【社労士 実務家インタビュー】伏屋社会保険労務士事務所 加藤 大輝 様
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今回は、伏屋社会保険労務士事務所 副所長の加藤大輝様にインタビューを行いました。
社労士業務の内容やスケジュール、独立開業までの経緯など詳しくご回答いただいています。
これから社労士を目指す方は、ぜひ参考になさってください。
目次
なぜ資格を取得しようと思ったのですか?
人事労務の分野に興味を持ち、調べていくうちに社会保険労務士という仕事があることを知ったことがきっかけです。
前職は大学院で専攻していた化学生物工学の知識を活かして、某製造メーカーの研究開発部門に勤めていました。
4年勤めたのですが、その間に様々な人間関係の悩みで同期や周りの先輩方が退職する事案を目の当たりにしました。能力のある人たちが働きたい会社で思うような働きができずに退職してしまう状況で、悩みを聴くことぐらいしかできない自分にもどかしさを感じていました。
そのような中で、人事労務の専門家である「社会保険労務士」という存在があることを知り、企業の職場活性化のための人事労務のスペシャリストの仕事を私もやってみたいと思うようになりました。
主にどのような業務をされているのですか?

顧問先様からの労務相談対応、労働基準法や労働契約法に関する基本的なご相談対応や就業規則の作成・改定など多岐にわたります。
たとえばハラスメント事案が顧問先で発生した場合は、被害者・加害者・第三者のヒヤリングを代行し、その結果によっては懲罰委員会で意見を述べたり、ハラスメント研修を実施することもあります。
また、昨今では企業の賃上げが進んでおり、昇給、賞与に関するご相談対応や、人事制度全般、賃金体系や評価制度の設計、見直しの依頼も急増しております。
企業の人材育成への取り組みの風潮の高まりもあって、前述のハラスメント研修の他、管理者研修などの各種階層別研修、労務管理研修など幅広く研修のご依頼も多く、人事労務の何でも屋として奔走している毎日です。
【主なコンサルティング】
1.従業員に対するカウンセリングとその報告、及び課題に対する提案
2.賃金体系の作成
3.人事評価制度の作成
4.目標管理制度の実施
5.役割責任等級制度導入指導
6.各種規程の整備
7.評価者訓練と面接訓練の実施
8.管理・監督者研修の実施
9.新入社員研修
10.エルダー研修
11.中堅社員研修
12.組織の点検及び見直しコンサルティング
13.安全衛生コンサルティング(安全大会等での講演、研修、職場巡視点検、衛生委員会指導、役所調査対応、ストレスチェック対策等)
14.QC活動の指導
1日の簡単なスケジュールを教えて下さい
コンサルティングは午前に1件、午後に2件対応がスタンダードです。
7:00 | 出勤 顧問先様とのメールでのご相談対応、所内連絡、管理者らとの打ち合わせ、コンサルティング資料作成などの自身の時間 |
9:00 | A社訪問 就業規則の打ち合わせ1時間30分 |
12:00 | 昼食 |
13:00 | B社訪問 ハラスメント研修2時間 |
15:30 | C社訪問 人事制度設計の打ち合わせ2時間 |
18:00 | 所内帰所 メール・電話対応、所内打合せ、翌日以降の資料作成など |
20:00 | 帰宅 |
仕事の魅力ややりがいを感じる時を教えて下さい
私たちの関わりによって企業の労務問題が解決したとき。
本当は問題が解決しただけではなく、再発防止、問題が起きない職場環境作りが大切であり、そのために一歩ずつ顧問先様とコンサルティングを進め、やがて定着率が改善されたり、労務環境が良くなった場合はうれしいですね。
あとは、労務の分野は経営の中でも今特に注目されている分野だと思います。その専門家として、労務の最前線として常に新しい学びがあることは継続的なやりがいに繋がっています。
印象に残っている仕事・案件のエピソードがあれば教えて下さい
ある顧問先の経営理念の策定に関わりました。
社長の代替わりのタイミングで見直したいという新社長のご要望から始まり、もちろん最終決定は社長ですが、その社長の意向を踏まえ、全社員へのヒヤリングや理念研修の実施をして、企業全体での一体感づくりの一助をしました。
社長ら役員や従業員たちとも親しくなり、まさに社労士が人事労務のスペシャリストとして、企業と一緒に労務環境整備をサポートする醍醐味を感じました。
今後の展望等がありましたら教えて下さい

ありがたいことに労務コンサルティングの分野に関しては、年々受託できないほどの依頼を受けております。1社でも多くの中小企業のご要望に対応していくために、当所も人員確保、人材育成が急務となっております。
まさに顧問先に展開している人材育成のノウハウを活かして、職員の育成と待遇改善、そして職場環境の整備を一層進め、「労務相談なら伏屋事務所」と言われる事務所を目指し、さらなる労務コンサルティングの充実化を図っていきます。
社会保険労務士に向いている、活躍できるのはどのような方だと思いますか?
企業全体を見るコンサルティングの仕事なので、俯瞰して物事を見ることができる視点の広さは重要です。最初から身に着くものではないです。
資格を取得すればすぐできることでもない、経験職の部分ですので、そういう意味では継続してこの世界で頑張っていくんだという熱意があれば、やがて活躍できる可能性は誰でもあるのではないでしょうか。
これから資格取得を目指している方へメッセージをお願いします
社会保険労務士は人事労務のスペシャリストとして、これからますますと活躍の場が広がっていきます。
それはDX化やAIが進んだとしても、最終的にはそれを操るのが人であり、企業には多くの人が関わっている以上、労務の問題は決してなくならないからです。
手続き業務は形がありDX化が進んでいますが、労務コンサルティングは正解がなく終わりはありません。
決して陳腐化しない資格の一つですので、簡単ではないですがぜひ取得を目指して頑張ってください。

この記事の著者 伏屋社会保険労務士事務所 副所長 加藤 大輝
また、岐阜県経営者協会や岐阜県中小企業団体中央会、その他多数の団体および民間企業で講演を行っている。
昭和58年岐阜市生まれ
名古屋大学工学部 化学生物工学科 卒業
同大学大学院 工学研究科 化学生物工学専攻 修了
平成24年 伏屋社会保険労務士事務所 入所
令和5年 伏屋社会保険労務士事務所 副所長 就任
(株)中部人材育成センター 代表取締役 就任
【公職など】
令和元年~ 一般社団法人全国労働保険事務組合連合会岐阜支部 理事
令和3年~ 岐阜県社会保険労務士会 理事 総務委員長
令和4年~ 岐阜県民共済生活協同組合 監事