アトム法律事務所の代表弁護士である岡野先生に事務所を拡大した経緯やアトム法律事務所の強み、報酬などについてインタビューしました!

「年収はどれくらい?」「入所するメリットは?」など、転職を検討されている方にとって気になるポイントについて、詳しくお答えいただいています。

ぜひ参考にしてみてください。

自己紹介・ご経歴について

Q:自己紹介・ご経歴の紹介をお願いします。

アトム法律事務所の代表弁護士をしている岡野武志です。

現在はYouTubeチャンネルで配信もしています。

司法試験に受かったのが2006年(旧61期)ですが、そこまでの経歴は一般的な弁護士とは異なり、高校を18歳で卒業したあと、10年間無職・フリーターをしていました。

当時は勉強に興味がなく、好奇心のままアメリカに行ったり、さまよっていました。

しかし、高校の同級生たちがどんどん就職していく中で、ずっと不安定な状況でいるのは難しいのではと感じ始めました。

そこで手に職をつけたいと思い、色々調べた結果、司法試験にたどり着きました。

20代後半から勉強を始め、28歳の時に司法試験に受かったという流れです。

当時、他の職や資格も調べましたが、受験資格に大学卒業を求められているものが多かったです。

対して、司法試験は一発合格もあり得る点に惹かれました。

当時の旧司法試験には1次試験があり、誰でも受けることが可能でした。実際に一発合格はできませんでしたが、「もしかしたら、ワンチャン一発で合格できるのでは」という射幸心もあり、司法試験に決めました。

1次試験に合格できれば誰でも2次試験を受けられる制度設計は、本当にありがたかったです。

Q:司法試験には何回で受かりましたか?

私の時代の旧司法試験は、一次試験と二次試験に分かれていました。
経緯としては、
・23歳で一次不合格
・24歳で一次不合格
・25歳で択一不合格
・26歳で択一不合格
・27歳で論文不合格
・28歳で最終合格

という流れで合格しました。

その当時の司法試験合格者の平均受験回数は7回で、7浪が平均だったため、平均よりは早く合格できました。

Q:大学に行かずに司法試験に合格されたとのことですが、受かるためにどれくらいの時間勉強されましたか?

当時を振り返ると、司法試験の勉強時間は1万時間くらいかなと思います。
大学の法学部に入った場合は、数千時間で合格できることが多いですが、私の場合は1次試験もあったので、その勉強時間も合わせて1万時間くらいだと思います。

外から見ると、高卒から急に合格できたように見えるかもしれませんが、その過程はすごく大変で、地を這うような下積み時代がありました。
その経験からも「司法試験はものすごく難しい試験である」と言わざるをえません。

ただし、今も予備試験にさえ受ければ、司法試験を受験できますから、学歴がなくても、お金がなくても、やる気さえあれば誰でも法曹を目指せる制度のままであり、その点は良い試験だなと思います。

1日5~6時間みっちりと、数年かければ、形になることもありますから、覚悟を持ってトライできる方には、ぜひ諦めずに頑張ってほしいと思っています。

Q:弁護士として即独(すぐに独立)をされていますが、なぜ最初から独立を選ばれたのでしょうか?

修習生だった当時は、すぐに独立しようとは思っていませんでした。

当時の就職活動では、司法試験に受かった修習生が色々な事務所に見学に行ったり、ご飯に連れて行ってもらったりして、先輩の弁護士先生から話を聞くというものがカルチャーでした。

私もさまざまな事務所に行って、多くの先生たちから話を伺いました。

実際に内定をもらえた事務所もあったのですが、「自分と思っていることとは何か違うなあ」と、しっくりこない感覚がありました。

そして、実務修習期間の第2クールか第3クールぐらいの時期に、「そのまま独立したほうが早いかな」と感じ始めました。

通常、独立となると少しハードルが高いように感じがちですが、自分の場合はもともと10年間無職・フリーターをしていた経歴があるため、別に独立してもしなくても何も変わらない感覚でした。

すでに自分の中で独立をするマインドが出来上がっていたため、「弁護士資格あれば問題ないだろう」という気持ちで即独を選択しました。

Q:事務所を大きくしていった経緯を教えてください。

アトム法律事務所は、刑事事件に特化した弁護士事務所として独立しました。

独立したのが2008年9月で、当時は過払い金の最盛期でした。

町弁の先生たちの多くが、過払い金の事件に目を向けているのでは?という風潮でした。

ならば、自分は何に狙いを定めて独立すべきか、何に特化したら独立が成功するのか?と考え、まずは業界全体について調べ始めました。

すると、刑事事件、特に私選の刑事事件についてニーズはあるのに、わかりやすく提供している弁護士が少ないことに気づきました。

もちろん、刑事事件を専門に弁護している先生たちはいたのですが、一般の方から認知されておらず、非常に遠い存在となっていました。

日本には約1,250か所の警察署がありますが、日々さまざまな事件が発生しているにもかかわらず、私選の刑事弁護をわかりやすい形で提供している弁護士が、修習生の立場から見てもほとんどいない印象でした。

そのため、需給のギャップがあると思い、刑事事件に特化して参入しようと思いました。

当時、インターネットも普及していたのですが、それでも刑事事件を扱っている事務所を見つけるのは難しかったと思います。

法律事務所のホームページに、「取り扱い分野 刑事事件」と書かれているケースはありましたが、もっとわかりやすくコンテンツ提供している弁護士事務所は見つけられませんでした。

そのため、2008年9月の開業に向けてホームページをしっかり作り、SEO対策の準備も始めました。

2008年9月3日に開業し、開業日から完成したホームページに事務所名と電話番号を明記したところ、今日に至るまで電話が鳴り止まない状況です。

最初は全国展開をする予定はなかったのですが、当時から出張中でも、全国から問い合わせを頂いていました。

弁護士が出張すると、出張費用もすべてお客様に請求することになるんです。

お客様の負担を減らすためにも支部をつくり、現地で対応したほうが、弁護士もお客様にも良いのではないかという考えになりました。

その結果、事務所が全国に拡大していったという経緯があります。

さらに5年目くらいになると、長く勤続している現場の弁護士から、自分の技術の幅を広げていきたいという声があがりはじめました。そのため「じゃあ次は何をしよう」と、事業拡大に向けた次のステップを考え始めました。

うちの事務所はWebマーケティングがすごく強い事務所なんです。

そのため、Webマーケティングと相性が良い分野として、交通事故に取扱範囲を広げることとしました。

現在は刑事、交通をメインで扱っていますが、今後は離婚、相続といった町弁業務の他分野にも拡大予定です。

アトム法律事務所について

Q:アトム法律事務所の特徴や他の弁護士事務所との違いを教えてください。

ひとつは、1人の弁護士があらゆる分野に対応する点です。

ほかの事務所とは違い、部門制を取っていません。

また、規模が大きい事務所と比較するとコンパクトな事務所であるため、それだけ軽く動けるという利点もあります。

風通しが良く、1人の弁護士が主体となって町弁業務を扱っていると思います。

そのため、当事務所は弁護士としての総合力や経験値がつきやすい環境です。

Q:WEBマーケティングが強いとのことですが、どのように強化されたのでしょうか?

元々、私自身がインターネットが好きだったのもありますが、開業当時にちょうど、アメリカ時代の友人にホームページづくりやコーディングができる方がいたんですよね。

友人が日本に戻ってくるタイミングと重なったので、最初のホームページは2人で作ったという経緯があります。

そんな経緯もあり、当事務所の強みは集客力です。

例えば、初任給が年俸1,080万円、アソシエイト弁護士2年目以降の平均年俸が1,550万円(2024年後期の実績値)ということをオープンにしています。

ほかの事務所と比べると年収が高い印象だと思うのですが、それが実現できる理由としてマーケティングがしっかりしており、集客ができているという点があります。

集客が十分にできているからこそ、自社で取り扱う事件を限定することができますし、選択と集中によって、手厚い待遇が維持できていると思います。

マーケティングに関しては、永田町本社の9階・7階にグループ会社のオフィスが入っており、そこで専属のマーケティング部署が対応しています。

アトム法律事務所の採用について

Q:アトム法律事務所の年収について教えてください。

初年度は年俸1,080万円以上です。

多くの弁護士の方に入ってきてほしいという考えや競争力があると考えているため、報酬は開示しています。

また、半年後から歩合制も選択可能で、今年も1,080万を超えるよう初年度の半期から切り替えている弁護士もいます。

担当する事件が多いほど、収入も増えていくシステムで、最近は若手の弁護士が多く、バリバリ働いているメンバーが多いですね。

2年目以降のアソシエイト弁護士の平均年俸が1,550万円(2024年後期の実績値)ですので、大体の弁護士が1000〜2000万円くらい稼いでいるという状況なわけです。

若いうちはたくさん事件を受けて経験を積みたい人が多いイメージです。独立資金を貯めるために、一生懸命頑張られている弁護士も多いですよ。

Q:アトム法律事務所で働くメリットについて教えてください。

経験の点に尽きます。

最初の法律相談から対応して受任、弁護士活動を行い、最後にお客様に請求書を出してお金をいただくところまで、当事務所では1人の弁護士が行っています。

弁護士としての一連のプロセスが体験でき、そこで得る経験はとても大きいものとなっています。

Q:どのような方を採用したいと考えていますか?

気持ちが前向きな人がいいですね。

あとは、1〜2社目で選んだ事務所が自分にとって合わなかったかなと悩まれている方は、マッチしやすいかなと思います。

最近では、4大事務所の内定を断って入ってきたメンバーも何名かいます。

業界についてよく分からずに大手事務所に入り、「やっぱり違うんじゃないか」と悩んでいる弁護士に相性の良い事務所だと思います。

特定の条件で足切りなどはしていないので、安心していただけたらと思います。

しかし、当事務所は特定の党派的な活動に強くコミットしているわけではありません。 党派的な活動にしっかり取り組みたい方には、当事務所は最適ではないかもしれません。

どこかの委員会に入ることもなく、全員がのびのび仕事をしている環境です。

Q:事務所としての今後の方向性について教えてください。

アトム法律事務所では、現在、刑事、交通の2分野を扱っており、今後グループとしては、離婚、相続、相続税の領域も絡んでくると思います。

刑事、交通、離婚、相続の4分野は、町弁が1番取り扱う分野なんです。

今後も町弁業務をしっかりとやっていく予定です。

Q:最後に弁護士の方へのメッセージをお願いします。

どこかの事務所で働く場合も、独立する場合も、自分の中での「違和感」を大切にしたほうか良いのかなと思っています。

例えば、周りの人たちは「ここの事務所が良い」と言っていても、入ってみたら「ちょっとしんどかった」というパターンもよく聞きます。

また、裁判官や検察官のほうが安定しているという話もありますが、入ってみたら転職が難しかったりとか、職場の組織が合わなかったりすることもあるようです。

自分の中で違和感を感じたら、転職活動の前ステップとしていろいろな事務所で話を聞いたり、インターネットで情報を集めたりなどをしながら、自分からアクションを起こしていってほしいなと思います。

司法試験に合格していればいろいろな形の働き方がありますし、一人ひとりの強みを活かしたポジションや職場が見つかるはずです。

自分でいろいろ動いて、積極的に探してみてください。

取材対応者 岡野 武志 弁護士

岡野 武志 弁護士

アトム法律事務所 代表弁護士。

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、司法試験に合格し、アトム法律事務所を創業しました。 18歳で高校を卒業し、28歳で司法試験に合格するまで、バーテンダー、各種工事の現場作業員、人材派遣コーディネーターなど、数々の仕事を経験したことが今の仕事の下地となっています。 日米の実社会で揉まれて得た圧倒的な行動力とタフな精神力が、他の弁護士にはない私の強みです。

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