司法試験における六法の使い方!ポケット六法やデイリー六法の効率的な活用法とは?
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六法は、全ての受験生が持っている教材です。
当然ですが、どの出版社のどの六法を使用しても内容は同じです。
そして何より、司法試験当日も論文式試験の試験時間中に全ての受験生に問題用紙とともに配布されます。
このコラムでは、全ての受験生に平等に与えられる六法に着目し、その使い方や効率的な活用法について書いていきます。
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そもそも「六法」とは、六法全書と呼ばれるものが中心の法令集です。
司法試験では司法試験用法文という、司法試験の出題範囲の法令を掲載した法令集が配布されます。
そして多くの受験生は普段の学習においては「ポケット六法」や「デイリー六法」などの司法試験用法文よりも簡易的なものを使う人が多いです。
(1) 司法試験の試験時間中の六法の使い方
司法試験論文式試験の本番では問題用紙が配布されると共に、司法試験用法文が机上に置かれています。
そして、試験時間中には問題を解くに際してこの六法を参照することが認められています。
そもそも司法試験は、法曹選抜試験なので、法律の運用能力が問われています。
具体的に法律運用能力とは、事案を分析し、そこから法的問題点を抽出し、法律を解釈して、事案に適用するという能力のことです。
そのため、条文を基礎に、それを丁寧に引いて、論文を書くということは法律文書の作成において大原則です。
(2) 普段の学習での使用方法
基本的には、本番と同様に、事案に法律を適用する際に逐一参照することが大切です。法律の条文は、要件と効果で構成されています。
例えば、民法96条1項は「詐欺」又は「脅迫」「による意思表示」があった場合という要件を満たした場合に「取り消すことができる」という効果が発生するという構造になっています。
条文は、試験時間中に配布される以上、全てを暗記する必要はありませんが、基本的な条文の適用場面、要件、効果はすぐに掴めるようにしておかなくてはなりません。
そこで、普段の学習から何度も何度も条文を引いていくことで、条文に普段から慣れていく必要があります。
また、個々の条文を何度も引いていく作業が不可欠なことに加えて、条文の体系的な位置を把握しておく必要があります。
上記のように多くの条文を潰していくことは大切ですが、現実的にはすべての条文の知識を覚えた状態で試験に臨める人はほとんどいません。
そのため大切なことは、試験本番に、事案に関連する条文を六法にて検索する能力です。
合格者も全ての条文の条文番号を暗記しているわけではなく、「こういう条文はきっとこの章にあるだろうな。」といった「あたり」をつけることが出来れば十分です。
この能力をつけるためには、各法令の目次を見ることが重要です。
会社法を例に取ると、第二編,第七章(467条あたり)には事業譲渡が規定されています。
そして、第五編(743条あたり)には吸収合併や会社分割などの組織変更方法が規定されています。
合格者はこれらの条文の番号を暗記しているわけではないです。
しかし、問題文の事案を見て、その事案が会社の組織変更であった場合に、すぐに476条あたりや743条あたりをすぐに引くことが出来ます。
これが出来るのは、普段から、法令全体の条文の構造を把握する訓練をしているからです。
そのため、普段の学習の際には個々の条文をしつこく引いて各条文の構造をおさえていくことに加えて、各法令全体の構造を把握して、試験本番にすぐに正しい条文を検索できるようにしていく準備していくことが必要といえるでしょう。
※関連コラム:【司法試験・予備試験】六法の選び方と判例あり・なしそれぞれのおすすめ紹介
効率的に実力をつけるための六法活用法
上記のように、各条文を何度も引くこと、条文全体の構造を把握していくことという地道なトレーニングに勝る六法活用法は無いと思います。
そこで、ここでは別方向の六法活用法を紹介してみたいと思います。
その方法とは、六法を短答式試験のまとめノートとして活用するという方法です。
実は、短答式試験は、単純に条文の知識をそのまま問うてくる問題がかなり多く出題されています。
そのため、条文の知識を正確に押さえていくことが合格への近道です。
そこで、短答式試験で問われた知識や、条文の趣旨、関連条文の知識を各条文の横に書き込んでいき、まとめノートを作っていく方法はオススメできる短答式試験対策です。
まとめ
「司法試験 六法」の活用法は、普段から六法を頻繁に引き、条文に慣れることが重要です。試験本番では条文検索能力が問われるため、法令の目次を活用し、条文構造を把握する訓練が必要です。また、「ポケット六法」などを使い、短答試験対策として条文横に要点を書き込む方法も有効です。地道な学習で六法を自在に扱えるようになりましょう。
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