社労士合格後の登録や講習の流れ・必要な費用と書類についても解説!
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社労士試験の受験勉強中は合格が目標だった人も、いざ合格してみるとせっかく取得した社労士資格をどのように活かしていけばよいかと考えている人もいるのではないでしょうか。
社労士試験に合格しただけでは、社会保険労務士と名乗ることはできず、登録することで初めて社会保険労務士としての活動を始めることが可能となります。
この記事では、社労士登録することのメリットと具体的な登録方法についてわかりやすく説明します。
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【種類別】社会保険労務士の登録料
ここからは社会保険労務士登録に必要な登録費用について説明します。
社会保険労務士登録の登録料は、東京の場合約72,000円~約146,000円必要になります。
社労士の登録費用は、各都道府県の社労士会によって異なるため留意しましょう。社会保険労務士資格を維持するための維持費(年会費)も必要になります。
社労士の年会費・維持費は、東京の場合、開業登録は96,000円、勤務等登録は42,000円必要です。
項目 | 開業登録 | 勤務等登録 | |
事務指定講習費用 ※ | 77,000円 | 77,000円 | |
連合会加入 | 登録手数料 | 30,000円 | 30,000円 |
登録免許税 | 30,000円 | 30,000円 | |
社労士会加入 (東京都の場合) |
入会金 | 50,000円 | 30,000円 |
年会費 | 96,000円 | 42,000円 | |
合計 | 283,000円 | 209,000円 |
※「事務指定講習費用」は2年間の実務経験がある方で、事務指定講習を受講しない方は不要です
※上記金額はあくまでも目安としてお考え下さい。
社労士登録に必要な費用には以下の3つがあります。
1.事務指定講習費用
2.連合会加入の登録手数料、登録免許税
3.社労士会加入の入会金、年会費
以下、それぞれ説明します。
1.事務指定講習費用
2年間の実務経験での登録要件を満たせない場合は事務指定講習を受講する必要があります。
事務指定講習の受講料は77,000円(税込)です。
2.連合会加入の登録手数料、登録免許税
全国社会保険労務士連合会に加入するためには登録手数料、登録免許税を支払う必要があります。
開業登録の場合も勤務等登録の場合も、登録手数料、登録免許税は全国一律でそれぞれ3万円です。
これら登録手数料、登録免許税は都道府県社会保険労務士会の入会費・年会費とは異なり、全国共通の費用です。
これらは初回の登録時にのみ必要な費用です。
3.社労士会加入の入会金、年会費
社労士会加入の入会金、年会費は、開業登録の場合と勤務等登録の場合では異なります。
また、登録する都道府県によっても費用は異なります。
東京都社会保険労務士会の場合の社労士登録にかかる費用は以下となります。
種類 | 入会金 | 年会費 | 合計 |
---|---|---|---|
開業登録 | 50,000円 | 96,000円 | 146,000円 |
勤務等登録 | 30,000円 | 42,000円 | 72,000円 |
社労士になるには登録が必要
まず、社労士試験に合格しただけでは社労士として働くことはできません。
あくまで、社労士試験に合格したことで得られるのは「社労士としての登録を受ける資格」であり、実際に社労士として働くためには「社労士としての登録」をしなければなりません。
社労士試験に合格しただけでは、社会保険労務士を名乗ることはできず、社労士として業務を行うことはできません。
登録しないで社労士の独占業務を行った場合は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があるため注意しましょう。
社労士として登録する5つのメリット
社労士登録することのメリットには以下の5つがあります。
1.社労士と名乗ることができる
一つめは社労士と名乗ることができるという点です。
社労士試験に合格するとだれかに伝えたくなりますが、社労士登録していない状態では名刺に社会保険労務士と記載することもできません。
あくまで社労士試験の合格者であり、社労士ではありません。
2.社労士の独占業務を行うことができる
社労士登録の大きなメリットの一つは独占業務を行うことができるようになるという点です。
法律で守られた社労士にしかできない業務は、社労士登録しなければ行うことができません。
社労士でなくても、従業員として雇用されている会社の手続きを行うことは可能ですが、これは、社労士試験に合格していない人も同様です。
3.県会に登録することで、研修や法改正情報を得ることができる
労働法、社会保険分野は法改正が多く、最新の情報のインプットをし続けない限り、社労士試験の受験勉強で学んだ知識もすぐに古くなってしまいます。
社労士登録をし社会保険労務士県会に所属することで重要な法改正情報や実務に関する様々な研修を受けることが可能となります。
4.社労士としてのキャリアをスタートすることができる
社労士としてのキャリアは登録した時からスタートします。
開業10年目の人と開業1年目の人、社労士でない人とでは信頼の得られやすさが全く異なります。
いつかタイミングが来たら登録しようと考えている人も、将来社労士として働く気持ちが本当にあるのであれば、すぐに登録することをおすすめします。
5.人脈づくりができる
社労士登録を行うと、県会の定例会議や研修などで先輩社労士の方とのつながりも生まれます。
始めは勤務登録やその他登録を行っていた人であっても、実際に開業して活躍している人と関わり刺激を受ける中で独立開業を目指す人も少なくありません。
同じ社労士であっても働き方や業務内容は様々なので、いろんな人と出会うことでロールモデルとなる人を見つけるのもよいでしょう。
6.仕事の紹介がもらえる
社労士県会に登録すると、研修の講師の仕事や窓口での労働相談の業務などの仕事の募集が定期的に行われます。
実際に社労士として働くことは、スキルアップにつながるだけでなく、社労士として働くことの大きな喜びを感じることが可能です。
社労士登録申請に必要な条件
社労士試験に合格後、社労士登録するためには、以下二つの内いずれかの要件を満たす必要があります。
1.2年以上の労働社会保険諸法令に関する実務経験があること
2.事務指定講習を履修すること
1.2年以上の労働社会保険諸法令に関する実務経験があること
①2年以上の労働社会保険諸法令に関する実務経験については、労働社会保険諸法令で定める特定の事務経験を2年以上経験している必要があります。
特定の事務の具体例は以下となります。
・雇用保険、健康保険、厚生年金保険の被保険者資格取得届・喪失届に関する事務
・労働保険の概算・確定保険料の申告・納付に関する事務
・就業規則(変更)届に関する事務
・時間外労働・休日労働に関する協定届の作成
・労働者名簿の調製
上記以外にも「2年以上の労働社会保険諸法令に関する実務経験」に該当する場合があるため、実務経験に該当するかの確認をしたい場合は、都道府県社会保険労務士会又は全国社会保険労務士連合会に問い合わせてみましょう。
2.事務指定講習を履修すること
一方で、2年以上の労働社会保険諸法令に関する実務経験が無い場合は、②事務指定講習を履修することで登録要件を満たすことができます。
事務指定講習は、
1.①通信指導課程(4月間)
2.②面接指導課程(4日間)
の2種類で構成されています。
社労士試験で学ぶ知識と、実際の実務で必要となる知識は全く異なります。
事務指定講習では実際の実務で必要となる具体的な知識を学びます。
実務経験ゼロの人であっても、事務指定講習を履修することで、社労士業務の基本スキルを学べます。
事務指定講習では、会社設立時の新規適用手続きや入社・退職が発生した際の手続き、労働災害が発生した場合の手続きなど、重要な手続きの対応方法を身に着けることが可能です。
最近は電子申請が普及しており、民間の電子申請システムを活用する場合は、申請方法はシステム会社ごとに異なりますが、基本となる、紙の申請書の記載方法を知っていればどの民間の電子申請システムの申請でも対応が可能となります。
事務指定講習を受講する際は、退屈に感じる方もいらっしゃいますが、基本となる手続き内容を押さえ、記載方法や添付書類を押さえておくことは社労士として業務を行う上で必ず役に立ちます。
単なる申請書の作成では物足りないという方は、もし自分が顧問先様の手続きを受けることになった際は、どのように申請に必要な情報や書類を回収し、手続き完了後はどのように顧問先様に公文書を共有するのかというところまで想像しながら講習を受けると学びが深まるでしょう。
社会保険労務士登録の種類
ここからは社会保険労務士登録の種類について説明します。
社労士登録の種類には以下の3つがあります。
希望する働き方に合わせて、登録方法を選択することが重要です。
1.開業登録
2.勤務登録
3.その他登録
以下、順番に説明します。
1.開業登録
社労士登録の種類の一つ目は開業登録です。
開業登録は名前の通り、独立開業して事務所を設置する際の登録方法です。
社労士として働くことをイメージする際に一番イメージしやすいのが開業登録です。
開業登録の場合は事務所を設置することで、様々な事業所からの依頼に対して社労士業務を行うことが可能となります。
自身で直接事業所様との契約を結んで業務を行いたい場合は①開業登録を行いましょう。
2.勤務登録
社労士登録の種類の一つ目は勤務登録です。勤務登録は社労士独特の登録方法です。
勤務登録の場合は、社労士事務所や民間会社の勤務社労士として登録を行います。
社労士事務所の勤務社労士の場合は、所属する社労士事務所と別に事業所と契約を行い業務を行うことはできず、民間会社の勤務社労士の場合は所属する会社以外の事業所との間で社労士業務を行うことはできません。
自身で直接契約を結ぶことはなく、所属する組織内の業務のみを行いたい場合は勤務登録を選ぶとよいでしょう。
3.その他登録
社労士登録の種類の三つ目はその他登録です。その他登録も社労士独特の登録方法です。
その他登録の場合は、社労士業務を行うことができないのが特長です。
その他登録を行うことのメリットとしては、社会保険労務士県会に所属することで、研修や法改正情報の取得ができること、人脈づくりが可能となるという点があります。
現在は社労士業務を行う気はないが将来のために備えておきたいという人は③その他登録を検討すると良いでしょう。
社会保険労務士登録するために準備する書類
ここからは、社会保険労務士登録するために準備する書類について説明します。
登録に必要な書類は各都道府県によって変わる可能性があるため事前に登録予定の社労士都道府県会に確認をするようにしましょう。
社会保険労務士登録の際は、開業の準備や転職の準備など忙しい状況の中で登録手続きを行うケースも少なくありません。準備する書類を確認し早めの準備を心がけましょう
社会保険労務士登録する際に必要な主な書類は以下の6つです。
① | 社会保険労務士登録申請書(様式第1号) |
② | 社会保険労務士試験合格証書の写し |
③ | 従事期間証明書(様式第8号)又は事務指定講習修了証の写し |
④ | 住民票の写し |
⑤ | 写真票 |
⑥ | a~dのいずれか1つ【コピー不可】 a)戸籍抄本 b)個人事項証明書 c)改製原戸籍 d)住民票の写し【旧氏(通称)の記載のあるもの】 |
※出典:社労士の登録申請について|全国社会保険労務士会連合会
①社会保険労務士登録申請書(様式第1号)については、開業登録の場合は、事務所名を考えておく必要があります。
苗字を事務所名に設定する方も多いですが、最近では、経営理念等を反映させた事務所名にする方も増えています。事務所名はしっかりと考える時間をもつことをおすすめします。
⑤写真表についても、開業準備等で忙しい場合は、顔色の悪い写真しか準備できなかったという場合もあります。
社労士証票には顔写真がついているため、お気に入りの写真を準備するようにしましょう。
社会保険労務士登録申請の流れ
ここからは、社会保険労務士登録申請の流れについて説明します。
登録の流れについては都道府県社会保険労務士会ごとに異なる可能性があります。
社会保険労務士登録申請についての不明点などは、都道府県社会保険労務士会に確認するようにしましょう。
社会保険労務士登録申請の基本的な流れは以下となります。
1.入会予定の都道府県社会保険労務士会に登録申請書類の提出
2.申請者から登録申請書類が提出されると、都道府県社会保険労務士会にて受付、審査
3.全国社会保険労務士連合会での審査が行われ、社会保険労務士名簿、社会保険労務士証票の作成
4.登録完了後2週間程度で申請者に証票が発行
登録の有効期限・更新について
社労士登録の期限はありません。
一度社労士に合格すれば、いつでも社労士登録をすることができます。
そのため、焦って登録をするという必要もありません。
また、社労士に更新の必要はありません。
もっとも、社労士登録を抹消した場合は、再登録の手続が必要となります。
この社労士の再登録についても無期限でいつでも再登録できますが、連合会の登録費用と社労士会の入会費が再度必要となります。
そのため、一旦社労士業務を休業する場合にも社労士登録を抹消するのではなく、勤務等登録(特に「その他」登録)にしておく方が良い場合もあります。
さらに、社労士の資格には更新がないため、もちろん更新料もありません。
しかし、各都道府県の社労士会が定める年会費は2年目以降であっても毎年支払う必要があります。
そのため、所属する社労士会毎に年会費は異なるので、自分の所属する社労士会の年会費はいくらなのか把握しておくことが大切です。
※関連コラム「社労士とは?仕事内容をわかりやすく解説!」
社会保険労務士登録時によくある質問
ここからは、社会保険労務士登録時によくある質問について説明します。
・登録関係書類の入手方法は?
社労士試験の合格者には、全国社会保険労務士連合会より登録申請書一式が郵送されてきます。
なお、登録関係書類は入会予定の都道府県社会保険労務士会によって異なる可能性があります。
したがって、入会予定の都道府県社会保険労務士会に確認するようにしましょう。
・登録に期限はあるのか?
社会保険労務士試験合格後、登録申請までの有効期限はありません。
したがって、希望するタイミングでいつでも登録申請を行うことが可能です。
事務指定講習や従事期間証明書についても同様です。
・入会及び手続きのタイミングは?
入会及び手続きのタイミングについては、毎月25日までに都道府県社会保険労務士会で受付された場合は、翌月1日付での登録となります。
なお、都道府県社会保険労務士会によっては、15日付での登録を行っているケースもあるため事前に確認するようにしましょう。
入会及び手続きのタイミングについての問合せ先は都道府県社会保険労務士会になります。
・入会金・年会費の納付方法は?
都道府県社会保険労務士会ごとに、入会金・年会費の金額や納付方法は異なります。
したがって、入会金・年会費の納付方法の詳細については入会を予定する都道府県社会保険労務士会への確認をお願いいたします。
・登録抹消後に再登録はできる?
登録抹消の場合も社会保険労務士となる資格を失うことはありません。
再登録はいつでも可能です。
・登録に更新は必要?
入会手続き後は、更新の手続きは不要です。
まとめ
社労士として働くうえでは社労士試験に合格するだけではなく、社労士登録が必要であるということがわかりました。
また、初回登録の上ではある程度のまとまった費用も必要であるということは留意しておきたいポイントです。
今回のコラムがみなさんの社労士として働くまでのプランニングの参考になりましたら幸いです。
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