この記事では、「基本講義債権各論Ⅰ・Ⅱ」について紹介していきます。

「基本講義債権各論Ⅰ・Ⅱ」は、通称「潮見イエロー」「潮見黄色本」とも呼ばれ、受験生の間で人気が高い基本書です。

そこで以下では、受験生の間で定評のある「基本講義債権各論Ⅰ・Ⅱ」について、その特徴や使い方を解説していきたいと思います。

基本講義債権各論Ⅰ

「基本講義債権各論Ⅰ」は、債権各論分野のうち、契約法（契約総則～典型契約）・事務管理・不当利得についての解説がなされています。

平成29年の債権法改正に対応しており、改正民法における新たな解釈上の論点についても、著者が自身の研究を踏まえ、解説を加えてくれているため、大変勉強になる内容です。

本書は400ページ弱と、決して薄い本ではありませんが、二色刷りでメリハリのある記述がなされているため、充分に通読可能な分量です。

契約法・事務管理・不当利得の広範囲をカバーしていることを考えると、非常によくまとまった基本書であるといえるでしょう。

基本講義債権各論Ⅱ

「基本講義債権各論Ⅱ」は、債権各論分野のうち、不法行為法についての解説がなされています。

「基本講義債権各論Ⅰ」と同様、二色刷りで、読みやすいように工夫されています。

不法行為制度の制度趣旨や基本原理に遡って、詳しい解説がなされているため、不法行為法について、理論面からしっかりと勉強したいという方にとっては、非常に役に立つ基本書だといえるでしょう。

もっとも、予備試験・司法試験対策という観点からは、ややオーバースペックな部分もあるため、全てを読み込むのではなく、必要に応じて辞書的に使用すると良いでしょう。

基本講義債権各論Ⅰの使い方

「基本講義債権各論Ⅰ」では、改正後の契約法・事務管理・不当利得について、網羅的に解説がなされているので、通読して理解を深めることに役立ちます。

また、分量としても必要十分で、分かりやすい説明がなされているため、これから債権各論の勉強を始めようという時に、一度通読してみることをおすすめします。

最初は難しくて分からない部分もあると思いますが、そのような箇所は読み飛ばしてもらってもかまいません。

まずは、債権各論分野についての全体像を把握することが重要なので、とりあえず一度全体に目を通してみてください。

もちろん、本書は、ある程度学習の進んだ方にとっても有用です。

問題演習や知識整理の際に本書を読めば、当該分野についての理解が深まるでしょう。

基本講義債権各論Ⅱの使い方

「基本講義債権各論Ⅱ」は予備試験・司法試験との関係ではややオーバースペックな箇所があるため、問題演習などの際に辞書的に用いることをおすすめします。

予備試験・司法試験における不法行為法の分野は、短答・論文ともに、判例知識が重要になる場面が多いと思います。

本書では、判例についても手厚く解説がなされているため、問題演習をする度に、本書の判例索引を使って調べ、当該判例についての知識を深めていきましょう。

基本講義債権各論Ⅰ・Ⅱの評価

「基本講義債権各論Ⅰ・Ⅱ」は、理論面から判例知識まで幅広い解説がなされており、債権各論を学習し始めたばかりの方に対しても、より深く勉強したい方に対しても、自信をもっておすすめできるシリーズといえるでしょう。

ただし、「基本講義債権各論Ⅱ」については、やや理論面の記述が多めなので、予備試験・司法試験対策との関係では少し注意が必要です。

受験生からの人気が高いのも納得のシリーズなので、これから債権各論の学習を始めようとしている方は、是非一度手に取ってみてください。