「採点実感は穴のあくほど読み込め。」

司法試験の勉強法について検索してみると、このようなことを述べているページがたくさんあります。

しかし、そもそも採点実感とは何か、どこで参照できるか、効果的に採点実感を利用するにはどのように利用するべきなのかについてはあまり詳しく解説されていません。

そこで、ここではこれらの点について解説していきたいと思います。

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採点実感とは?

採点実感とは司法試験員からの「このように答案を書いてほしい」というメッセージであり、一種の答えともいえます。

科目ごとに多少の差はありますが採点実感には基本的に、

  1. 採点方針
  2. 採点実感等
  3. 法科大学院教育

に求めるものの3点が記載されていることが多いです。

採点方針

採点方針については、どのポイントに点数が振られており、どのような答案が高い評価を受け、一方低い評価にとどまったのかが記載されています。

実際に自分の書いた答案と司法試験員会の想定する高評価を受ける答案との異同を確認することに用いるといいでしょう。

採点実感等

採点実感等については実際書かれた答案はどのような水準の答案が多く、どのような評価を受けたのかが、具体的な答案の例を挙げつつ解説されています。

ここを読むことで合格水準の答案や、一般的な受験生と自分の実力の差を知ることができます。

ここでは翌年度以降の答案作成の際に留意すべき点も記載されているので、答案作成後には必ず熟読しておきたい部分になります。

法科大学院教育

法科大学院教育については採点を通じて法科大学院教育で必要と感じたことが記載されています。

ここを読むことで、個人の勉強にも取り入れるべき勉強が発見できるかもしれません。


このように、採点実感は模範解答が公開されない司法試験において、採点の方針や高評価を受ける答案の特徴を知るという点において最適な教材であるといえます。

採点実感はどこから確認できる?

司法試験の採点実感は法務省のホームページの司法試験の結果について記載されているページから見ることができます。

また採点実感は「できる限りすみやかに」公開するとされているのみで具体的にいつ発表されるかは明示されていません。

例年は7月試験が行われ12月頃に出題趣旨が発表されたのに続いて採点実感が発表されることが多いようです。

採点実感の活用法

採点実感の活用法としては基本的に、

  • 高く評価される答案の書き方を学ぶ
  • 自分の答案が実際にどのような評価を受けるのかを学ぶ

という2つの活用法が考えられます。

以下それぞれの活用法に分けて具体的に見ていきたいと思います。

高く評価される答案の書き方を学ぶ」ための活用法

高く評価されてる答案の書き方を学ぶのに採点実感を使う際には、学習初期、具体的には当該科目について一応のインプットが終了し、いよいよアウトプットを始めようという段階で採点実感を読むべきです。

どのような答案が評価されるのかがわからないままアウトプットに突入してしまうと、評価されにくい答案の書き方の癖がついてしまう恐れがあり、後々それを修正する際に苦労してしまう危険があるからです。

この目的で採点実感を活用する際には、答案の形式面についてのコメントに注目して読むといいでしょう。

例えば接続詞の使い方や、三段論法の方法についてです。

過去の採点実感では「この点」「思うに」などという接続詞は「一般的ではない接続詞」との評価がされていますし、現場思考型の問題であっても法的三段論法が守れていない答案は「低い評価にとどまる」とされています。

ただ学習初期に採点実感を読んでも、専門的な用語が多すぎて時間もかかり、非効率な勉強になってしまう危険があります。

そこでこの段階での採点実感の勉強には予備校講義を利用することをお勧めします。

採点実感分析講義は多くの予備校が出しており、無料で受けられる予備校もあるのでそれを利用すれば学習初期でも無理なく採点実感を読むことができると考えられます。

自分の答案が実際にどのような評価を受けるのか学ぶ」ための活用法

自分の答案が実際にどのような評価を受けるのかを学ぶ際には、実際に答案作成をした直後に採点実感を読むべきです。

出題者の想定する問題点の中には基本的で再度の出題可能性が高いものから、極めてレベルの高く、再度の出題が考えにくいものまであります。

その中で自分が落とした問題点をすべて時間をかけて復習するのは非効率です。

そこで答案作成直後に採点実感を読み、合格水準との評価を受けた答案(採点実感で「一応の水準」との評価をされている答案)は書けているのにもかかわらず、自分が落としてしまった問題点について中心的に復習をしていくのが合格への近道であると考えられます。

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