事例演習民事訴訟法の内容と司法試験に向けた勉強での使い方
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司法試験で民事訴訟法の基本的な理解を示すにはどうしたらいいのかとお悩みの方におすすめできる演習本が『事例演習民事訴訟法』です。
『事例演習民事訴訟法』はやや難易度が高いため、完全な独学よりも解説講義と合わせて利用するのが良いでしょう。
『事例演習民事訴訟法』を活用して、司法試験に合格する力を習得する方法を解説します。
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「司法試験合格」というゴールを目指すためには、そのゴールテープを切るために何が必要なのかを知る必要があります。その際、役立つのが法務省の公表している「採点実感」です。
令和2年度の採点実感では、民事訴訟法について次のように書かれています。
1.民事訴訟の基礎的な原理,原則や概念を正しく理解し,基礎的な知識を習得しているか
2.それらを前提として,設問で問われていることを的確に把握し,それに正面から答えているか
3.抽象論に終始せず,設問の事案に即して具体的に掘り下げた考察をしているか
といった点を評価する
このように民事訴訟法で問われているのは「基本的な知識」なのです。
一方で、「民事訴訟法は難解だ」という受験生の悩みを耳にします。
そのようなギャップがどこから来るのか、というと、2つの理由が考えられるでしょう。
1.民事訴訟法はどうせわからないから、と基本的な知識の習得さえも後回しにしている
2.民事訴訟法の知識をどのように使えばいいかわからず、司法試験レベルの問題に対応できない
今回、ご紹介する『事例演習民事訴訟法』は2つめの悩みを解決してくれる良書です。
事例演習民事訴訟法の内容・特徴
『事例演習民事訴訟法』は、2013年2月に有斐閣から発刊された民事訴訟法演習書(354頁)です。
30問もの事例問題が掲載されており、答案の書き方を学ぶのに役立つはずです。
著者である遠藤賢治氏は、大阪高等裁判所判事などを勤められた後、司法試験考査委員や新司法試験考査委員も担当しているため、学問としての民事訴訟法のみならず、司法試験における民事訴訟法にも精通しているといえるでしょう。
演習本としては弘文堂の『基礎演習 民事訴訟法』も有名ですが、『事例演習民事訴訟法』は『基礎演習 民事訴訟法』よりもやや難易度が高いと感じる人が多いでしょう。
民事訴訟法の基本的な知識を習得した後に、その知識の使い方を学びたい人向けの本といえます。
勉強への使い方
「訴訟物とはなんですか」と尋ねられた際、「訴訟物とは原告が審判の対象とした権利・法律関係」など一問一答で答えることはそれほど難しいことではないかもしれません。
しかし、長文問題を前にしたときに、「この問題の訴訟物は何だろうか」と頭を抱えてしまう受験生は多くいます。
訴訟物が正面から問われていなければ、訴訟物を特に意識することなく、問題に向き合う受験生も中にはいるでしょう。
しかし、それでは点は伸び悩みます。
事例問題において、基本概念をうまく活用して、司法試験で“点を稼ぐ”ためには、慣れが必要です。
訴訟物が何か、既判力はどの範囲に及ぶのか、弁論主義上問題はないかなど、普段から「考える癖」をつけなければ、いざ司法試験の場で事案を解決するのはなかなか困難だと言わざるを得ません。
その「考える癖」を付けさせてくれる演習本として『事例演習民事訴訟法』はおすすめです。
『事例演習民事訴訟法』には参考起案が添付されているため、自習用教材として使うことは十分に可能です。
もっとも、限られた時間の中では、「何を考えればいいのか」について頭を悩ませることなく、出題の趣旨を的確にスピーディーに掴んで、「問われていることを考えること」に時間を割く必要があります。
そこで、より効率的に、かつ、勉強の質をより高めたいのであれば、「事例演習民事訴訟法」解析講座を合わせて視聴することをおすすめします。
この講座では、司法試験を意識して書かれた答案をもとに、「どのように・何を考えればよいのか」を解説しています。
※関連コラム:【司法試験・予備試験】正しい演習書の使い方と科目別おすすめ本14冊
事例演習民事訴訟法の評価
『事例演習民事訴訟法』は、司法試験レベルの民事訴訟法の問題において、「どのように・何を考えればいいのか」について学べる演習本です。
民事訴訟法を苦手と感じる方が初めて手にする演習本としてはやや難易度が高いため、勉強の進んだ段階で不安のある問題についてのみ補強的に取り組むのが良いでしょう。
民事訴訟法が好きな方であれば、民事訴訟法をさらなる得点源とするために、1冊潰しておくことをおすすめします。
自学自習用の教材としてももちろん使えますが、予備校の講義と合わせて取り組めばこの本を余すところなく活用することができるはずです。
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全問につき東講師作成のオリジナル答案が付属しており、答案の実践的な書き方をマスターできます。
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