「予備試験合格又は法科大学院修了」,「司法試験合格」,「司法修習生考試(通称:二回試験)合格」を経てなれる,裁判官,検察官,弁護士を併せて「法曹三者」と呼びます。

これらの職業については,いざ目指してみようと思っても,どのような職業であるかあまりイメージを持てない方も少なくないと思います。

本ページでは裁判官,検察官,弁護士について,その仕事と魅力を紹介します。

また法曹三者になる為にと突破しなければならない司法試験や司法修習についてご紹介します。

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裁判官の仕事と魅力

裁判官の中心的な仕事は,民事裁判では人々や企業間のトラブルを法律と自らの良心に従って適切な解決を図ること,刑事裁判では起訴された被告人につき,検察官による主張・立証活動,及び弁護人による弁護活動を受けて,被告人が有罪であるか否か,有罪である場合には,どのような刑罰を科すかを判断することです。

日本では,他の国と比べて民事裁判の件数は少ないと言われますが,日々トラブルが起こっています。

基本的に,そうしたトラブルは話合いでの解決が図られますが,話合いでは解決できない場合には,裁判になることも少なくありません。

民事裁判では,そうしたトラブルについて,原告と被告の主張立証活動を受けて,どのような事実が認められるかを判断し,法律にしたがってトラブルを解決することになります。

そのため,裁判官の魅力の一つとしては,自らの判断に従って実際にトラブルが解決されることが挙げられるでしょう。

また,刑事裁判では,起訴された被告人につき,検察官による主張・立証活動,及び弁護人による弁護活動を受けて,被告人が有罪であるか否か,有罪である場合には,どのような刑罰を科すかを判断します。

いずれにしても民事裁判の当事者や被告人の人生にも関わってくるため,責任が重大ですが,やりがいを感じる方が多いといいます。

関連コラム:裁判官とは?仕事内容は?女性の割合や罷免される条件も解説

検察官の仕事と魅力

検察官の中心的な仕事は,世の中で発生した犯罪の被疑者について,起訴するか否かを決定すること,及び起訴した場合に,裁判所へ,被告人の正当な処罰を求めて主張・立証活動を行うことです。

世の中で犯罪が発生した場合には,警察官が中心となって犯罪捜査をし,被疑者を逮捕することになります。

そして,刑罰をもって罰するためには,被疑者を起訴し,裁判所によって有罪の判決を得ることが必要です。

検察官は,被疑者を起訴するか否かを決定する権限を持っている唯一の機関です。

また,被疑者を起訴した場合,起訴された被疑者(被告人)が有罪であると主張・立証し,適切な刑罰を求めることも検察官の仕事です。

さらに,適切な刑罰を受けた被疑者・被告人らの社会復帰を支援することも検察官の仕事として認められています。

このように,検察官は警察官とともに人々の平和を守っており,その正義感からやりがいを感じる者が多いと言います。

関連コラム:検察官とは?警察との違いは?仕事内容や役割、やりがいも解説

弁護士の仕事と魅力

弁護士の仕事は,一言で言うことができず様々です。有名なものとしては,民事裁判における訴訟代理人としての仕事,刑事裁判における被疑者・被告人の弁護人としての活動が挙げられますが,これは弁護士の仕事のほんの一部に過ぎません。

まず,民事事件では,弁護士は訴訟代理人として活動することがありますが,全ての紛争が訴訟となるものではありません。

訴訟の前には,必ず当事者間での話合いが行われます。この当事者間の話合いでは紛争を解決できない際に,弁護士に依頼し,再度話合いで紛争解決を試みる(あるいは,最初から弁護士が紛争に介入して紛争解決を試みる)ことになります。

そして,話合いでは解決できない場合に,最終手段として,訴訟があるのです。

このように,弁護士は紛争の始まりから終わりまで介入することができますが,このことは訴訟が提起されない限り紛争に関わることができない裁判官との違いの一つです。

また,紛争を解決した際,依頼者から直接感謝されることができるのは,法曹三者の中では弁護士のみであり,そうしたことにやりがいを感じるものが少なくないといいます。

また,具体的な紛争が発生していない場合であっても,紛争を未然に防止するための契約に携わる予防法務も弁護士の仕事の一つです。

また,刑事事件では,被疑者・被告人の弁護活動を行うことが弁護士の仕事です。

被疑者・被告人が無罪であることを求めて弁護活動を行うこともありますが,検察官によって起訴されないように求めること,起訴されたとしても,被疑者にとって重くない刑罰にとどめることを求めて,被害者との示談をしたり,被疑者・被告人の親族等に対して被疑者・被告人の更生支援が得られることを約束させること等をすることが中心です。

以上が,弁護士の仕事の概略ですが,最近では,特定の分野を専門とする弁護士が増えつつあるとともに,求められつつあります。例えば,交通事故を専門としている弁護士であれば,交通事故事件に関しては,他の弁護士と違いを出せます。

交渉を専門とする弁護士であれば,依頼者にとって有利な内容の契約をとるといったことも可能です。

医療を専門とするものであれば,医学の知識が求められますし,刑事弁護を専門とする弁護士も存在します。

そして,弁護士にとっての最大の魅力は,自分の関心にあった分野を勉強し,専門分野としていくことができることにあるといっても過言ではないでしょう。

関連コラム:弁護士とは?仕事内容、種類、やりがい、役割をわかりやすく解説

弁護士の活躍するフィールドが拡大

最近では,弁護士の活躍するフィールドが拡大していると言われています。

特に,注目されるべきなのは,企業内弁護士(インハウス・ローヤー)の増加でしょう。

企業内弁護士とは,法律事務所に所属するのではなく,企業に所属し,弁護士として活動をする者を言います。したがって,法律事務所には所属せずに企業に所属するという点で,顧問弁護士とは異なります。業務としては,企業によって様々ですが,契約業務やガバナンス業務,コンプライアンス業務に従事する者が多いです。

企業によっては,M&Aの際に,外部の法律事務所への橋渡し役として,企業内部の必要な手続を担うことを期待されている者も存在します。

2001年(平成13年)の時点では,全体で66名であったのに対し,2017年(平成29年)現在では,1931名にまで増加しています。

弁護士数の増加に伴い,今後も増加し続けることが予想されています。

また,任期付き公務員としての活躍の場が広がっていることも注目に値します。

任期付き公務員の例としては,地方自治体などにおいて,課長職待遇などで自治体業務にあたることが挙げられます。

これらのように,弁護士は数の増加が言われていますが,それに伴い,活躍するフィールドが拡大し続けています。

※関連コラム:弁護士になるには?

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法曹三者になるには

こうした法曹三者になるためには,司法試験に合格し,約1年間の司法修習を経て,司法修習生考査(通称2回試験)に合格することが必要です。

関連コラム:司法試験とは

関連コラム:司法修習とは?スケジュールや給料、修習生登録後の流れを解説

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