了年(既修であれば2年目、未修であれば3年目)に司法試験を受験することができるようになりました。

法曹コースであれば大学3年間と既修2年目で受験。未修であれば法科大学院3年目で受験が可能になります。

したがって、時間とコストがかかるというデメリットは多少解消されていると言えるでしょう。

法科大学院在学中の受験が可能になったため、令和5年から司法試験および予備試験の日程が変更されています。

令和5年では、司法試験の試験日は7月12日~16日に、予備試験は短答式試験が7月16日、論文式試験が9月9日・10日、口述試験が翌年1月20日・21日で行われることとなりました。

法曹以外のキャリア形成も可能

法科大学院修了後の就職先は法曹だけではありません。法科大学院で専門性を磨いて、法律の知識を生かし、企業や国・地方公共団体などで働いている人も多くいます。

それなりの規模を持つ企業では法務部があり、法律の知識が役立ちます。

実際に、弁護士資格を持たずに法務部でバリバリ働いている方も多く、法科大学院修了後の活躍の場といえるでしょう。

また、公務員試験には法律系科目が試験科目となっていることが多く、法律の知識を生かして試験を受けることができます。

同じ志をもつ仲間がおり、情報交換ができる

法科大学院の最大のメリットは、同じく司法試験を目指す仲間を作ることができる点にあります。

司法試験は最難関の国家試験のひとつといわれており、突破することは容易ではありません。お互いに刺激しあいながら司法試験を目指せる仲間がいることは、試験勉強において強い支えとなります。

また、司法試験に合格するための情報を取得しておくことも重要です。合格に直結する基本書や演習書、判例集などの本、答案での論証や表現の仕方、司法試験の出題形式、出題傾向など、情報を交換し合って、司法試験の合格に役立てることができます。

さらに、法曹として活動する中で、お互いの仕事の刺激となったり、情報交換をしたりすることができます。

法科大学院に向いている人・向いていない人

ここでは、これまで説明してきた法科大学院のメリットとデメリットを前提に、法科大学院に向いている人と向いていない人を解説します。

まず法科大学院に向いている人ですが、ひとりで黙々と勉強することが苦手な人や、計画を立てることが苦手な人には、法科大学院が向いていると言えます。

もちろん法科大学院に進学したとしても、コツコツ計画を立てて勉強することは必須です。しかし、法科大学院の授業や仲間との自主ゼミをペースメーカーとして、司法試験合格までの計画を立てやすかったり、仲間と支えあいながら勉強したりすることができます。

その観点からは、授業に縛られず、ひとりで勉強したいという人には法科大学院が向いていないといえるでしょう。

また、上記で見てきた通り、法科大学院には時間とコストがかかります。

さらに、法科大学院の授業には、司法試験合格後を見据えた、司法試験の合格には必ずしも直結しない授業もあります。

最低限度の時間とコストで勉強をして、司法試験を目指したいという人も、法科大学院は向いていないといえます。

法科大学院に行く前に予備試験受験というルートも

法科大学院に進学することも考えながら、大学在学中に予備試験を受験するという人もいます。

また、法科大学院在学中に予備試験の合格を目指すという人も多くいます。

ここでは、これらのメリットを、①在学中に受験資格を得られる、②法科大学院生の予備試験合格率、③予備試験と司法試験の勉強が重なることの3つの観点で説明します。

合格できれば在学中に受験資格が得られる

司法試験を受験するためには、法科大学院を修了するか、予備試験に合格する必要があります。

令和5年司法試験からは、1年以内に法科大学院を修了する見込みがある人も司法試験を受験することができるように制度が変更されました。

そのため、既修者であれば2年目、未修者であれば3年目から司法試験を受験することができるようになります。

それに対して、予備試験に合格できていれば、既修であれば1年目、未修であれば1年目・2年目で司法試験を受験することができ、司法試験受験までの期間を短くすることが可能になります。

法科大学院生の予備試験合格率

令和5年予備試験の合格率は、3.6%でした。それに対して、法科大学院生の予備試験合格率は、4.2%となっています。

令和5年予備試験の最終合格者479人のうち、法科大学院生は21人となっており、合格者のうち法科大学院生が約4%を占めているという結果になりました。

したがって、法科大学院に進学することで予備試験の合格も目指しやすくなるといえます。

在学中受験ができるようになり、既修では2年目に司法試験を受験することができるため、1年目に予備試験に挑戦する意義は薄くなってしまいました。

それに対して未修では、1年目に予備試験に合格し、2年目に司法試験を受験でき、司法試験受験までを1年間短くすることができるため、メリットが大きいといえます。

予備試験勉強が法科大学院での勉学や司法試験の勉強と重なるためコスパがいい

予備試験の試験内容と司法試験の試験内容は重なっているところが多いです。

予備試験の勉強が、法科大学院の授業の予習と司法試験の勉強に役立ちます。

仮に予備試験に合格できなかったとしても、法科大学院を修了すれば司法試験の受験資格を得ることができるため、予備試験を早期の段階から目指しておくことはメリットが大きいでしょう。

さらに、予備試験合格者の司法試験合格率が高いため、大手の法律事務所などでは、予備試験合格者を採用しているところも多いです。

まとめ

法科大学院のデメリットやメリット、法科大学院に向いている人・向いていない人について解説してきました。

法科大学院への進学は、司法試験合格を目指すうえで必ずしもやめたほうがいいとはいえず、有益な進路のひとつと言えます。

もっとも、時間とコストがかかる点や、法科大学院の司法試験合格率の低さなど、デメリットがないわけではなく、デメリットを理解したうえで、自分に向いているかどうかの判断が必要です。

法科大学院には、たしかに上記の通りデメリットがありますが、その分、法科大学院でしか得られないこともあります。また、法科大学院に進学しながら予備試験の合格を目指すという人もいます。

試験勉強のやり方が人の数だけあるように、司法試験合格に直結するルートは人それぞれです。

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