「いきなり社労士試験はちょっとハードルが高い」「社労士の資格取得を目指して年金の勉強をしたい」といった悩みをお持ちではないでしょうか?

年金アドバイザーは民間資格で、金融機関などでは取得が義務付けられている会社もあります。

社労士試験の試験項目の中でも、年金は複雑で苦手意識をもつ方も少なくありません。

このコラムでは、将来的に社労士試験を目指している方向けに年金アドバイザーの資格取得について分かりやすく解説します。

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年金アドバイザーとは

年金アドバイザーとは、銀行業務検定協会が実施する民間資格で、個人や法人に対して年金に関する専門知識やアドバイスを行う専門家です。

主な受験者層は、銀行などの金融機関で働く方ですが、社労士やファイナンシャルプランナーを目指す方にもおすすめの資格です。

難易度は2級が最も難しく、3級、4級の順で易しくなります。社労士試験を目指し年金の知識をつけたいという場合は、まずは3級の受験をおすすめします。

3級の試験は年に2回、2級と4級の試験は、年に1回のペースで実施されています。

年金アドバイザーと社会保険労務士の違いは?

ここからは、年金アドバイザーと社労士の違いについて説明します。

年金アドバイザーと社労士はどちらも年金に関わる資格です。

しかし、年金アドバイザーと社労士では、業務内容、合格後の独占業務の有無など大きく異なります。

年金アドバイザー3級に合格するために必要となる知識は社労士試験における年金科目の基礎となる知識と同じくらいのレベルと言われています。

社労士の業務は、年金相談以外にも、労働保険、社会保険に関する手続きの代行や、労務管理に関する帳簿の整備など多肢に及びます。

社労士には独占業務があり、独立開業を目指すことも可能です。一方で、年金アドバイザーは銀行などの金融機関での年金相談業務のスキルを高めることを目的とした資格です。

年金相談は社労士の業務範囲のごく一部となるため、年金アドバイザーと社労士では資格の難易度や出題範囲も異なります。

項目年金アドバイザ―社労士
資格の種類民間資格国家資格
業務の範囲銀行など金融機関での年金相談業務 年金相談以外にも労働社会保険手続き代行など多岐に及ぶ
独占業務独占業務は無い労働保険、社会保険手続きの代行などの独占業務がある
合格率約35%(3級)5~7パーセント

年金アドバイザーを受験するメリット・デメリット

ここからは、将来的に社会保険労務士を目指している人が年金アドバイザーの資格取得をするメリットとデメリットについて説明します。

年金アドバイザーを受験するメリット

  1. 年金の知識を高められる
  2. 社労士受験の際の自信がつく
  3. 年金相談の実務の力がつく

年金アドバイザーを受験するデメリット

  1. 年金アドバイザーだけでは独立できない
  2. 社労士試験と出題の傾向が違う

下記より詳しく解説していきます。

メリット①年金の知識を高められる

 年金アドバイザーを取得するメリットの一つ目は、年金の知識を高めることができる点です。

社労士試験は労働法、労働保険、社会保険と出題範囲が広いですが、中でも年金科目は複雑で苦手意識を持つ人も少なくありません。

いきなり、社労士の年金科目の学習から始めると挫折してしまう人もいるため、まずは、年金アドバイザーの資格の勉強することで年金の基礎知識を付けたうえで社労士の年金科目の学習をすることでスムーズに学習を進めることが可能です。

メリット②社労士受験の際の自信がつく

 社労士試験では科目ごとに合格基準点があり、苦手科目をつくってしまうと社労士試験の合格は難しくなります。

年金アドバイザーの3級に合格するために必要な知識は、社労士の年金科目の基礎と同じくらいのレベルと言われています。

年金アドバイザーの資格に合格することができれば、社労士試験を受験する際の年金科目への自信にもつながります。

メリット③年金相談の実務の力がつく

年金アドバイザーの資格は、銀行などの金融機関での年金相談業務のスキルを高めることを目的とした資格です。

年金アドバイザーの資格を取得することで、社労士試験合格後、年金事務所などでの年金相談業務の実務でも活かせる実践的な知識を身に着けることが可能です。

デメリット①年金アドバイザーだけでは独立できない

 年金アドバイザーは民間資格で、銀行などの金融機関で働く人の年金相談業務のスキルを高めることを目的とした資格です。

金融機関で働く人にとっては、キャリアアップや昇給などのメリットがありますが、それ以外の人にとっては、年金アドバイザーの資格を取得することでの直接的なメリットは少ないと言えます。

デメリット②社労士試験と出題の傾向が違う

 年金アドバイザーの資格取得は、年金の基礎知識を学ぶために効果的ですが、社労士試験と年金アドバイザーとでは出題の傾向が違うことには注意が必要です。

年金相談業務への対応も目的とする年金アドバイザーと、相談業務だけでなく申請代行業務を行う社労士とでは必要となる知識も異なります。

年金アドバイザーの資格を取得すれば社労士の年金科目は大丈夫というものではなく、あくまでも、社労士試験における年金科目の基礎を学ぶという意識で臨むとよいでしょう。

【級別】年金アドバイザーの難易度と向いている人

ここからは、年金アドバイザーの各級の簡単な概要(目的・対象者、レベルなど)と向いている人(その級がおすすめな人)について解説します。

年金アドバイザーには2級、3級、4級の3つがありますが、これから社労士試験を目指すひとにおすすめなのは3級の取得です。

2級

【目的】
金融機関で働く年金専担者の方を主な対象に、年金や公的保険に関する相談業務や社内研修に必要となる実践的な専門知識の習得を目指す

【対象者】
年金専担者等

【合格率】
26.37%

【難易度】
高い

【出題形式】
記述式

【向いている人】
社労士やFPの資格を持っている人

3級

【目的】
金融機関で働く渉外・窓口担当の方を主な対象に、年金相談業務で必要となる年金の基本的な知識と実践力の習得を目指す

【対象者】
渉外・窓口の担当者等

【合格率】
35.61%

【難易度】
中程度

【出題形式】
択一式

【向いている人】
社労士やファイナンシャルプランナーの資格取得を目指す人

4級

【目的】
金融機関で働く渉外・窓口担当の方を主な対象に、年金相談業務で必要となる最低限度の基本的知識の習得を目指す。

【対象者】
渉外・窓口の担当者等

【合格率】
60.07%

【難易度】
低い

【出題形式】
択一式

【向いている人】
年金の知識を身に着けたい人

まとめ

今回は、社労士試験を目指す方向けに、年金アドバイザーの資格について紹介しました。

社労士の試験科目の中でも年金科目は苦手意識をもつ人が少なくありません。

年金アドバイザーの資格は、年金相談の実務のレベル向上を目的とする資格であるため、より実践的な内容を学べることもメリットの一つです。

年金科目の勉強が不安という方は、年金アドバイザーの資格取得から年金の勉強を始めることで、学習をスムーズに進めることができるでしょう。

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