社労士試験を独学で合格する勉強方法とスケジュールを紹介
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「社労士試験の試験範囲が広すぎて、何から手を付けてよいのか分からない」
「効率的に勉強できる順番ってあるのかな?」
社会保険労務士試験は科目数が多いため、勉強が思うように進まず、途方に暮れる方も多いのではないでしょうか。
勉強する時間も限られているため、効率よく勉強できる方法があるのであれば、方法を知りたいですよね。
出題範囲の広い社労士試験を制するには「効果的な学習計画を立てる」ことが重要です。
ただ闇雲に勉強していても、社労士試験にはとても太刀打ちできません。
このコラムでは、社会保険労務士試験に合格できるおすすめな勉強方法とテキストを詳しく解説しています。
「効果的な勉強の順番」で「スケジュール通りコツコツと勉強を進めていくこと」で必ず社労士合格に近づけます。
詳しくみていきましょう。
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社会保険労務士試験を一発合格するための3つの勉強方法
社会保険労務士試験に一発合格することは可能です。
令和6年度アガルートの通信講座を利用して社会保険労務士試験に合格した人のうち、社会保険労務士試験一発合格者は58.3%でした。
※令和6年度社会保険労務士試験合格者向けアンケート結果の社会保険労務士試験合格者の受験回数から引用
ここからは社会保険労務士試験を一発合格するための勉強方法をみていきましょう。
- 基本となる労働基準法から学習を始める
- 基礎となる科目⇒応用となる科目の順番に取り組む
- 社会保険に関する一般常識(社一)は最後に取り掛かる
基本となる労働基準法から学習を始める
まず、社労士試験の基本となる「労働基準法」から学習をスタートしましょう。
労働基準法は憲法のようなものであり、全ての労働科目の基本となります。
労働基準法の趣旨をしっかり理解することで、他の科目へスムーズに移れます。
「労働基準法」は、年次有給休暇、割増賃金、休憩時間・休日等社会人にとって比較的馴染みやすい内容になっているので、とりかかりやすい科目といえるでしょう。
「労働基準法」でまずは基礎を理解し、労働安全衛生法→労災保険法→雇用保険法→労働保険徴収法・・・と順番に理解を進めていくのが、社労士試験に合格する秘訣です。
労働科目を理解した後に「社会保険関係」の学習を始めましょう。社会保険関係の科目も、労働科目の労災や雇用保険に関連性を持っています。
全ての道はローマに通ずのように、全ての科目は労働基準法に通じます。
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基礎となる科目⇒応用となる科目の順番に取り組む
2つめのポイントは「基礎となる科目から応用となる科目」の順番に取り組むことです。
上でも少し述べましたが、法律同士関連性があるものが多いのです。
具体的には、ポイント①でも確認した通り「労働基準法」は全ての法律のベースであるため、全ての科目の基礎といえます。
他にも「労働保険徴収法」は「労災保険法」「雇用保険法」両者の徴収手続について定めた法律です。
そのため、「労災保険法」「雇用保険法」を先に学ぶべきだといえるでしょう。
また、社会保険科目では「健康保険法」が最も歴史のある法律であるため「厚生年金保険法」と「国民年金法」より先に勉強を始めるべきです。
そして、「国民年金法」と「厚生年金法」は年金制度とまさに同じ関係にあります。1階部分が「国民年金法」、2階部分が「厚生年金法」と例えられるように、この順番で勉強しましょう。
何事も基礎が大切です。
基礎となる科目をしっかり把握してから、応用となる科目に取り組んでください。
社会保険に関する一般常識(社一)は最後に取り掛かる
労働科目・社会保険科目の勉強が終了後「社一」にとりかかりましょう。
社一の出題範囲は非常に広く、社労士試験の中でも難関の科目です。社一の勉強法は、直近に公表された「厚生労働白書」を用います。
しかし、厚生労働白書は約500ページと膨大なボリュームなので、多くの受験生が苦戦します。
この膨大な量に対応するため、法律に関する勉強を一通り終えてから、社一の勉強を始めましょう。
これまで学んだ法律を復習しながら勉強することで、理解が進みやすくなるでしょう。
社労士試験に合格する為に効果的な科目ごとの勉強の順番
- 労働基準法
- 労働安全衛生法
- 労災保険法
- 雇用保険法
- 労働保険徴収法
- 労働に関する一般知識
- 健康保険法
- 国民年金法
- 厚生年金保険法
- 社会保険に関する一般常識
社労士試験は科目数が多く、試験範囲が極めて広いのが特徴です。
そのため、行き当たりばったりで勉強をはじめても、理解が進まず挫折してしまう危険性が高いのです。
社労士試験には法律がたくさん出題されますが、どれもが全く無関係な法律ではありません。
法律の中には「基礎・応用」の関係にあるものや、結びつきが強いものがあるもの、と学習する適切な順番があります。
つまり、社労士試験の勉強において、科目の順番は非常に重要で、順番を間違えると勉強が進まず、合格も難しくなってしまいます。
上記の適切な順番で勉強すると、スムーズに合格に近づけるでしょう。
社会保険労務士試験を独学で勉強するスケジュール
社労士試験は、毎年8月に試験が行われます。
社労士に合格するには一般的に「1000時間」もの勉強時間が必要といわれています。
社労士の膨大な試験範囲と合格レベルに達するには十分な学習期間を確保する必要があります。
9月から勉強を開始すると、試験本番までちょうど1年間です。
学習計画に沿い、きっちりと勉強スケジュールを進めていくことで、初学者でも無理なく合格を目指せます。
ここからは、現役講師が独学で社会保険労務士試験に合格した時の「モデルスケジュール」をご紹介します。市販の参考書・問題集などのテキストを使って独学で9月から勉強をスタートした場合のスケジュールになります。
※こちらで紹介するスケジュールはアガルートの社会保険労務士講座の配信スケジュールとは異なります。
配信スケジュールを確認したい方は「発送・配信スケジュール」をご確認ください。
9月(準備期間・各科目の概要理解)
まず「教材選び」からはじめます。市販のテキストや各予備校・通信講座から自分に合っている教材を探しましょう。
本格的なテキストに取り掛かる前に、初学者であれば社労士の「入門書」を読むのもおすすめです。
各科目の概要に目を通しておくことで、スムーズに学習が進みます。
10月(労働基準法・労働安全衛生法を学習)
全ての基礎となる「労働基準法」から学習をはじめます。労働基準法は、なじみのある内容ですが、出題内容が難しく多くの受験生が対策に苦労させられます。
「労働基準法」を学習するポイントは、以下の2つです。
- 規定の内容を正確に理解し、記憶する
- 頻出項目を意識する
判例は、実際の規定を土台として展開されます。そのため、実際の規定を理解するとこから始めましょう。
選択式でも規定の内容が出題されることが多いため、しっかりと記憶する必要があります。
労働基準法の範囲は広いのですが、毎年出題される箇所も大体決まっています。
具体的にいうと、次の箇所です。
- 総則
- 労働契約
- 賃金
- 労働時間・休憩・休日
- 年次有給休暇
- 就業規則
当然、上記の箇所以外も出題される可能性はあるため勉強が必要ですが、まずは「頻出項目」を抑えましょう。
「労働安全衛生法」は、暗記が中心の科目になります。労働安全衛生法は「選択式」を意識して学習してください。
選択式では、「労働基準法3問」「労働安全衛生法2問」のバランスで出題されます。
合格基準の「3点」を取るためには、労働安全衛生法はどうしても正解しなければなりません。
選択式を意識して、文脈を把握しながらテキストや過去問を読み込みましょう。
11月(労災保険法・雇用保険法を学習)
労災保険法の学習法は「過去問」がベースになってきます。
労災保険法は「得点源」となってくる科目であるため、過去問を繰り返し解きましょう。
社労士業務とも深く関わってくる科目ですので、実際に事故が起こった場合を想定しながら学習をすれば、理解が進みます。
雇用保法険は「基本手当」を理解することが大切です。
給付の仕組みを把握し、手続きの流れを意識して勉強してください。
給付の種類が多いだけでなく、日数などの細かい数字を記憶しなければならないため、苦手と感じる受験生も多いですが、基本事項が出題されやすい科目です。
基本を押さえると得点を稼ぎやすい科目ですので、得意科目にしましょう。
また、金額や給付日数は「法改正後の数字」を覚えるようにしてください。
【特別公開】社労士試験 雇用保険法(基本手当)の基礎を徹底解説!の動画もぜひご覧ください。
12月(労働保険徴収法・労働に関する一般知識を学習)
「労働保険徴収法」は数字が多く出てくるため、難しいように感じますが、過去問を焼き直した出題が多いです。
徴収の仕組みや方法をしっかり理解すると、得意科目にできます。
「過去問」をしっかり解くこと・計算問題に慣れることが、労働保険徴収法のポイントです。
労働に関する一般常識、通称「労一」は試験対策が非常に難しい科目です。
最近は各種統計資料から出題される傾向にあります。
多くの受験生が苦手とする科目ですので、高得点を目指すのではなく「他の人が答えられる出題を自分も取りこぼさい」という姿勢で学習してください。
1月~2月(健康保険法・国民年金法を学習)
「健康保険法」は年金よりも得点を稼ぎやすく、出題内容も基本的な事項が多くなっています。
過去問を焼き直した問題も多いので、過去問対策を中心にすすめましょう。保険料や療養費の計算問題も出題されるため、数字もしっかりと暗記しましょう。
「国民年金法」は制度自体が複雑なので、理解するまでに時間がかかってしまいます。
年金制度の詳細まで理解しようとすると時間がかかるので、まずはテキストの基本事項を一つ一つ覚えていきましょう。
知識を付けた後、過去問や問題演習で実践をつむことで、十分に対応できる科目です。
国民年金を正確に理解することが、次の「厚生年金保険法」を学習する上で重要になってきます。じっくりと腰を据えて学習してください。
2月~3月(厚生年金保険法・社会保険に関する一般常識を学習)
国民年金法の勉強を終えたら「厚生年金保険法」にとりかかりましょう。
国民年金法との「違い」を意識しながら学習するのがポイントです。国民年金法にはない厚生年金保険法独自の給付を理解してください。
また、厚生年金保険法は社会の変化に伴い、頻繁に法改正が行われてきた制度です。複雑な法律内容には必ず背景事情が存在します。
その背景を理解しながら、問題演習を進めていくと、合格基準点を狙えるでしょう。
最後に「社会保険に関する一般常識」対策です。
通称、社一は「社会保障」と「法令」の2つの分野に分かれています。
「法令」の種類は多いのですが「労一」と比べると比較的得点を取りやすいといえます。
社会保障分野は対策が非常に難しいので「広く浅く」あくまでも高得点ではなく「合格基準点」を狙いにいきましょう。
4月(国民年金法・厚生年金保険法の復習)
テキスト一回転目が終了したら、年金科目を再度勉強しましょう。
国民年金法と厚生年金保険法は、1回の学習だけでは理解しにくいためです。
年金科目は複雑な給付制度と膨大な出題範囲で理解が進みにくい科目なので、重点的に勉強する必要があります。
5月GW(社会保険科目の復習)
GW期間を活用し、社会保険科目の総復習を行います。
もしGWに休みが取れないようであれば、どこかを前倒しして時間を作りましょう。
後回しにしてしまうとスケジュールがずれ込んでいってしまうため、必ず前倒しにする必要があります。
5月GW明け~7月末(総復習・直前対策)
テキストや過去問を5~6回まわし、知識を定着させていく期間です。
知識の8割定着を目指しましょう。
また、この期間に直前対策も並行して行います。
横断整理や法改正、白書、選択式、模試などです。
特に「模擬試験」を一度は受けておきましょう。
試験本番は緊張しますし、試験時間が長いため、普段通りのパフォーマンスを発揮するのは簡単ではありません。
模擬試験で一度「試験」を体験し、本番にしっかり臨めるよう対策しておきましょう。
8月(弱点の克服)
試験まで残り僅かとなります。
社労士試験は、1科目でも合格基準点に満たないと、不合格になってしまいます。
そのため、最後の2週間は弱点を克服できるよう、自分の苦手な箇所を重点的に復習しておきましょう。
また、併せて法改正情報にも目を通しておかなければなりません。
休暇を5~10日ほど確保し、しっかりと知識を詰め込みましょう。
社会保険労務士試験における科目ごとの勉強方法
勉強するスケジュールについてお伝えしましたが、初めて学習される方にとってはそれぞれの科目がどういうものなのか理解できていない人も多いかと思います。
そこでここでは、社会保険労務士試験の科目ごとの学習方法を端的にわかりやすく説明していきましょう。
労働基準法
通達・判例からの出題、条文についての出題が多い分野です。
暗記ではなく条文の内容をよく理解しましょう。
労働安全衛生法
配点は低めなのですが、出題範囲が広く暗記色の強い、厄介な科目です。
出題頻度の高い分野を集中学習して、全体の足をひっぱらない程度の得点を狙って下さい。
ただし選択式では重要度が増しますので、選択式を意識しながら学習しましょう。
労災保険法
労働者のケガや病気など保険給付に関する出題が中心であり、基本的には過去問題集を繰り返すことで得点源となる科目です。
事故が起こった際の対応についてしっかりとイメージしながら学習すれば、理解が進んでいきます。
ただし最近は法的センスが問われるような問題も出題されるため、注意が必要です。
雇用保険法
雇用保険の給付の仕組みの全体像を理解し、給付手続の流れを意識しながら学習することが重要です。
給付の種類がとにかく多いので、一つ一つ丁寧に内容を理解し、その上で給付日数や金額などの具体的な数値を法改正後の最新の数字で暗記していきましょう。
また近年は高齢者の労働雇用も増えており、出題もその点にウエイトが置かれるようになってきています。
労働保険徴収法
徴収の仕組みや方法を理解した上で、計算問題に慣れることが重要です。
数字がよく出てくるので、アレルギーを持たないように学習を進めていくことが大切です。
試験でよく出題される「年度更新」は、社会保険労務士になったら毎年必ず行わなければならない主要な業務ですので、合格後も見据えてしっかりマスターしておきましょう。
労働に関する一般常識(労一)
内容は「労働関係法令」「労働経済」「人事労務管理」の3つに分かれており、最近は特に各種統計資料からの出題が多くなっています。
高得点を狙うよりも労務管理用語や法令など、比較的対処しやすい出題を取りこぼさないという姿勢で学習するのがよいでしょう。
健康保険法
今までは基礎的な部分を問われることが多く、内容も年金に比べて平易で得点源にできる科目だったのですが、最近は事例問題なども出現するようになっており、難化傾向にあります。
保険料や療養費の計算問題も含めて全般的にバランスよく出題されていますので、穴を作らないように学習しましょう。
国民年金法
年金法はたびたび改正がなされており、基本的な事項にさまざまな「例外部分」が付いているため、理解するまでに時間がかかる科目です。
しかもかなり細かい分野からの出題がなされ、また、計算問題も出題されるため、なかなか高得点をとるのは難しい科目です。
厚生年金保険法とも比較しながら腰を据えてじっくりと取り組みましょう。
厚生年金保険法
国民年金法や健康保険法とよく似た法律なので、違いを意識しながら理解していくと効率的です。
国民年金にはない厚生年金独自の給付について押さえておくことがポイントになります。
健康保険法・国民年金法が曖昧なまま手を付けると混乱して余計に分からなくなりますので、しっかりとマスターしてから始めるのがよいでしょう。
社会保険に関する一般常識(社一)
法令と社会保障の2つの分野に分かれます。
法令分野では介護保険法・国民健康保険法・児童手当法・社会保険労務士法・確定拠出年金法など、幅広い法令から出題されますが、聞かれる内容は基本的なことも多いので、得点源にしておきたい分野です。
一方、社会保障の分野は現代社会や政治経済で学ぶような、まさに一般常識といえるような問題が出題されますので、対策がしにくい分野です。
そのため、法令を中心に学習しましょう。
まとめ
この記事では社労士試験の効果的な勉強の順番・具体的な勉強モデルスケジュールをご紹介しました。
社労士試験は出題範囲が広く難しいのですが、コツコツと勉強を継続すれば必ず合格できる資格です。
しかし、日々の仕事や家事・育児等忙しく思うようにスケジュールが実際は進まないものです。
通信講座を利用すれば自分でスケジュールを立てる必要もなく、効果的な順番で学習が進められます。
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独学で学習するよりも非常に効率的といえるでしょう。
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アンケート概要 | 社会保険労務士試験合格者のアンケート |
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調査期間 | 2024年10月2日~2024年10月31日 |
調査機関 | 自社調査 |
調査方法 | アガルートアカデミー内でのアンケート調査 |
調査対象 | アガルートの講座を利用して令和6年度社会保険労務士試験に合格したユーザー |
有効回答数(※) | 72 |
調査対象地域 | 日本国内 |
アンケート回答者の属性
年代 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代以上 |
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割合 | 19.4% | 38.9% | 29.2% | 11.1% | 1.4% |
社会保険労務士試験合格者の受験回数
受験回数 | 過去の受験歴含めた受験回数 | アガルートの講座を利用してからの受験回数 |
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1回目 | 20.8% | 58.3% |
2回目 | 34.7% | 26.4% |
3回目 | 22.2% | 13.9% |
4回目 | 9.7% | 1.4% |
5回目以上 | 12.5% | 0% |
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