社会保険労務士とFPのダブルライセンスを目指す3つのメリット!難易度の違いを解説
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社会保険労務士(社労士)のダブルライセンスとして相性がいい資格のひとつにFP(ファイナンシャルプランナー)があります。
このコラムでは、社会保険労務士とFPを比較し、難易度、ダブルライセンスのメリットについて解説します。
・ダブルライセンスのメリット
・ダブルライセンスを目指す場合の理想の取り方
・社会保険労務士とFPの難易度の違い
このコラムを見て、ぜひ自分にあった資格取得を目指しましょう。
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社会保険労務士とFPのダブルライセンスを目指す3つのメリット
社会保険労務士とFPは全く別の分野で目指す人も違うと思うかもしれません。
しかし、両者を取得し、ダブルライセンスを得ることで相乗効果が生じ、メリットが生まれます。
- 社会保険労務士試験とFP試験の試験範囲が重なる部分がある
- 市場価値が上がり他の社会保険労務士・FPと差別化ができる
- 専門知識を得ることで総合的なアドバイスができる
社会保険労務士試験とFP試験の試験範囲が重なる部分がある
社会保険労務士試験とFP試験の学科試験では、試験内容の「ライフプランニングと資金計画」分野で共通する部分があります。
そのため、試験範囲が全く重ならない試験を新たに勉強する場合より勉強する範囲が狭くなり、合格が比較的容易になりやすいです。
市場価値が上がり他の社会保険労務士・FPと差別化ができる
社会保険労務士資格、ファイナンシャルプランナー資格、どちらかを持っている人はいますが、両方の資格を持っている人は多くありません。
ダブルライセンスを持つと、「社会保険に強いFP」或いは「資産運用に詳しい社会保険労務士」として専門分野を持つことができ、他のFPや社会保険労務士と差別化を図ることができます。
金融業界や人事労務管理など、財務と労務に関連する仕事を探している場合には、ダブルライセンスは非常に有利です。
専門知識を得ることで総合的なアドバイスができる
ファイナンシャルプランナー資格を取得することにより、個人や法人の財務プランニングに関する専門知識を得ることができます。
一方、社会保険労務士資格は労働法や社会保険制度に関する知識を得ることができます。
ファイナンシャルプランナーと社会保険労務士のダブルライセンスを取得することで、顧客に対して総合的なアドバイスを行うことが可能です。
ファイナンシャルプランニングや社会保険に関する問題は密接に関連しています。ダブルライセンスを持つことで、クライアントが抱えるさまざまな財務上の問題に対応し、包括的なサービスを提供できます。
ダブルライセンスを目指す場合の理想の取り方
ダブルライセンスを目指す場合には、社会保険労務士とFPのどちらを先に取得すべきかが気になるでしょう。
結論としては、社会保険労務士を先に取得すべきといえます。
社会保険労務士とFPの試験内容では、「ライフプランニングと資金計画分野」で重なります。
社会保険労務士の「国民年金法、厚生年金保険法」分野の勉強は、FPより深い知識を要求されるので、社会保険労務士の勉強をすれば、ライフプランニング分野の一部をマスターできます。
FPの勉強から始めると、再び社会保険労務士で年金の深い部分を学びなおす必要があります。
そのため、社会保険労務士の勉強でFPの勉強をカバーできるといえるので、社会保険労務士を先に取得すべきでしょう。
※関連コラム:社労士におすすめのダブルライセンス8選!取得するメリットを簡単に解説
社会保険労務士とファイナンシャルプランナーの違い
社会保険労務士とFPでは専門分野及び取り扱う仕事が異なります。
違い | 社会保険労務士 | FP |
---|---|---|
主な専門分野 | 労働問題のエキスパート | 資産運用のエキスパート |
主な仕事 | ・行政機関へ提出する書類の作成、申請の代行 ・労働の帳簿の作成 ・労働に関する相談、アドバイス | ・ライフプランの計画立案 ・家計収支の改善の提案 ・教育資金の積み立て ・住宅ローン及び保険の見直しに 関するアドバイス |
社会保険労務士の専門分野と主な仕事
社会保険労務士とは、労働問題のエキスパートです。
そのため、社会保険労務士の仕事は労働に関する様々な分野を手がけることになります。
社会保険労務士の業務は大きく分けて3つに分かれています。
そして、それぞれの業務の内容に応じて「1号業務」「2号業務」「3号業務」という3つの言い方をします。
大まかにそれぞれの業務を説明すると、
- 1号業務は保険などの書類の作成など
- 2号業務は帳簿の作成
- 3号業務は労働関係の相談や指導などのコンサルタント業務
となっています。
FPの専門分野と主な仕事
ファイナンシャルプランナーとは、資産活用に関するエキスパートです。
そのため、仕事は主にお金に関する相談などを行います。
具体的な仕事としては、ライフプランの計画立案、家計収支の改善の提案、教育資金の積み立て、住宅ローン及び保険の見直しなどです。
これら相談者の抱える様々な課題や目標に応じ、現状の把握、評価をした上で、収支予測を計算し、実現が可能な資産設計や資金計画を提案することです。
例えば、「老後の生活が不安だ」という相談があるとしましょう。
この場合、今の資産状況、今後どのくらいの収入や支出があるかを考えたうえで、投資などの資産を増加させる方法を提案し、資金計画を立てて相談者の課題を解決へと導くことになります。
FPのお仕事は社会保険労務士と違い、独占業務はありません。
しかし、お金に関する問題は様々な方が抱えていることが多いので、広い活躍の場がFPにはあります。
そして、企業の相談もありますが、多くは色々な問題を持った個人であるため、個人が得意先となることが多いです。
社会保険労務士とFPの難易度は?どちらが難しい?
社会保険労務士とFP2級、1級の資格の難易度は、社会保険労務士の難易度が最も高く、次にFP1級、FP2級となります。FP2級は社会保険労務士とFP1級に比べると難易度は低いと考えられます。
合格率や勉強時間を基準に何度を比較すると社会保険労務士試験の難易度が高いことがわかります。
合格率から見る社会保険労務士とFPの難易度の違い
合格率からみる社会保険労務士とFPの難易度は、社会保険労務士が最も高く、FP1級、FP2級が最も易しい結果となりました。
順位 | 試験種名 | 合格率 |
---|---|---|
1位 | 社会保険労務士 | 6~7% |
2位 | ファイナンシャルプランナー1級 | 7~18% |
3位 | ファイナンシャルプランナー2級 | 20~60% |
※ファイナンシャルプランナーの合格率は「学科試験合格率×実技試験合格率」で算出
ただし、社会保険労務士試験とファイナンシャルプランナー試験は、試験の分野が異なるため、難易度の感じ方には個人差があります。
実務経験の有無や、科目の得意・不得意も影響するため、注意が必要です。
勉強時間から見る社会保険労務士とFPの難易度の違い
勉強時間からみる社会保険労務士とFPの難易度は、社会保険労務士が最も高く、FP1級、FP2級が最も易しい結果となりました。
順位 | 試験種名 | 勉強時間(目安) |
---|---|---|
1位 | 社会保険労務士 | 1000時間 |
2位 | ファイナンシャルプランナー1級 | 450~600時間 |
3位 | ファイナンシャルプランナー2級 | 150~300時間 |
社会保険労務士試験の試験概要
社会保険労務士試験の受験資格
社会保険労務士試験には受験資格があります。
以下の3つの内1つを満たす必要があります。
- 大学や短大などを卒業や特定の単位数を取得しているなど(学歴)
- 労働事務所での3年以上の勤務があるなど(実務経歴)
- 司法書士試験など厚生労働省の認めた国家資格に合格している(他の資格試験合格)
社会保険労務士試験は誰でも受験できるわけではないので注意が必要です。
また、受験資格は学歴や実務経歴などが必要なので受験のハードルは高めといえます。
社会保険労務士の試験内容
社会保険労務士は労働問題のエキスパートです。そのため、労働に関する分野から数多く出題されます。
具体的には、労働基準法、労働者災害補償保険法、雇用保険法をはじめ、国民年金法及び厚生年金保険法のような分野からも出題されます。
また、傾向としてはこれらの法律の理論部分を深く聞いてくるという傾向があります。
試験形式は択一式及び選択式となっています。
※関連コラム:社労士試験の概要~2024年日程・受験料・受験者数の推移等~
FP技能検定2級の試験概要
FP技能検定2級の受検資格
FP2級でも受検資格が設けられています。以下の4つのうち1つを満たす必要があります。
・FP3級検定合格(試験合格)
・FP業務に2年以上従事(実務経験)
・AFP認定研修の修了者
・厚生労働省認定金融渉外技能審査3級合格者
社会保険労務士と同様に受検資格が設けられています。また実務経験、研修の修了などがない場合、FP2級以上を目指す場合にも3級をまず受験しなければいけません。
FP技能検定2級の試験内容
FP2級は学科試験と実技試験が実施され、合否判定もそれぞれの試験により行われます。
そして、両方に合格すれば、FP2級検定合格となります。
また、仮に片方が不合格であった場合でも、次の試験では合格した方の試験は免除されるので、不合格の試験に集中できます。
学科試験の出題は以下の通りです。
・ライフプランニングと資金計画
・リスク管理
・金融資産運用
・タックスプランニング
・不動産
・相続及び事業承継
また、実技試験は資産設計提案業務となり、このように幅広い分野の知識が必要となります。
実技試験では、資産設計提案業務という実務をこなす実践的な内容が出題されます。
※関連コラム:FP技能検定試験2級の概要~受検資格・内容・日程・費用~
FP技能検定1級の試験概要
FP技能検定1級の受検資格
FP1級も受験資格が設けられており、以下の3つの内1つを満たす必要があります。
- FP2級検定合格者で、FP業務に関して1年以上の実務経験
- FP業務に関して5年以上の実務経験
- 厚生労働省認定金融渉外技能審査2級合格者で1年以上の実務経験
このように、FP2級試験に合格したからといってすぐに1級を受検できるわけではなく、実務経験を得る必要があります。
そのため、受検に対するハードルは高いといえるでしょう。
FP技能検定1級の試験内容
FP1級も2級と同様に学科試験と実技試験から構成され、両方の試験に合格しなければなりません。
また、片方の試験に合格すれば、片方が不合格でも次の試験では合格した試験を免除される点も同様です。
FP2級では学科試験と実技試験の試験日が同日であるのに対し、FP1級では学科試験と実技試験の試験日が異なります。
試験内容は、学科試験・実技試験ともに2級の試験範囲と同様ですが、2級より深く、広範になります。
特にFP1級試験では新しい法改正の出題に比重が置かれており、市販のテキストや過去問のみならず法改正も勉強する必要があります。
そのため、勉強すべき範囲が2級よりかなり広くなります。
※関連コラム:FP1級資格試験の概要~受験資格・内容・受験料・日程・合格点~
【目的別】どちらの資格を取得したらいいのか?
社会保険労務士とFPの資格はその業務内容や試験の難易度、出題される内容が異なります。
そこで、目指したい目的に合わせて区別していきます。
社会保険労務士を取得した方がいいのはこんな人
・労働分野に興味がある人、文章を書くのが好きな人
社会保険労務士のお仕事は労働分野に関するお仕事となっています。
そのため、この分野に興味があれば勉強のモチベーションを維持することができるので、より合格に近づくことができオススメです。
・主に企業を相手に仕事をしたい人
社会保険労務士の独占業務は会社の運営と密接に関係するため、社会保険労務士の仕事の多くは企業が関わってくることになるでしょう。
そのため、社会保険労務士の仕事相手は主に企業となります。
企業を支え、発展に尽力していきたいと考える方におすすめです。
・独立開業を目指す人
社会保険労務士の中には、事務所や企業で実務を経験した後独立開業する方もいます。
そのため、誰かの指揮命令に服することなく、自分の実力を十分に発揮して働きたいという方におすすめです。
・勉強時間が確保できる人
社会保険労務士試験の合格には多くの勉強時間が必要です。
そのためしっかり勉強時間を確保できるという方にもおすすめです。
FPを取得した方がいいのはこんな人
・お金に興味がある人、数字に強い人
FPは資産運用のスペシャリストです。
お金に関する相談やライフプランニングを行うので、この分野に興味があれば具体的なイメージがわきやすく、勉強の助けになるでしょう。
・主に個人を相手に仕事をしたい人
相談やライフプランニングを行うため、FPの仕事相手は主に個人です。
FPは相談に来た人の課題を解決するので、個人に寄り添っていきたい方におすすめです。
・会社に入って自分の知識を生かしたい人
FPの資格を持っている方の多くは企業で活動されています。
そのため、企業で自分のスキルを生かして働きたいという方におすすめです。
・保険業界で働く人
保険業界で働く人は自分が販売している商品などの知識を得ることができます。そのため、積極的に自分の商品を紹介できるようになるでしょう。
まとめ
以上から、社会保険労務士とFPには違いがあることが分かったのではないでしょうか?
まとめると、
・社会保険労務士は労働問題のエキスパートで主に書類作成業務、FPは資産運用のエキスパートで主にアドバイザー業務
・試験の難易度は社会保険労務士試験、FP1級、FP2級の順に難しい
・社会保険労務士とFPを両方取得するダブルライセンスによる相乗効果が期待できる
・ダブルライセンスを取得するなら、まずは社会保険労務士の勉強をすべき
となります。
社会保険労務士とFPはその資格だけを取得する場合、専門性を生かした仕事をすることができるという魅力があります。
もっとも、他の資格と比較して、ダブルライセンスの相乗効果も強いので、両方の資格を目指すのもおすすめです。
これを見て自分が目指すべき資格を決め、合格に向かって頑張ってみましょう。
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広告代理店で、自らデザインやコピーも考えるマルチな営業を経験後、大手人材紹介会社で長年キャリアアドバイザーを経験、転職サポートを行う。
面接対策のノウハウや数々の自作資料は現在でも使用されている。
その後、研修講師や社外セミナーの講師などを数多く経験。
相手が何に困って何を聞きたがっているのかをすばやく察知し、ユニークに分かりやすく講義をすることが得意。
社会保険労務士試験は、ほぼ独学で就業しながらも毎日コツコツと勉強し、三度目の挑戦で合格した苦労談も面白く、また、三度やったからこそ教えられる「やっていいことと駄目なこと」も熟知している。
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