司法試験に合格したい場合、まずは法科大学院(ロースクール)を修了して、司法試験の受験資格を得ることが必要です(予備試験ルートの場合を除く)。

上智大学法科大学院は、関東にある有名私立ロースクールであり、受験を検討されている方も多いのではないでしょうか。

そこで、本コラムでは、上智大学法科大学院の特徴や司法試験合格率のほか、入試情報、過去問の入手方法などについても詳しく解説していきたいと思います。

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上智大学法科大学院(上智大学ロースクール)の基本情報・特徴

この章では、上智大学法科大学院の概要や特徴について紹介します。

基本情報

上智大学法科大学院の基本情報は以下のとおりです。

名称上智大学大学院法学研究科法曹養成専攻(上智大学法科大学院)
所在地〒102-8554
東京都千代田区紀尾井町7-1
定員未修者(3年制) 20名
既修者(2年制) 20名
合計 40名
(2024年度 収容定員120名)
在籍者数未修者(3年制) 48名
既修者(2年制) 23名
合計 71名
(2024年5月1日現在)
入学者数2024年度入学者数
標準(3年制)
13名
短縮(2年制)
9名(うち法曹コース修了生5名)
合計
22名
(2024年5月1日現在)
教員数専任教員
22名(内、実務家教員 5名)
兼担教員
15名
非常勤講師
43名(エクスターンシップを担当する教員(弁護士)を含む)
(2024年度)
参照:基本情報 | 概要 | 上智大学法科大学院 

特色

上智大学法科大学院の特色としては、①専門的なプログラムの提供や、②充実した学習環境などが挙げられます。

①専門的なプログラムを提供

上智大学法科大学院では、エクスターンシップやリーガルクリニックの授業を充実させています。
そのため、実際の法律家の仕事に触れ、法曹としての意識や問題意識をより明確に持つことができます。

また、長島・大野・常松法律事務所から多くの弁護士の協力を得て行う「国際仲裁・ADR」や、ロールプレイを取り入れた「ネゴシエーション・ロイヤリング」では、優れた実務家になるために必須のスキルを学ぶことができます。

また、上智大学法科大学院では、国際関係法系、環境法系の専門的なプログラムも提供されています。

②学習環境が充実

上智大学法科大学院は、四ツ谷駅から徒歩5分という便利な立地で、通学に便利な学習環境を備えています。

法科大学院の教室、自習室、図書室も充実しており、学習を進めるのに役立ちます。

また、2号館の上層階には教員の研究室があり、オフィスアワー等に気軽に質問できる環境が整っています。

※参照:上智大学法科大学院の特色 | 概要 | 上智大学法科大学院 

 上智大学法科大学院の倍率と難易度!入試結果は?

この章では、上智大学法科大学院の倍率と難易度について紹介します。

上智大学法科大学院の2021年〜2023年度の入試倍率(既修・未修合計)は以下のとおりです。

年度受験者数合格者数倍率
2024143413.5倍
2023141433.3倍
2022138413.4倍
202188362.4倍
※参考:法科大学院入試統計|上智大学 入試情報 

近年の上智大学法科大学院の入試倍率は、およそ2.5〜3.5倍です。

2023年度の法科大学院別の入試倍率ランキングによれば、上智大学法科大学院の順位は全国34校中9位で、高い順位となっています。

上智大学法科大学院は立地が非常に良く、受験生からの人気も高いためだと考えられます。

さらに、近年では受験者数が増加していることから、しっかりと入試に向けた対策を行う必要があります。

関連コラム:法科大学院(ロースクール)入試の難易度を倍率と合格率から分析!

上智大学法科大学院の入試情報・募集要項

この章では、上智大学法科大学院の入試情報・募集要項(2025年度)について説明します。

入試日程・合格発表スケジュール

A日程

  • 出願期間

 2024年6月21日(金)~7月4日(木)

  • 試験日

 第1次試験:2024年7月28日(日)

 第2次試験:2024年9月14日(土)

  • 合格者発表日

 2024年9月25日(水)

B日程

  • 出願期間

 2024年7月18日(火)~8月1日(火)

  • 試験日

 第1次試験:2024年8月31日(土)

 第2次試験:2024年9月14日(土)

  • 合格者発表日

 2024年9月25日(水)

C日程

  • 出願期間

 2024年11月22日(金)~12月6日(金)

  • 試験日

 2025年1月12日(日)

  • 合格者発表日

 2025年1月22日(水)

※参考:法科大学院入学試験|上智大学 入試情報

試験科目・入試内容

上智大学法科大学院の入試方式には、未修者(3年制)コース、既修者(2年制)コース、学部 3 年次生および法曹コース(開放型)特別選抜の3種類があります。

〈A・B日程〉

① 未修者(3年制)コース

  • 第1次試験 

一般論文試験の成績および必須提出書類(ステートメントを除く)の内容審査により、合格者が決定されます。

配点:一般論文(100点)

  • 第2次試験 

個人単位での面接試験が行われます。一般論文試験の成績、必須提出書類の内容、任意提出書類の内容、および面接試験結果が総合的に審査され、最終合格者および補欠者が決定されます。 なお、任意提出書類のうち、法学関連の証明書については、未修者(3 年制)コースの選考にあたって、審査の対象とされません。 

②既修者(2年制)コース

  • 第1次試験

法律論文試験の成績および必須提出書類(ステートメントを除く)の内容審査により、合格者が決定されます。 既修者コースについては法律論文試験のすべての法律科目(憲法・刑法・刑事訴訟法・民法・商法・民事訴訟法)について、既修者と して基礎的な学識を有していることが必要です。基礎的な学識を有しているかの審査は、一次的には法律論文試験の成績により行われます。なお、法律論文試験によりその学識を有すると認められない科目がある場合には、当該科目について面接試験結果や提出書類を加味して総合的に審査が行われます。

各科目の配点は以下の通りです。

民法(80点)、刑法(80点)、憲法(80点)、商法(40点)、民事訴訟法(40点)、刑事訴訟法(40点)

  • 第2次試験

個人単位での面接試験が行われます。

法律論文試験の成績、必須提出書類の内容、任意提出書類の内容、および面接試験結果が総合的に審査され、最終合格者および補欠者が決定されます。

なお、法律論文試験の成績に関しては、各試験科目において既修者として認めることができる学力が示されているかも含めて審査されます。 

③学部 3 年次生および法曹コース(開放型)特別選抜

法曹コースとは、法学部等を設置する大学が、法科大学院と連携して法科大学院の既修者コースの教育課程と一貫的に接続する体系的な教育課程を編成し、学部段階からより効果的な教育を行うというコースです。

法曹コースの授業は法科大学院未修者コース1年目の内容を代替するものであり、法曹コースを修了し、早期卒業をした者は、法科大学院未修者コースの2年目(既修者コース1年目)に進学し、法曹を目指すことが想定されています。

参照:法曹コースとは:文部科学省 

  • 第1次試験

法律論文試験(憲法・民法・刑法)の成績および必須提出書類(ステートメントを除く)の内容審査により、合格者が決定されます。

法律論文試験(憲法・民法・刑法)の成績に関しては、各試験科目において既修者として認めることができる学力が示されているかも含めて審査されます。

各科目の配点は以下の通りです。

民法(80点)、刑法(80点)、憲法(80点)

  • 第2次試験

個人単位での面接試験が行なわれます。

法律論文試験(憲法・民法・刑法)の成績、必須提出書類の内容、任意提出書類の内容、および面接試験結果が総合的に審査され、最終合格者および補欠者が決定されます。

  • 既修者認定試験

既修者認定試験(商法・民事訴訟法・刑事訴訟法)が行なわれ、既修者として基礎的な学識を有しているかが審査されます。

その結果によって、入学するコース(未修者(3 年制)コースあるいは既修者(2 年制)コース)が決定されます。

各科目の配点は、以下の通りです。

商法(40点)、民事訴訟法(40点)、刑事訴訟法(40点)

〈C日程〉

①未修者(3年制)コース

 一般論文試験および個人単位での面接試験が行われます。

 一般論文試験の成績、必須提出書類の内容、任意提出書類の内容、および面接試験結果が総合的に審査され、最終合格者および補欠者が決定されます。 

なお、任意提出書類のうち、法学関連の証明書については、未修者(3 年制)コースの選考にあたって、審査の対象とされません。 

配点は、一般論文(100点)となっています。

②既修者(2年制)コース

法律論文試験および個人単位での面接試験が行なわれます。

法律論文試験の成績、必須提出書類の内容、任意提出書類の内容、および面接試験結果が総合的に審査され、最終合格者および補欠者が決定されます。

なお、法律論文試験の成績に関しては、各試験科目にて既修者として認めることができる学力を有しているかも含めて審査されます。 

配点:民法(80点)、刑法(80点)、憲法(80点)、商法(40点)、民事訴訟法(40点)、刑事訴訟法(40点)

③学部 3 年次生および法曹コース(開放型)特別選抜

  • 法律論文試験、面接試験(個人単位)

法律論文試験(憲法・民法・刑法)の成績、必須提出書類の内容、任意提出書類の内容、および面接試験結果が総合的に審査され、最終合格者および補欠者が決定されます。

配点:民法(80点)、刑法(80点)、憲法(80点)

  • 既修者認定試験

既修者認定試験(商法・民事訴訟法・刑事訴訟法)が行なわれ、既修者として基礎的な学識を有しているかが審査されます。その結果によって、入学するコース(未修者(3 年制)コースあるいは既修者(2 年制)コース)が決定されます。

配点:商法(40点)、民事訴訟法(40点)、刑事訴訟法(40点)

※参考:2024年度上智大学法科大学院入試要項

募集定員

【A日程】

募集人員 11名(未修者(3年制)コース 7名、 既修者(2年制)コース 4名) 

【B日程】

募集人員 11名(未修者(3年制)コース 7名、 既修者(2年制)コース 4名)

【C日程】

募集人員 10名(未修者(3年制)コース 6名、 既修者(2年制)コース 4名)

※参考:法科大学院入学試験|上智大学 入試情報 

上智大学法科大学院の司法試験合格率

上智大学法科大学院の令和3年度~令和5年度司法試験における合格率は以下のとおりです。

年度受験者数最終合格者数合格率
令和5年度481122.9%
令和4年度45613.3%
令和3年度60711.7%
※参考:令和3年司法試験法科大学院等別合格者数等,令和4年司法試験法科大学院等別合格者数等,令和5年司法試験法科大学院等別合格者数等

令和5年度司法試験においては、受験者48名中11名が最終合格しており、合格率は22.9%となっています。

上智大学法科大学院の司法試験合格率ランキング

上智大学法科大学院の令和5年度司法試験における司法試験合格率は、53校中23位でした。

詳しくは、以下のコラムをご覧ください。

※関連コラム:【2024最新】法科大学院のおすすめランキング!司法試験の合格率が高いのは? | 司法試験・予備試験コラム 

上智大学法科大学院の入学料・学費、および奨学金制度

この章では、上智大学法科大学院の学費・奨学金制度について説明します。

学費

上智大学法科大学院の学費・諸費は以下のとおりです。

【未修者(3年制)コース】

第1年度

  • 入学金 27万0000円
  • 在籍料 6万0000円
  • 授業料 88万9000円
  • 教育充実費 22万0000円
  • 保険料 7020円

合計 144万6020円

第2年度

  • 在籍料 6万0000円
  • 授業料 88万9000円
  • 教育充実費 22万0000円

合計 116万9000円

第3年度

  • 在籍料 6万0000円
  • 授業料 88万9000円
  • 教育充実費 22万0000円
  • 同窓会費 4万0000円

合計 120万9000円

【既修者(2年制)コース】

第1年度

  • 入学金 27万0000円
  • 在籍料 6万0000円
  • 授業料 88万9000円
  • 教育充実費 22万0000円
  • 保険料 4680円

合計 144万3680円

第2年度

  • 在籍料 6万0000円
  • 授業料 88万9000円
  • 教育充実費 22万0000円
  • 同窓会費 4万0000円

合計 120万9000円

したがって、

未修者コースの場合、144万6020円+116万9000円+120万9000円=382万4020円

既修者コースの場合、144万3600円+120万9000円=265万2600円

が合計でかかることになります。

私立のロースクールである分、学費は国立のロースクールより高めになっています。

※参考:大学院学費一覧|上智大学 ウェブピロティ 

奨学金制度

上智大学法科大学院では、様々な奨学金制度が用意されています。

法科大学院独自の奨学金制度と、上智大学全体での奨学金制度があります。

法科大学院独自の給付型奨学金制度

①新入生向け・上智大学篤志家奨学金(フランシスコ・スアレス奨学金)

大学の成績及び入学試験の成績が優秀で、かつ将来において国内外の様々な社会的要請に貢献できる優秀な法曹に至る見込みのある、法学研究科法曹養成専攻の入学試験合格者の定員の4~5割程度に授業料全額相当額、授業料半額相当額のいずれかが給付されます。研究科の推薦による採用のみのため、出願は不要です。

②新入生向け・上智大学法科大学院法曹コース特別奨学金

上智大学法曹コースに在籍し、法学部から法学研究科法曹養成専攻への進学を許可された者のうち、極めて優秀でかつ在学中の司法試験合格を目指すものを対象に授業料相当額が給付されます。給付期間は修業年限内です。研究科の推薦による採用のみのため、出願は不要です。

③在学生向け・上智大学法科大学院在学生特別奨学金

成績優秀かつ将来国内外の様々な社会的要請に貢献できる優秀な法曹に至る見込みのある、上智大学法学研究科法曹養成専攻の在学生15名程度を対象に1年間の授業料全額相当額、授業料半額相当額のいずれかが給付されます。研究科の推薦による採用のみのため、出願は不要です。

上智大学の奨学金

①上智大学大学院新入生奨学金

上智大学大学院を第一希望として受験し、合格した者の中で、経済的理由により入学が困難で、大学の成績が優秀なものに対して、学資金の一部として入学年度の授業料相当額、授業料半額相当額、授業料1/3相当額、のいずれかが給付されます。

②上智大学修学奨励奨学金

学習意欲が高いにもかかわらず、経済的理由により学習継続が困難と認められる者に、学資金の一部として入学年度の授業料相当額、授業料半額相当額、授業料1/3相当額、のいずれかが給付されます。

上智大学法科大学院の過去問入手方法

上智大学法科大学院の入学試験過去問(2023年度・2022年度・2024年度)は、上智大学法科大学院の公式ページで公開されています。

上智大学法科大学院の願書入手方法・出願方法

上智大学法科大学院の出願については、Web出願システムガイダンスから行います。

出願方法については、入学試験要項に詳しく記載されていますので、そちらをご覧ください。

上智大学法科大学院に関するよくある質問

上智大学法科大学院は募集停止する?

2024年10月現在、上智大学法科大学院が今後募集を停止するといった情報は公開されておらず、2025年度入試も実施されています。

上智大学法科大学院の認証評価は?

上智大学法科大学院は、令和5年に独立行政法人大学改革支援・学位授与機構による法科大学院評価を受審し、2024年3月付けで「法科大学院評価基準に適合する」との評価を得ています。

上智大学大学院の法学研究科(法律学専攻)と法曹養成専攻(法科大学院)の違いは?

上智大学大学院の法学研究科(法律学専攻)は、法的知識を身につけて企業・官庁・国際機関などで活躍する専門職業人の育成を目的とする大学院です。

一方で、法曹養成専攻(法科大学院)は法曹の養成を目的とする大学院であり、入学者の多くは司法試験合格を目標としています。

※参考:上智大学 法学研究科・法科大学院

上智大学法科大学院の説明会情報は?

上智大学法科大学院では、年に数回、入試説明会が行われています。

2025年度入試説明会については、以下の日程で実施されます。

  • 2024年5月25日(土)14:00~16:00
  • 2024年6月29日(土)14:00~16:00
  • 2024年11月16日(土)14:00~16:00

※参考:法科大学院入試説明会

上智大学法科大学院の偏差値は?

法科大学院の入試においては、偏差値というものは存在しません。

難易度については、入試倍率や司法試験合格率などを参考にすることをおすすめします。

まとめ

このコラムでは、上智大学法科大学院の特徴や司法試験合格率、入試情報などについて詳しく解説してきました。

アガルートでは法科大学院入試(ロースクール入試)専願カリキュラムを用意しています。

このカリキュラムは、約1年間の学習で、難関法科大学院入試(ロースクール入試)突破を目指す方のためのカリキュラムです。

上智大学法科大学院を目指す方は、ぜひ一度検討してみてください。

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