行政法は特に学生受験生にとってはそれまでの人生でほとんど目にしたことのない事件を対象にするので、イメージがつきにくいのではないでしょうか。

「行政法は馴染みがなくてとにかくイメージがつきにくい」「問われる制度なども多岐にわたって基礎知識が不十分なので復習しておきたい」このような悩みを抱えている受験生はとても多いと思います。

そんな中で、良い基本書との出会いが行政法の苦手克服には必要不可欠です。

本書は、全ての受験生におすすめできる一冊ですので、興味のある方は、是非以下を一読してみてください。

『行政法（サクハシ）』の内容と特徴

本書の特徴は主に2つあげられます。

特徴①　内容の充実感

本書は一冊で学校の定期試験から司法試験まで対策できる基本書になっています。

予備試験、司法試験で問われる行政法の範囲はとても広く、量としても膨大なものがあります。それらを一つの基本書でカバーしようとするとなかなか難しいのが現実です。

そこで、受験生の中には、行政法について複数の基本書を用いて受験勉強されている方もいます。

本書は実務家でも愛用している方が多く存在しており、内容の充実度には定評があります。

さらに、無駄に長い文章を書き連ねるのではなく、改訂のたびに内容がブラッシュアップされ短い文章で多くの情報を伝えてくれると言う点も、本書の大きな魅力の一つです。

特徴②　視覚的なわかりやすさ

本書については、重要な箇所を青色で強調して書いてくれているので視覚的にどこが重要であるかを判別することができます。

特に勉強を始めたての段階だと、基本書を読んでいても、どこが重要かを自分では判別できないことがあります。

重要な個所がハイライトされている基本書は少ないので、復習の際に役立てることができます。

第6版に改訂された際には、原告適格・処分性についての判例の立場がビジュアル化されました。

原告適格や処分性は、予備試験・司法試験でほぼ毎年出題されるほどのメジャーな論点である一方で、論理構造や判例の立場も複雑に入り組んでおり、苦手とする受験生が多いと思います。

そのような論点について、判例の立場を図式化してまとめられた本書は、受験生の強い味方となってくれることでしょう。

司法試験の勉強での使い方

まず素早く通読することを意識して取り組みましょう。

科目の概要を掴むことが、問題演習の第一歩となります。

復習することを前提に、通読段階では分からないところは飛ばし読みするくらいの割り切りをもって通読をしましょう。

次に、問題演習などを通じてわかりにくかったところ、もっと深く学習したいところにかえって復習しましょう。

特に原告適格や処分性については何度も躓きやすいところです。

ビジュアル化された新しい記述を参照しつつ繰り返し復習するのが良いと思います。

『行政法(櫻井敬子・橋本博之著)』の評価

以上、本書の特徴と活用方法をまとめてきましたが、結論から言うと、本書はとてもおすすめできる一冊です。

行政法は、膨大な範囲から出題され、現場思考力、高い事務処理能力が問われる科目となっています。

誰もが苦手にしている行政法について、少しでも早く概要を掴んで、その先のレベルに進みたいと思っている受験生は、是非とも手にとって学習に役立てて欲しいです。

皆さんの受験生活が少しでも良い物になることを願っています！