『家族法 民法を学ぶ』の司法試験へ向けた勉強での使い方と特徴
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この記事では、親族法・相続法の基礎本である「家族法 民法を学ぶ」について紹介していきます。
家族法というと、どうしても勉強が後回しになってしまっている方やポイントを絞って勉強をしたいと考えているけれどもどこから手を付けていいのかわからないといった方もいるのではないでしょうか?
本書は、神戸大学大学院法学研究科にて教鞭をとっていらっしゃる窪田充見先生が「はじめて家族法を学ぶ読者にとって、親族法や相続法の基本的な制度やルールを理解してもらい、「わかった!」という実感を持ってもらうこと」(初版はしがき抜粋)に注力し、執筆された本になります。
そこで今回は、本書の特徴と使い方について解説していきます。
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家族法 民法を学ぶの内容と特徴
『家族法 民法を学ぶ』は、第1部総論、第2部親族、第3部相続、特別講義家族法と租税法という3部+特別講義という構成となっております。
さらに各部には、「設例」と「コラム」が設けられています。
この設例とコラムがあることで、本文の記載が大変分かりやすく理解することができるのが本書の特徴です。
基本書を読んだとしてもなかなか具体的なイメージが湧かず、通読したとしても結局頭に入らなかった・・・という経験をした方もいるのではないでしょうか?
本書は一般的な解説だけに留まらず、法制度の一般的な解説を踏まえたうえで具体的な事例にあてはめたらどのような結論になるのか、にまで言及されています。
そして、本文の内容をさらに深めた内容がコラムに記載されており、本文と併せ読むことでさらに本文の内容を理解することができるという効果が期待できます。
このように本書は、「本文(法制度の一般的な解説)」→「設例(具体的な事例を踏まえ、法を適用した場合にどのような結論になるのか)」→「コラム(本文の内容をさらに深めた解説)」といった内容になっていることが大きな特徴となります。
司法試験の勉強での使い方
それでは家族法 民法を学ぶの司法試験勉強での効果的な活用方法を解説していきます。
結論から先に申し上げると下記の3点を意識すると良いでしょう。
- まずは第2部と第3部を通読する
- 2回目以降は、設例部分を中心に読み込む
- 理解不足な部分を重点的に何度も読み込む
司法試験の勉強において、以下の要領で本書を何度も通読することをお勧めします。
1.まずは、第2部と第3部を通読する
司法試験との関係では、第2部と第3部を通読するのがよいでしょう。
通読の際は、見出しに着目するのがポイントです。
例えば本書の見出しは、「Ⅱ親権の内容」→「1 身上監護権」→「①居所指定権」→「②懲戒権」→「③職業許可権」となっており、理解をするうえで大変わかりやすい見出しの構造(入れ子構造の見出し)となっています。
このような入れ子構造の見出しによって、「親権の内容」の1つには「身上監護権」があり、その具体的な内容として「①居所指定権」及び「②懲戒権」、「③職業許可権」があることが一目で理解することができます。
まずはこの見出しに着目したうえで通読をすることによって知識を整理することができ、その結果、より早く本文の内容を理解することができます。
また1回目の通読の際は、「1つ1つ深く読み込む」という意識よりも、「わからないことがあったとしても、ざっくりまずは通読をしよう!」といった意識を大切にして下さい。
上述いたしましたが、通読は何度も行うことが重要です。
1回目よりも2回目、2回目よりも3回目・・・といったように、通読を重ねることでより理解が深まります。
ですので、1回目の通読ですべてを理解しようとすることなく、何度も通読をする意識のもと、1回目はさらっと流し読みする感覚で問題ありません。
2.2回目以降は、設例部分を中心に読み込む
2回目以降は、1回目以上に設例部分を中心に読込むことをお勧めします。
司法試験では具体的な問題文からどのような法的問題(いわゆる論点)があるのかを見つけ出さなければいけません。
いわゆる論点だけを抑えていても、問題文から法的論点に気が付くことができなければ意味がありません。
そこで2回目以降は本書の設例を読み、当該設例ではどのようなことが問題になるのかを本文を読む前に、一度考え、そのうえで本文を読込むとよいでしょう。
そうすることで問題文から論点を抽出する力が自然と身に付くだけでなく、本文に記載されている内容もより深く理解することができます。
3.理解不足な部分を重点的に何度も読み込む
何度も通読を重ねるうちに、自分がどの分野、どの論点について理解が不足しているのかについて明確にすることができます。
理解が不足している部分については、何度も本書を読込むことで、家族法分野に関する理解と記憶の定着度を向上させることができます。
家族法 民法を学ぶの評価
『家族法 民法を学ぶ』は、司法試験受験生が手薄となりがちな親族・相続法分野について、適切な文量・内容・難易度で解説をしている基本書です。
また、設問が複数記載されていることにより問題文から法的論点を見つけ出す力も身に付けることできます。
親族・相続法の勉強に着手したいけれども、どこから手を付けたらいいのかわからない・・・、時間も限られており、司法試験に最低限耐えうる知識を身に付けたい・・・といった悩みを持たれている方には、本書をぜひおすすめします。
上記悩みを持たれている方は、ぜひ一度、本書を手に取ってみてくださいね。
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