30代から弁護士を目指すのは遅くない?未経験でも就職できる?対策や勉強法も解説
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30代で働きながら法律の重要さに気づいた人や、学生時代に挑戦していた司法試験に再挑戦しようとして、30代から司法試験に挑戦する方は少なくありません。
もっとも、その年齢や仕事の忙しさから、司法試験をあきらめてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このコラムでは、30代から弁護士を目指すのは遅くないということと、そのために必要なことを解説します。
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30代から弁護士を目指すのは遅くない?
結論から述べると、30代から弁護士を目指すのは遅くありません。
理由としては、①30代以上の予備試験・司法試験合格者がいること、②集中力を持って勉強がしやすいことの2点があげられます。
1点目は、30代以上の予備試験・司法試験合格者がいることです。
予備試験や司法試験の合格者のうち、30代以上や社会人が一定の割合を占めています。
令和5年予備試験の30代以上の合格者は、113人で全体の約24%を占めています。
このデータから、全体の約4分の1が30代以上ということがわかります。
また、令和5年予備試験の社会人(公務員・教職員・会社員・法律事務所事務員・塾講師・自営業の合計)は、95人で全体の20%を占めています。
これらのことから、30代から弁護士を目指すのは決して遅くないといえます。
2点目は、集中力を持って勉強がしやすいことです。
30代から弁護士を目指される方のほとんどが社会人受験生の方と思われます。
社会人受験生は、法科大学院生や専業受験生が勉強している間、仕事をしているため、ほかの受験生と比べ、勉強時間が非常に限られています。
そのため、社会人受験生の方には時間がないという意識があり、集中力を高めて試験に合格するための知識だけを集中的に効率よく身に着けようという意識も強いと思われます。
参考:令和4年司法試験予備試験
令和4年司法試験受験状況(予備試験合格者)
30代以上で未経験の弁護士でも就職できる?
30代以上で法律に関する仕事について未経験でも就職することはできます。
理由としては、①弁護士の採用時には責任感や熱意、協調性が重視されること、②企業内弁護士のニーズが高まっていることの2点があげられます。
1点目は、弁護士の採用時に意識する要素が、責任感や熱意、協調性であることです。
法律事務所の弁護士求人のアンケートで回答があった355の事務所のうち、採用に当たって重視する要素として、熱意をとても重視すると回答した事務所全体の74%、責任感をとても重視すると回答した事務所が74%、協調性をとても重視すると回答した事務所が67%であったのに対し、年齢は6%、職歴は7%、学歴は5%にとどまりました。
この結果から、法律事務所の採用では、年齢、職歴、学歴ではなく、熱意、責任感、協調性が重視されているといえます。
2点目は、企業内弁護士のニーズが高まっているという点です。
企業内弁護士の人数は2001年から右肩上がりに伸びており、2001年には66人だったのに対し、2018年には2161人となっています。
また、弁護士を採用する企業数も、2001年には39社であったのに対し、2018年には1031人となっています。
法律事務所だけでなく、企業内弁護士のニーズも高まってきており、就職は困難とは言えないと思われます。
また、企業内弁護士であれば、それらの企業の分野で働いていた人にとっては、その分野のことも法律も分かるというメリットがあり、反対に就職は有利といえそうです。
30代から弁護士を目指す際の注意点やデメリット
次に、30代から弁護士を目指すデメリットについて説明します。
最も大きなデメリットは勉強時間や準備期間の確保が難しいという点です。
上記の通り、30代から弁護士を目指される方は、学生や法科大学院生、専業受験生と比べると勉強時間の確保がかなり難しいといえます。
企業によっては弁護士を育てるために、司法試験受験のために勉強時間を確保してくれる会社もあるようですが、ほとんどが普通に働きながらの受験勉強を強いられるかと思います。
スキマ時間や出勤前、出勤後の時間でどれだけ勉強時間を捻出できるかを計画し、実行することが重要といえそうです。
30代から弁護士を目指すことの強みやメリット
次に、30代から弁護士を目指すことの強みやメリットについて、①社会人経験を活かせる点、②精神的に安定している点、③長期のキャリア形成が可能である点から解説します。
1点目は、社会人経験を活かせるという点です。
弁護士になる人の多くは20代であり、大学又は大学卒業後、弁護士になるという人がほとんどです。
しかし、弁護士業務を全うしていくためには法律知識だけでは足りず、むしろ他の知識が重要な場面も多くあります。
その時、社会人経験のある30代であれば、法律の知識だけでなく、社会人としての経験を活かし、仕事をすることができます。
また、特定の分野に強みを持っている人は、その分野の弁護士として仕事をすることも考えられます。
法律以外の知識を持って仕事をしていたという点は弁護士にとっても大きな強みになりそうです。
2点目は、精神的に安定しているという点です。
たしかに働きながら司法試験の勉強をするということは大変ですし、強靭な精神力が必要です。
しかし、働いているからこそ、経済的に安定した基盤をもって試験に挑戦することができます。
長期間の受験勉強が必要になる場合もある司法試験への挑戦で、経済的に過度な心配がなく勉強に励むことができる点はメリットといえます。
また、働く中で身に着けた法律の周辺知識や実務での経験を試験勉強に生かすこともできます。そのような経験値も精神的安定につながると思われます。
3点目は、長期のキャリア形成が可能である点です。
弁護士には一般企業と異なり定年制度がありません。
したがって、弁護士になれば65歳以上となっても、それまで積んできたキャリアを生かして仕事をすることができます。
また、弁護士は資格職なので、一度仕事を休職したり、別の拠点に移ったりしても、そこからキャリアを再開させることが通常の社会人よりも容易であるといえそうです。
司法試験までのルートは2つ!30代にとって現実的なのは?
司法試験はいつでもだれでも受験することができる試験ではなく、受験資格を得る必要があります。
司法試験受験までのルートには、①予備試験ルートと、②法科大学院ルートがあります。
このうち、30代にとって現実的なのは、基本的には①の予備試験ルートと考えられます。
もっとも、時間に余裕がある人は夜間の法科大学院も視野に入れて検討することが重要と思われます。
予備試験ルートでは、予備試験に合格し、司法試験の受験資格を得ることができます。法科大学院に通わなくても、予備試験に合格できれば5年間司法試験を受験することができるようになります。
もっとも、令和5年予備試験の合格率は約3.6%であり、合格は簡単ではありません。そのため、1回の受験で合格することは非常に困難といえます。
法科大学院ルートは、法科大学院の修了見込みを取得することによって5年間司法試験を受験することができるルートです。
法科大学院を修了するためには授業に出席し、単位を取得する必要があるため、昼間の法科大学院に通うためには一度休職するか、退職をして2~3年間、法科大学院に通う必要があります。
他の選択肢としては、働きながら法科大学院の夜間コースに通う方法もあります。ただし、夜間コースを解説している法科大学院は、筑波大学、日本大学、福岡大学、琉球大学の4大学に限られています。
そして、司法試験の合格率については、筑波大学が33.3%、日本大学が14.0%、福岡大学が9.5%、琉球大学が8.8%となっています。予備試験と比べるとその合格率は高いといえます。
一方で、大学院にもよりますが、夜間コースでは、大体平日18時ころから1~2コマと、土曜日の授業を履修することになります。したがって、プライベートの時間は非常に限られてしまう場合が多いでしょう。
また、学費は夜間コースと通常のコースで変わることはあまりなく、他の法科大学院と同様にある程度高額になるといえます。
このように、夜間の法科大学院は、ある場所が限られている点、高額な学費が必要になる点から、基本的には予備試験の合格を目指すという予備試験ルートが現実的といえそうです。
また、予備校を利用することによって、より効率的に予備試験の勉強を行うことも検討してみるといいでしょう。
30代からの司法試験、最短合格のための対策・勉強法とは
最後に、30代からの司法試験に向け、最短合格のための対策・勉強法について解説します。
ポイントは、①合格年を決めて学習計画を立てること、②短時間でもいいので毎日勉強すること、③予備校や通信講座を活用することです。
1点目は、合格年を決めて学習計画を立てることです。
のんびり勉強したいという方は合格年を決めないという方法も良いでしょうが、合格年を決めることで勉強に集中できたり、合格年から逆算し、今やるべきことを明確にすることができたりします。
状況にもよりますが、社会人の方であれば3年くらいが平均的な学習期間と思われます。
2点目は、毎日少しずつでも勉強することです。
法律の勉強は付け焼刃の知識ではなく、長期記憶や深い記憶が必要とされています。
毎日の勉強を習慣化し、知識をより深く、より厚くしていくことが重要です。
3点目は、予備校や通信講座を活用することです。
社会人であれば勉強に多くの時間を費やすことが困難といえます。したがって、だらだらと勉強しても合格までに時間がかかってしまいます。
そうはいっても初学者の方は何から手を付けて良いかが分からないと思います。
そこで、予備校や通信講座を利用することがおススメです。
予備校や通信講座は、様々な状況にある人たちを合格させるノウハウを持っています。カリキュラムを複数持っている予備校も多く、自分に合ったスタイルの勉強をすることができます。
独学で勉強計画から自分で組み立てるのではなく、予備校や通信講座に沿って学習を進めることによって、効率よく勉強することが可能になります。
また、予備校の授業は多くがオンラインで聞くことが多いため、自分の生活リズムに即した形で勉強することが可能となります。
そして、独学では難しい、自分の書いた答案をプロに見てもらうということが可能です。
司法試験では、論文式試験を突破する必要があり、自分の答案の悪い癖や改善点は他人に読んでもらうことでしかよくなりません。
予備校を利用する最大のメリットの1つといえます。
30代から弁護士を目指すのは遅くない?まとめ
このコラムでは、30代から弁護士を目指すという点について、①30代から弁護士を目指すのは遅くないこと、②30代以上で未経験でも就職ができること、③注意点やデメリット、④強みやメリット、⑤司法試験までのルート、⑥最短合格のための対策・勉強法という観点から解説をしました。
30代から弁護士を目指すことは社会人であれば時間が十分に取れないというデメリットがあります。
しかし、決して遅くなく、強みやメリットもあります。もっとも、独学で司法試験・予備試験の突破を目指すことは非常に厳しく、法科大学院への進学も限られた人になりそうです。
そこで、予備校を利用しながら予備試験の合格を目指すというルートが現実的といえます。
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司法試験・予備試験の受験を
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