基礎演習行政法はどのような内容であり、司法試験に向けどのように使えば良いのでしょうか?

本書は司法試験受験生に定評があり、沢山の受験生が利用しています。

そのため、これから本書を使って勉強する人にとって、内容や使い方が気になるのではないでしょうか。

そこで、基礎演習行政法の内容や特徴、使い方などを紹介します。

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基礎演習行政法の内容・特徴

※引用:amazon

端的にいえば、基礎演習行政法は、行政法の基本書と演習書の架け橋となる書籍です。

本書は司法試験受験生や司法試験予備試験受験生の多くの人に利用されています。

また、司法試験・予備試験対策の演習書として名高い『行政法事案解析の作法』の著者の一人である土田信也先生が著者となっているので記述の正確性も非常に高いものとなっています。

全ページが300ページ弱と1日で読める分量にもかかわらず、法的手段の選択、本案前の主張、本案上の主張、国家賠償・国家補償と行政法の全分野をカバーしています。

書籍の形式としては、1~2ページほどの例題と設問があり、その中で問題となる争点を抽出し、争点への解説をしたうえで当てはめていくという形で構成されています。

そのため、抽象論にとらわれず、具体的な事例で行政法解釈を学ぶことができます。

基礎演習行政法の特徴は、論点における基準や視点を具体的に明記するなど、行政法の答案をどのように書けば良いかを重視している点です。

例えば、処分性が争点となる事案では「処分を想起させる法律の文言はあるか。」など基本書ではあまり明記されない視点がまとめられています。

これから行政法の答案を書いていく人にとってこのような視点は重要であり、非常に参考になります。

勉強への使い方

基礎演習行政法は基本書と演習書の架け橋を目指して作成されています。

行政法の初級・中級の人が問題を解いて上級者になるため平易な文章で簡潔にまとめられています。

そのため、司法試験に向けた勉強の中では、基本書や判例集などで行政法の知識を一通り学んだ後、本格的な演習書や司法試験の問題を解く前にこの本を読み込み、答案構成を書くことをおすすめします。

他の演習書や司法試験の問題の前にこの本の内容を学習することで、争点についての判定基準や視点を定着させることができ、より沢山の学習効果を得ることができます。

おすすめの使い方は、本書の読み込みと答案構成で短期間に2回以上周回することです。

1周目の読み込みでは、問題を読み論点や判定基準、視点といった点を頭に入れます。もし全く分からない分野がある場合には基本書に戻り、確認しましょう。

そして、2周目以降では出題された問題と設問に対する答案構成を行い、記述の論点や判定基準、視点を正確にアウトプットできているか確認します。これにより、基礎知識を定着させることができます。

基礎演習行政法を2周以上周回し、基礎知識が定着した場合には、より高度な知識を求め他の演習書や予備試験・司法試験の問題に挑戦しましょう。

本書では、違法性の承継や裁量基準といった重要な論点の書き方については記載がないため、他の演習書等でカバーする必要があるからです。

また、本書の記述を参考に試験前の見直しノートを作成したり、試験前最後に本書で答案構成を作成し、試験に備えるという使い方もできます。

原告適格の視点や国家賠償法1条の「違法」について、公権力発動要件欠如説と職務行為基準説の違いを簡単な図や表で示しており、試験前最後の見直しに必要なことが簡潔に記載されています。

そのため、本書からノートに引用し、試験に備えることができます。

加えて、本書は1問が短いため、試験前に問題の答案構成を作成し、基礎知識に誤りがないかを確認することにも利用できます。

※関連コラム:【司法試験・予備試験】正しい演習書の使い方と科目別おすすめ本14冊

基礎演習行政法の評価

基礎演習行政法の良いところは、行政法の基本書で得た知識を具体的な事例でどのように使うのかが明確になっている点です。

そのため、以下の人に向いているといえるでしょう。

①行政法の基本書や判例集で一通り勉強した人

本書を使えば具体的にどのような判定基準や視点で答案を書くべきかが明確になります。

他の演習書や試験問題の過去問に取り組む前に使用することで、より多くの学習効果を得ることができるでしょう。

②試験前に行政法の基礎知識を確認したい人

本書は300ページ、30問ほどで行政法の全分野を復習できます。

そのため、試験前最後に行政法の特に重要な分野を復習したい人に向いています。

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