【司法試験・予備試験】知的財産法の勉強法!基本書のおすすめも紹介
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司法試験・予備試験の選択科目を何にしようか迷っていませんか?
色々あるけど何が自分に合っているか分からない、どうやって決めたらいいか分からないなど漠然とした不安があると思います。
そこで、今回は選択科目のひとつ、『知的財産法』の特徴やその勉強法を紹介します!
これを読んで少しでも司法試験の選択科目の決定に役立てば良いと思います。
また、既に知的財産法を学ぶことを決めている方や、最近学び始めた方にも有益な情報を提供します。
目次
【谷山政司講師が解説!】
アガルートアカデミー司法試験の谷山政司講師が、「選択科目」の知的財産法について解説します。
知的財産法は、関心の高まっている分野であり、学習面では身近でイメージが湧きやすく理解しやすいというメリットがある科目です。
ぜひ、知的財産法のメリットそして勉強法を知って、選択するか、どう学習を進めるかといった判断にお役立てください。
知的財産法とは
知的財産法とは、特許権や著作権といった知的財産権という無体の権利を保護するための法律のカテゴリーです。
知的財産法というタイトルの法律は存在しません。
具体的には、特許法・実用新案法・意匠法・著作権法・商標法などを指します。
そのうち司法試験で出題されるのは特許法と著作権法のみです。
しかも、特許法や著作権法の中でもさらに出題される分野は限られているため、知的財産法とはいっても実際に勉強する範囲はそれほど多くありません。
特許法は発明を、著作権法は著作物に関する権利を保護する法律です。
実際に出題される問題は、特許権を取得した発明を他人に勝手に実施されたり、著作物をコピーされたりなどの権利が侵害されている場面に関する紛争事例が多いです。
知的財産法は実務においても必須の分野
理系出身の人でない限り、知的財産法に関する業務に携わることはないと考える人もいるかもしれません。
しかし、実際には、文系出身の法曹が知的財産法に関する案件に携わることも多くあります。
例えば、企業から商標に関する相談を受けることもありますし、偽ブランド品を販売するような商標法違反の刑事事件に関与することもあります。
商標法は選択科目の知的財産法では出題されませんが、特許法を学習しておくとスムーズに理解することができる法律です。
また、近年は著作権に関する世間の関心が大きくなりつつありますが、いざ著作権関連の相談が来たときに適切に対応できる法曹は多くないように見受けられます。
他方、理系出身の方であれば、ご自身の専門分野の知識と特許法の知識を組み合わせることで、実務において活躍できることは間違いないでしょう。
選択科目で知的財産法を選択し、知財に関する体系的な知識を身につけておけば、他の法曹との差別化を図ることもできるでしょうし、業務分野を拡大していくことができるでしょう。
※関連コラム:【司法試験・予備試験】選択科目ごとの合格率・難易度を解説!
知的財産法の勉強法
知的財産法は民事系の法律と行政法の知識を活用できる科目
知的財産法は、いずれも民法(特に物権法や不法行為法)、民事訴訟法、行政法(行政手続法や行政事件訴訟法など)などの特別法です。
そのため、これらの法律についての理解をある程度有していると、理解がスムーズになります。
選択科目の知的財産法においては、主に、特許権等の権利に基づく差止請求や、特許権等が侵害されたことを理由とする不法行為に基づく損害賠償請求の成否が問われます。
このうち、差止請求については、知的財産権という物権的な権利に基づく請求ですので、大枠としては物権的請求権に関する要件事実的な理解があると、スムーズに学習を進めていくことができますし、答案の作成にも活きてきます。
損害賠償請求についても、結局は不法行為に関する話なので、民法の不法行為に関する理解があれば答案も書きやすくなります。
また、特許権の権利取得手続や民事訴訟手続に関する問題が出題されることもありますが、行政法や民事訴訟法の理解をある程度有していれば、問題の所在等も把握しやすくなり、理解がスムーズに進みます。
裁判例の学習が重要
司法試験や予備試験の試験科目としての知的財産法においては、裁判例の学習が極めて重要となります。
特許法については、裁判例の中でも最高裁判例の比重が多い分野です。
そのためか、判例の射程を問う問題も多く出題される傾向にあります。
したがって、特許法を学習する際には、最高裁判例の規範・結論とこれらを導くための理由付けを押さえることはもちろん、その理由付けがその事案に妥当するのかという思考もできるようになる必要があります。
他方で、著作権法については、最高裁判例も少なからずあるものの、多くは下級審レベルの裁判例を学習することになります。
裁判例によって考え方が分かれているような論点も試験では多く問われますが、まずは百選に掲載されている判例の事案をもとに、自説から説得的に論述できるようになることが必要です。
また、近年の裁判例を意識した出題がなされることもあるので、直近数年分の重要判例をチェックすることも有用です。
予備試験における知的財産法
令和4年度の予備試験から、論文式試験において選択科目が追加され、司法試験と同様に、知的財産法も選択科目の1つです。
令和4年度の予備試験では、著作権法のみから出題がされました。
令和4年度の傾向のみから分析すると、予備試験の選択科目としての知的財産法は、毎年、著作権法又は特許法のいずれか1分野のみから出題される可能性が高いです。
そのため、特許法のみ、あるいは著作権法のみしか勉強していないような場合には、勉強していない分野が出題された際に全く太刀打ちできないことになります。
したがって、特許法及び著作権法のいずれもしっかりと学習しておくことが必須となります。
もっとも、予備試験において問われているのは、知的財産法の中でも基礎的な部分です。
主要な条文、法理論、及び裁判例をしっかりと押さえておけば、予備試験における知的財産法の問題に対して十分に解答することができます。
したがって、基礎的な事項をインプットしつつ、司法試験の過去問等を通じて演習を重ねれば、しっかりと高評価を取ることができます。
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アガルートの「知的財産法 総合講義」
司法試験・予備試験の知的財産法で問われる知識を網羅的にインプットする講座です。
司法試験・予備試験の知的財産法の過去問を出発点として、丸野講師によるオリジナルテキストを用いて、論文式試験対策として必要なポイントに絞った判例解説を行います。
法改正の多さに注意
知財分野については、毎年のように何らかの法改正がなされます。
試験に影響するような法改正も多いので、過去の出題や採点実感等を読む際には、その部分について改正がなされていないかを意識して読む必要があります。
そのため、知的財産法の過去問を検討する際には、法改正に対応した参考書や予備校の教材を用いることが不可欠となるといえます。
知的財産法はイメージがしやすい科目
知的財産法のうち、特に著作権法については、小説や映画、絵画といった身近な著作物が題材となるので、イメージがしやすい科目であるといえます。
また、特許法についても、発明が問題となりはするものの、試験との関係では理系的な知識は一切必要なく、むしろ文系出身の方々にとっても興味を持って楽しめる内容が多いです。
皆さんが知っている物やゲームソフトなどが実際の裁判例で問題となっていることもあるので、非常に身近で楽しめる科目であるといえるでしょう。
知的財産法のおすすめ基本書
『有斐閣ストゥディア 知的財産法Ⅰ特許法』『有斐閣ストゥディア 知的財産法Ⅱ著作権法』(有斐閣・駒田 泰土 潮海 久雄・ 山根 崇邦)
※引用:amazon |
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有斐閣の人気シリーズ『ストゥディア』の知的財産法編。ストゥディアシリーズのコンセプトである「初学者が読んだ時の分かりやすさ」が、本書においても遺憾なく発揮されています。
知的財産法を学ぶ決意をした方はもちろん、知的財産法を選択科目とするか迷っている方も、まずは本書をサッと読んでみることをおススメいたします。
『特許法・著作権法』(有斐閣・小泉直樹)
知的財産法の試験範囲である特許法と著作権法が一冊にまとまっており、近時受験生に人気のある基本書となっています。
平易な記載の中に、理解のためのエッセンスがちりばめられており、試験対策としての知的財産法の『基礎力』をしっかりと身に着けることができる良著です。
また、著者は他にも知的財産法の入門本や演習書も出版しており、判例百選の編者にも名を連ねていますので、その意味でも本書は試験対策との親和性が非常に高いと言えます。
『著作権法入門』『特許法入門』(有斐閣・島並良・上野達弘・横山久芳)
※引用:amazon |
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司法試験知的財産法において、従来より受験生の圧倒的な支持を得てきた最もスタンダードな基本書。『入門』というタイトルになってはいるものの、基本書として十分な記載がなされています。
信頼できる基本書ですので、持っていて損はない2冊と言ってよいでしょう。
※関連コラム:司法試験・予備試験におすすめの基本書50冊【15科目・目的別】
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平成23年に予備試験後、平成24年に司法試験合格。
司法試験合格後,司法修習開始まで及び弁護士登録後の合計約3年間にわたり,伊藤塾にてゼミ(予備試験ゼミ,特進ゼミ等)を中心に受験指導を行い,多くの予備試験合格者を輩出した。
また,司法試験科目に限られない幅広い法的知識を有し,アガルートアカデミーでは,弁理士試験の講義も担当する。
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