法科大学院入試の倍率は2〜5倍程度となっており、志望する法科大学院に進学できないという方も少なくないようです。
「法科大学院に落ちたらどうすればよいのかな」と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

このコラムでは、法科大学院に落ちた場合の選択肢、浪人時における勉強について解説します。
最後にはよくある質問についても紹介しているので、参考にしてください。

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志望しているロースクールに落ちている人は半数以上いる!

法科大学院 不合格

志望している法科大学院に落ちている人は半数以上います。
下記の表は各法科大学院入試の倍率です。

倍率順位法科大学院名受験者数合格者数倍率
1専修大学259328.09
2日本大学345556.27
3筑波大学249416.07
4一橋大学402914.42
5広島大学134373.62
6関西学院大学311903.46
7東北大学306893.44
7明治大学4161213.44
9上智大学140433.26
10神戸大学5501703.24
11法政大学199653.06
12慶應義塾大学1,1313763.01
13東京都立大学230772.99
14東京大学7772772.81
15愛知大学76282.71
16学習院大学124462.70
17関西大学246942.62
18琉球大学39152.60
19同志社大学3811502.54
20名古屋大学195772.53
21京都大学4781902.52
22福岡大学81332.45
23岡山大学112472.38
24九州大学146632.32
25北海道大学141612.31
25大阪公立大学97422.31
27千葉大学152662.30
28早稲田大学7983522.27
29大阪大学4361952.24
30中央大学1,0885062.15
31創価大学61292.10
32立命館大学3741822.05
33南山大学35201.75
34金沢大学31221.41

※参考:令和5年度法科大学院関係状況調査

募集人数を減らしているロースクールも多くなってきており、倍率は2〜8倍と高い状況にあります。
志望しているロースクールに落ちている人は半数以上いるという計算になります。

主要な法科大学院の入試は、かなり狭き門といえますので、落ちても不思議ではない難易度です。

法科大学院受験で浪人している人の割合は?

アンケート調査によると、法科大学院合格者のうち、浪人している人は、68人中13人でした。
つまり、法科大学院に合格する人の約20%は浪人を経て、合格を勝ち取っていることになります。

【法科大学院に合格した人の受験回数】

受験回数人数
1回目55人
2回目10人
3回目2人
4回目1人
弊社アンケート調べ

一度落ちたら終わりと思わず、再受験する道も検討してみてください。

不合格・失敗の原因を探ってみよう!受かる人・受からない人の違いは?

不合格となった場合、その原因に対する対策をすることが合格への一番の近道です。

したがって、まずは、自分が不合格となってしまった原因がどこにあるのかを考えましょう。

よくある不合格の原因としては、

・勉強時間が十分に確保できていなかった

・効率の悪い勉強方法をしていた

・インプットorアウトプットが足りていなかった

・学習スケジュールが不適切だった

などの理由が挙げられます。

法科大学院の入試は、相対評価です。

したがって、他の受験生より効率のよい勉強をしっかり時間をかけて行うことが必要です。
法科大学院の多くが入試の過去問をホームページで公開しています。

それらの過去問を確認し、傾向をつかみ、入試に出題される分野を徹底的に勉強する必要があります。

多くの法科大学院が論文式試験によって入試をしています。
したがって、インプットもアウトプットも重要となります。

知識は持っていて、書きたいことは頭の中にあるのに、論文形式でうまく書けない人はアウトプットが足りていないと考えられます。

反対に、論文を書くのは苦ではないのに、何を書けばよいかわからないという人はインプットが足りていないと思われます。

法科大学院の入試の時期はそれぞれ異なります。
それぞれの時期に自分の実力のピークを持ってこられるよう、学習スケジュールを考えておく必要があります。

落ちても人生終了じゃない!法科大学院に落ちた場合の選択肢

法科大学院 落ちた 人生終了

法科大学院に落ちたからといって、法曹の仕事で生きる道が閉ざされるわけではありません。
①法科大学院を再受験する
②予備試験を受験する

というルートがあります。

①法科大学院を再受験する

司法試験とは異なり、法科大学院には年数制限がありません。
したがって、何回でも再受験をすることができます。

前記の法科大学院の倍率からしても、法科大学院浪人をしている人は少なくないと思われます。

また、法科大学院修了後に司法試験に不合格となり、司法試験浪人をする人もいます。

法科大学院に入学するまでに時間がかかったとしても、司法試験にすぐに受かることができれば、司法試験合格までにかかった年数は他の人よりも少なかったということもあり得ます。

②予備試験を受験する

司法試験を受験するためには、法科大学院を修了すること以外にも、予備試験に合格するというルートもあります。

予備試験の合格率は約4%となっていることから、独学での挑戦は厳しいですが、予備校に通いながら予備試験の合格を目指すという選択肢なら、可能性は高まります。

予備試験に合格すれば、予備試験を受験したその翌年には司法試験を受験することができるため、結果的に法科大学院に進学していた時よりも、司法試験合格までの年数はかからなかった、同程度だったということもあり得ます。

どちらのコースを目指すか迷っている方は、こちらのコラムも参考にしてみてください。

司法試験は「予備試験」「法科大学院」どちらをまず目指すべき?おすすめは?

法科大学院に受かるための勉強法!浪人時にやるべきこと

法科大学院に受かるために必要な勉強法について解説します。

入門インプット・論文対策については、まずは予備試験対策を行う

法科大学院の目的は、司法試験に合格し、法曹を育てるという点にあります。
したがって、司法試験の合格を見据えた勉強ができていると、法科大学院入試でも上位に立てると考えられます。

そのためには予備試験対策を行うことが効果的です。
令和4年司法試験の、予備試験合格者の合格率は約97.5%でした。

予備試験に合格する力をつけておけば、司法試験に合格する力もつけることができているといえます。

予備試験対策をすることによって、法科大学院入試や、その後の勉強でも優位に立てると考えられます。

入門インプットのポイント

とにかく1周を素早く終えるという点が重要です。
法律の各論点は相互に関連していることが多いです。

したがって、1周目のインプットで理解できなかった論点も、2周目では容易に理解できるということも少なくありません。

また、アウトプットをする中で論点の理解ができるということもあります。

インプットをする中で1個1個の論点に躓かず、とにかく1周するという点が重要です。

論文対策のポイント

論文対策でも1回を濃密にやることよりも、何周もして知識を上書きしていくという意識で回していけるとよいです。

アウトプットをすることでインプットに役立つということもあります。章ごとに区分けをして、インプット→アウトプット→インプット→・・・という流れでテキストを進めていくことも有効です。

過去問演習で仕上げる

ベースとなる論文対策が終了した段階で、過去問演習をします。
多くの法科大学院では、ホームページで過去問が公開されています。

過去問を解いてみて、インプットが足りていないところを洗い出していきます。

過去問演習はなるべく早く取り組むことが重要です。
試験直前期(1か月前)に解き始めると解けなかった場合に焦ってしまいますし、その後の弱点を強化するインプットが間に合わなくなってしまいますから、スケジュール管理は徹底しましょう。

弱点を強化するためのインプットを行う

過去問演習であぶりだされた弱点を固めるために、インプットを行います。

このような流れで行うことにより、弱点と感じている論点について特に、アウトプットを意識したインプットを行うことができます。

下記のコラムでは、法科大学院入試の試験科目と対策を解説しているので、参考にしてみてください。

法科大学院(ロースクール)入試の試験科目と対策!勉強方法も解説


法科大学院の面接で落ちるのを防ぐには

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いくつかの大学院では面接試験が課されています。
法曹コース(5年一貫型コース)では、面接試験を行っているところが多いようです。

多くの法科大学院では、面接試験で、法曹としての適性等を審査しています。
また、面接試験で落とすという大学院は少なく、合格率は高い傾向にあると思われます。

面接試験対策としては、頻出の質問に対する答えをしっかり用意しておくことが大切です。

頻出の質問としては以下の質問が挙げられます。

<既修・未修コース共通の質問例>

①本校を志望した動機

②ほかにどの法科大学院を受験したか

③入学後、本校に貢献できる点は何か

④志望理由書に○○との記載があるが、詳しく教えてほしい

⑤学部時代に努力したこと

⑥目指す方法増

⑦最近あった~~という事件に対する意見

<未修コースの質問例>

①どうして学部では違うことを学んでいたのに法曹を目指そうと思ったのか

②学部で学んだことは法曹としての仕事に際してどのように役立つか

<既修コースの質問例>

①予備試験の受験歴・受験予定の有無

②法律の魅力的な部分

面接対策として以下のコラムも参考にしてみてください。

法科大学院(ロースクール)入試の面接とは?質問内容と対処法を紹介

法科大学院に落ちた時のよくある質問

最後に、法科大学院に落ちた時のよくある質問について解説します。

ロースクール入試で全落ちしました。どうすればいいですか?

ロースクール入試で全落ちしてしまった場合には、もちろん勉強時間や勉強方法を見直す必要がありますが、自分のレベルにあったロースクールを併願しておく、未修で受けなおす、未修を併願するという方法も検討するといいでしょう。

特に、既修に落ちてしまった場合には、未修での進学を検討できるといいです。

レベルにあっていないまま既修者コースに進学しても授業についていけず、結果的に司法試験合格までに複数年を要してしまうということもあります。

未修者コースで基礎的な知識をじっくりつけた方が結果的に時間がかからないということもあり得ます。

法科大学院の穴場はありますか?

受験生のレベルは学校によるため、一概に倍率だけで難易度を判断することはできませんが、倍率や司法試験の合格率、試験内容を見て、受験する法科大学院を検討することは有効です。

以下のコラムでは、法科大学院入試の難易度を倍率と合格率から分析して解説しているので、参考にしてみてください。

【2024最新】法科大学院(ロースクール)入試の難易度を倍率と合格率から分析!

学部成績(GPA)が悪いのですが、法科大学院に受かる可能性はありますか?

学部成績(GPA)に自信がない場合は、合否判定におけるGPAの割合が低い法科大学院を受験するという選択肢を取ることをおすすめします。

法科大学院の募集要項や入試要項では、GPAに対する配点が公開されていることが多いので、確認しておけるとよいです。

以下のコラムで、法科大学院入試におけるGPAの取り扱いの傾向を解説しているので、参考にしてみてください。

法科大学院入試のGPAとは?入試に関係ない?GPAの取扱い傾向を解説

まとめ

このコラムでは、法科大学院入試の倍率、入試に落ちた場合の選択肢、浪人時の勉強法、面接対策、よくある質問について解説してきました。

アガルートでは法科大学院入試専願カリキュラムを用意しています。
法科大学院の突破を目指されている方は是非検討にしてみてください。

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概要法科大学院合格者に対し、法科大学院の受験回数を調査
調査方法アガルートアカデミー内でのアンケート調査
調査対象アガルート受講生の中で法科大学院に合格した者(令和5年度)
調査対象者数69名
調査対象地域日本国内

アンケート回答者の属性

年齢20代前半:60名、20代後半:5名、30代前半:1名、30代後半:3名
性別男性57名、女性12名

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