ベリーベスト法律事務所 東京オフィスで働かれている松本弁護士に、司法修習の流れについてインタビューしました!
「司法修習ってどんなことをするの?」「修習中はどう過ごすのが正解?」など、これから弁護士を目指す方にとって有益な情報盛りだくさんです。ぜひご覧ください!

目次

自己紹介・担当業務について

Q:自己紹介をお願いします。

松本 翔馬と申します。76期の弁護士で、昨年の12月に弁護士登録致しました。
登録から半年くらい弁護士業務をしています。

Q:今担当されている業務は何ですか? 

私はベリーベストの中でも少し特殊な部署におりまして、中国の専門チームにいます。
中国の通訳人さんや中国の弁護士の中国律師と協働して、日本に住んでいる中国の方に対するリーガルサービスを提供しています。

Q:初めから今の部署を希望されていたのですか?

入所段階では、そのような部署があることもあまり詳しく知らなかったのですが、中に入った後に打診を受けました。国際関係の仕事にはとても興味があったので、積極的に入っていきました。

司法修習について

Q:修習地はどこでしたか?

私は東京修習です。

Q:東京修習は第1志望でしたか?

第一志望にしました。

Q:先生の出身はどちらですか?東京を志望した理由はありますか?

私の出身は沖縄県です。
就活なども視野に入れると、やはりアクセスのいい場所で修習もできたらいいなと考えて、第一志望は東京にしました。

Q:司法修習の開始はいつ頃でしたか?

最後の二回試験が去年の11月ごろでしたので、その1年くらい前から修習が始まりました。

Q:修習では最初にどんなことをしましたか?

はじめは、和光市にある司法研修所で導入修習というものを3週間くらいやります。

基本的には座学の講義を受けて、その後起案(論文試験の訓練)をします。
私の時は入って数日で早速起案をやった記憶があります。

Q:起案については気合を入れて取り組んでいましたか?

そうですね。それなりの緊張感でやっていました。

Q:裁判官や検察官などは視野に入れていましたか?

私は全く視野に入れず、弁護士1本で検討していました。

Q:修習での良かったエピソードを教えてください。

同期の修習生と修習の時間中でも、修習が終わった後、放課後のように語り合うのは、楽しい時間でした。

例えば飲み会でお酒を飲んでふざけながらでも、やっぱり法律に関しては真面目な議論が好きな人たちですから、傍聴した裁判の法律問題や起案で自分が解いた論点について悩んだところを、気軽に議論していました。そのような環境があったのは、恵まれていたと思います。

Q:今も同期に相談したりしますか?

同期のLINEグループで悩んだところがあったら、相談したりしていますね。

Q:修習の辛かったエピソードを教えてください。

結構頻繁に起案の試験があるので、1日書きまくってクタクタになって、そこからまたすぐに次の試験を視野に入れて勉強もし、日々の修習もこなしてというのが、スケジュール的にそれなりに大変でした。

Q:弁護修習は弁護士事務所によってカラーが違うと思いますが、先生が行かれたところは大変でしたか?

修習自体は大変ではなく、優しく教えてもらいつつ、たくさん勉強をさせていただいたと思います。

Q:修習の中で、取り調べも実際にされたのですか?

実際にやりました。

私たちが担当した事件が結構珍しい法律で、通常の窃盗だとか傷害とは違った普段六法では見ないような法律のものだったんですよ。

処罰を決めるにも過去の検察庁内での取り扱いもあまり前例がなかったので、文献まで遡って調べて検事に報告して方針を協議しました。

二回試験について

Q:二回試験の概要を教えてください。

端的に言うと、論文式の試験になります。
司法試験や予備試験と違うところは試験問題がとても多いところです。

答案用紙も4枚や8枚ではなく、無制限に持っていけて、20枚、30枚、多い人だと40枚ほど書いていく試験になります。

Q:科目は何科目ありますか?

刑事裁判、刑事弁護、民事裁判、民事弁護、検察の5科目あります。

Q:昔は答案用紙を綴って提出していましたが、今もそうですか?

今も一緒です。
蝶結びなどで結んでしまって、途中でほどけてもいけませんから、固く何重にも結んでいました。

Q:難しくて頭が真っ白になったことはありますか?

私は二回試験では真っ白になるようなことはありませんでした。
その直前の集合修習でも二回試験と同じような起案をするんですが、そちらの方がレベルの高い問題が出やすい傾向にあるらしいんですよ。

集合修習でとても難しい問題を出して、修習生を絶望に叩き落して勉強させ、二回試験に臨ませるという魂胆なのかなと思います。笑

Q:二回試験に向けてどのような準備が必要ですか?

有名なところであれば、やはり要件事実は修習前からでも準備できるようなところですし、司法試験予備試験にもとても使える部分ですから、修習の手前からでもちょっとずつ勉強していくといいと思います。

Q:研修所に入ってから二回試験について意識し始めたのはいつですか?

二回試験で苦労しないように頑張ろうという意気込みで、集合修習からちょこちょこやっていたんですけど、普段の修習で手一杯でなかなかじっくり腰を据えて勉強する時間が取りにくいものですから、結局1年間通して二回試験の勉強時間というのは十分には取れませんでした。

Q:例年A班・B班に分かれて修習を受けますが、先生はどのような流れの班でしたか?

私は先に集合修習で後から選択プログラムを受ける班でした。
選択プログラムは自分がプログラムを選択できるので、結構余裕を持ってスケジュールを組むことができました。

A班・B班のどちらがいいかは、結構議論になりますけど、私はどちらでもいいと思っています。

それぞれ一長一短あると思っていまして、最後に集合修習を受ける班のメリットとしてよく言われるのが、二回試験の直前にできるから忘れないとか、実力が駆け上がっていって、最高潮のところで試験を受けられるという点です。

一方で先に集合修習をやる班の場合、危機感が先に芽生えるんですよね。
そこから、やばい勉強しなきゃとなって、選択プログラムで準備できるので、少し自習できる時間は確保できるんじゃないかなと思います。

Q:一つの教科だけ強化しなければいけない、ということはありましたか?

私は検察起案がなかなか成績振るわず、結構焦っていました。

司法修習前後のことについて

Q:勉強に関して、司法修習前に何をしていましたか?

市販で買える修習に役立ちそうな教科書をいろんなサイトを調べ片っ端から買って読み込んでいました。

私の場合、司法試験を受け終わった直後から修習の勉強を始めようとして、半年近くはその時間に充てていました。
民事系だと要件事実、刑法の基礎的な理解の総復習、これらは仮に司法試験に落ちていた時の次回の試験勉強にもなりますから、両睨みできるようにしていました。

Q:住まいに関してはどのように準備されましたか?

私はロースクールが東京のローでしたから、ロー生の時と同じところに住んでいたんですよ。
ですので、転居などはせずにそのまま修習に入りました。

寮には入らず、自宅から通っていました。

Q:今もお付き合いのある同期の方は多いですか?

結構多いですね。ゴールデンウイークには、広島で弁護士業務をしている友人のところに遊びに行って事務所訪問などをしてきました。

Q:総じて司法修習は楽しかったと言えますか?

そうですね。充実した楽しい1年間でした。

Q:最後に司法試験・予備試験の受験生に一言お願いします。

司法試験も予備試験も難関試験で、日々勉強していると自分には適性がないんじゃないかとか、なかなか成績が上がらなくて、不安になる方が多いとは思います。

ですが、振り返ってみればその悩んでいる期間も着実に実力は上がっているので、気にせず淡々と勉強に邁進していただければ、きっと受かります。頑張っていただきたいと思います。

松本 翔馬弁護士

この記事の著者 松本 翔馬 弁護士

松本 翔馬 弁護士

早稲田大学大学院 法務研究科(既修) 修了
司法試験 合格
最高裁判所司法研修所(東京地方裁判所配属) 修了
ベリーベスト法律事務所 入所

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