このコラムでは、

社労士資格のダブルライセンス取得のメリットとはどういうものがあるのか
社労士資格との相性の良い他資格とはどういうものがあるか

について解説していきます。

ダブルライセンスについて興味のある方や、社労士資格取得を目指されている方にぜひご覧いただきたいです。

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社会保険労務士におすすめダブルライセンス資格11選

社会保険労務士におすすめダブルライセンス資格

社労士資格とのダブルライセンス取得の相性の良い資格について以下で見ていきましょう。

  1. 行政書士
  2. ファイナンシャルプランナー
  3. 中小企業診断士
  4. 税理士
  5. 簿記
  6. 社会福祉士
  7. 公認会計士
  8. キャリアコンサルタント
  9. 司法書士
  10. 衛生管理者
  11. 看護師

行政書士

行政書士とは、行政機関に提出する許認可書類や、権利義務・事実証明などに関する書類の作成およびその相談を行う専門家です。

街中で独立開業し、”まちの法律家”として一般市民からも依頼を受けます。

社労士と行政書士は活躍する分野が全く異なりますが、ダブルライセンスにより双方の分野を取り扱えるようになります。
通常であれば社労士と行政書士がそれぞれ必要な業務も一手に担えるようになるため、クライアントからも信頼されるでしょう。

行政書士試験は、社労士試験に比べると「広く浅く」の知識が求められます

試験では商法・行政法といった法律から、個人情報保護、文章理解といった一般知識まで出題されます。
受験資格は定められていませんが、合格率は約10%と比較的低めです。

社労士の仕事をしながら勉強する場合、効率のよい学習が求められます。

ファイナンシャルプランナー

FP(ファイナンシャルプランナー)とは、資産運用に関する専門家です。

企業ではなく、個人を対象に仕事をすることが一般的です。
一見すると社労士資格とは関連性の低い資格に見えますが、ダブルライセンスによるメリットはいくつか存在します。

まず試験範囲が社労士試験と重なるところがあります
社労士資格と全く関連のない資格の取得を目指して学習を始めるよりも、効率よく対策ができるでしょう。

また、社労士としての仕事では出会えないクライアントの獲得にも期待できます。
社労士は企業を、FPは個人の経営者から依頼を受けることが多いものです。

しかし双方の資格の強みを生かせば労務にも資産運用にも強い社労士として認知され、新規のクライアントも獲得できるかもしれません。

実際に活躍するためには、FP2級以上の資格があるとよいとされています。
しかしFP2級の試験には受験資格が定められており、FP3級の合格か実務経験・研修終了経験が必要です。

とはいえ、試験が年に3回行われる、ほかの資格に比べると勉強時間が短くて済むといったことから、ダブルライセンスのハードルは比較的低い資格です。

※コラム:社労士とFPの違いとダブルライセンスのメリット

中小企業診断士

社労士資格と中小企業診断士資格も、ダブルライセンスに向いています。
中小企業診断士とは、企業を対象に経営のコンサルティングを行う専門家で、社労士資格と同じ国家資格です。

労務も経営も企業にとって避けては通れない内容です。
それを一度に任せられる人材となれば、企業にとって頼れる存在になるでしょう。

無資格の経営コンサルも多い中、社労士と中小企業診断士のダブルライセンス保有者は引く手あまたです。

ただし中小企業診断士試験合格のためには、綿密な対策が不可欠です。
中小企業診断士試験は二次試験まであり、二次試験では筆記試験と口述試験が課されます。

受験資格こそありませんが、一次・二次を通しての合格率は5%ほどしかなく、科目合格制を利用して数年かけて合格することが一般的です。

長い目で見て学習に取り組む必要があるものの、キャリア面でのメリットも大きい資格です。

※関連コラム:社労士と中小企業診断士の違いとダブルライセンス取得のメリット

税理士

社労士資格と税理士資格の相性は非常によく、ダブルライセンスにおすすめです。
まずどちらの資格も国家資格であるため、双方を保有している事実だけで世間から大きな信頼を得られます

加えて、労務と経理という企業の経済活動に欠かせない2つの内容を一人で担当できる点も魅力的です。
企業にとっては人件費の削減や対応の簡略化にも繋がり、重宝されるでしょう。

ただし税理士試験の合格は簡単ではありません。

まず、3つの受験資格のうちどれかを満たさなくてはなりません。
試験では5科目を受験する必要があり、回答も記述式です。

ただし一度合格した科目は次回以降免除されるため、数年かけて合格を目指す方もいます。

税理士資格は手っ取り早く取得することは難しいものの、一度取得できれば仕事の幅も大いに広がります
じっくりと時間をかけ、ぜひダブルライセンスを狙いましょう。

簿記

社労士資格と簿記の資格も、ダブルライセンスの相性がよいといえます。
理由としては、似た分野を扱う機会が多いこと、また独立開業する場合・企業に務める場合のどちらでも有利になることの2つです。

社労士として独立開業を考えるなら、簿記の知識が役立ちます。
自身の事務所を立ち上げて運営する際に簿記の知識があれば、自身で経理の処理ができ、わざわざ外注する必要がなくなります。

また開業後も、経理に強い社労士として独自性もアピールできるでしょう。

社労士として企業に勤める場合、人事・労務業務だけではなく給与計算を始めとした経理業務もカバーできるようになります。
経理業務を外注する企業も多いため、1人で多くの業務を担当できるとなれば社内での信頼もアップするでしょう。

簿記の試験には初級〜1級まで4つの級がありますが、現場で使える知識を付けるなら簿記2級以上を目指しましょう。

いずれの級でも受験資格は定められていないため、いつでも受験が可能です。
会計に関してより深い知識を身に付けたいなら、簿記1級がおすすめです。

※関連コラム:社労士と簿記1級の難易度を試験内容・合格率・勉強時間で比較

社会福祉士

社会福祉士とは、医療・福祉関連の相談援助を行う専門家です。

社労士資格と同じく国家資格で、福祉関連の資格では最難関です。
この社会福祉士資格も、実は社労士資格とのダブルライセンスに適しています。

社労士は労務管理関連以外に、障害年金の請求業務も担います。
これは障害年金を請求したい人に代わって書類作成や申請を代行する業務ですが、請求者自身の症状なども詳しく伝えなくてはなりません。

社会福祉士の知識があれば、医療・福祉関連に強い社労士として信頼感が得られるでしょう。

ただし社会福祉士試験には受験資格が設けられており、福祉系大学に通っていない場合は専用の養成施設などに通わなくてはなりません。
とはいえ社会福祉士試験の合格率は毎年約30%。難関ではあるものの、きちんと対策をすれば合格は難しくないでしょう。

公認会計士

会計業務のエキスパートである公認会計士は、社労士と業務が関連するところもあります

公認会計士は、クライアントから社会保険料についての相談を受けることも珍しくありません。
こうした場合に社労士の資格も保有していると、給与計算や労働社会保険についての業務もそのまま引き受けられる可能性があります

社労士資格とのダブルライセンスにより信頼獲得に繋がり、報酬アップも見込めるかもしれません。

また公認会計士試験には、受験資格がありません。
そのため、受験したいと思えばいつでも受験できる点も魅力的です。

しかし勉強時間の目安は社労士の2倍近く(2500時間以上)だと言われていて、試験では論文試験も課されます。

着実に勉強時間を積み重ねる必要はありますが、一度取得できれば大きな強みになるはずです。
数字にも明るい社労士になりたいなら、ぜひチェックしてみてください。

キャリアコンサルタント

人材活用のプロであるキャリアコンサルタントも、社労士と同じ国家資格です。

個人を相手にすることが多いため「社労士と関連性が薄いのでは」と感じるかもしれません。
しかし、だからこそダブルライセンスの恩恵が得られます。

例えば企業の経営者から相談を受けた際、社労士の資格しかなければ社労士の目線からのアドバイスしかできません。
しかしキャリアコンサルタントの資格もあれば、従業員と接して適性を把握したうえで、経営者に適切なアドバイスができるでしょう。
柔軟に動ける人材として重宝され、収入アップも見込めるかもしれません。

キャリアコンサルタントの試験は主催団体が異なる2種類があり、いずれかに合格すれば問題ありません。
試験には学科試験・実技試験があり、受験資格も定められています。

しかし、キャリアコンサルタントの試験は国家試験ながら合格率が非常に高く、毎年50~70%です。
勉強時間の目安も150~200時間ほどであるため、受験資格が満たせれば挑戦してみてください。

司法書士

法人設立の際の登記を行う司法書士は社会保険労務士の業務との相性がよいです。

司法書士として法人設立の対応に合わせて、社会保険労務士として社会保険の新規適用の手続きを受注することが可能です。また、従業員を雇用することになった場合は労働保険の適用や給与計算業務などを受注していくことで社会保険労務士の顧問契約の獲得にもつながります。

社会保険労務士事務所の運営では顧問獲得に悩まれるケースが多いため、法人設立時点から事業所と関わることのできる司法書士とのダブルライセンスは大きなメリットがあります。

司法書士資格は合格率が3〜5%、合格するための勉強時間は3000時間と言われています。

司法書士資格取得のハードルは高いですが、ダブルライセンスが実現した後のメリットは極めて大きいと言えるでしょう。

衛生管理者

衛生管理者はその名の通り「労働安全衛生法」に詳しい人材で、社労士と同様に従業員の安全・健康を守る専門家です。

衛生管理者試験では労働安全衛生法および労働基準法が中心に問われることも多いため、社労士の知識が役に立ちます。

社労士試験と重複するポイントが多いという点で、ダブルライセンスとしての相性は抜群です。

衛生管理者は、常時50人以上の従業員を雇う会社が必ず設置すべき人材。

常に一定の需要があるため、社労士事務所勤務から一般企業に転職する際にも役立つでしょう。

看護師

社労士が看護師資格を取得することで、医療福祉業界に特化した強みを持つことができ、ほかの社労士と差別化できます。

看護師の知識は医療現場の労務管理や職場環境改善、メンタルヘルス対策に役立ち、クライアントからの信頼性が高まるでしょう。

医療業界は人材不足や働き方改革が進む分野のため、労務の専門家としてのニーズも拡大中。

また医療法人向けのコンサルティングや開業支援など、幅広いビジネスチャンスも期待できます。

社会保険労務士資格にダブルライセンスは有効!

社労士資格にダブルライセンスは大いに有効です。

そもそも社労士の業務は主に3つあります。

一つ目は1号業務と呼ばれる、健康保険等に関する保険にまつわる書類作成等の業務。
二つ目は2号業務と呼ばれる、労働条件の契約書や賃金台帳等の帳簿資料等の作成業務。
三つ目は3号業務と呼ばれる、労務関係等のアドバイスを行うコンサルティング業務。

そして、1号、2号業務は書類等の作成業務であるため、ほとんどの社労士間で書類物の成果に大きな差はありません。

そのため、他の社労士との差別化を図るには3号業務、すなわち労務環境等のアドバイス業務が重要となります。

アドバイスをするにあたり、他資格の知識も持ち合わせていれば、複合的な視点からのアドバイスに加え、多くの種類の業種の労働関係についてアドバイスできるため、顧客からの満足度が高くなるだけでなく、社労士として働く場も大きく広がります。

以上より、社労士資格にダブルライセンスは大いに有効であるため、ほぼ必須であるといっても過言ではないといえます

ダブルライセンス取得をするメリット・デメリット

社労士がダブルライセンスを取得することには、多くのメリットがあります。
しかしデメリットもあるため、まずは両方について知っておきましょう。

メリット1.クライアントから重宝される人材になれる

ダブルライセンスを取得することで、クライアントからの信頼獲得に繋がります

社労士資格は国家資格で、保有しているだけで人事・労務のプロとみなされます。

そこに別の資格も保有しているとなれば、多くの分野に関する知識を保有している証明にもなるでしょう。

人事・労務以外の内容についても相談できる人材として、クライアントから信頼されるはずです。

メリット2.取り扱える業務範囲が広くなり、キャリアアップもできる

メリット1.にも関連しますが、社労士資格のみを保有しているよりも多くの業務を取り扱えるようになります

例えば税理士や簿記といった資格も取得すれば、社労士でありながら経理関連業務も扱えるようになるでしょう。
社労士資格のみを生かして仕事を行うよりも業務が安定しやすく、新規顧客獲得のチャンスになるかもしれません。

また、社労士として企業に勤める場合も、複数の資格を持っていると社内での価値が高まります
その結果、収入アップにも期待できるかもしれません。

メリット3.独立や転職に有利になりやすい

ダブルライセンスによって、独立・転職の際に有利になる可能性もあります。

社労士試験には毎年2500名近くが合格しており、2011~2022年度には累計3万2000名が合格しています。
特に社労士として独立開業を考えているなら、ほかの社労士との差別化は避けて通れないポイントです。

社労士資格以外の資格も保有していれば、ほかの社労士にはない強みを生かして活動しやすくなります。
独立・転職も、スムーズに進みやすいでしょう。

デメリット1.ダブルライセンス取得のための時間・費用がかかる

ダブルライセンスを取得するためには、やはりある程度の時間がかかります。

どのような資格の取得を目指すにせよ、一定の勉強時間は必要です。
また、試験日に予定を空けておく必要もあります。

加えて、受験のための教科書代や受験料はもちろん、挑戦する資格によっては受験資格を満たすための準備が必要です。
また合格後に年会費・更新費なども必要になることもあります。

社労士としての仕事が多い場合、同時進行でダブルライセンス取得を目指すためには工夫が必要でしょう。

デメリット2.せっかく取得した資格を十分に生かせない可能性も

もし別の資格も取得できたとしても、実務に活かしきれないこともあります。

社労士の仕事にあまり関連のない資格を取得してしまった場合、得た知識・スキルを使う場面が少なく、資格の持ち腐れになってしまうでしょう。
そうなると、資格取得にかけた時間や費用も無駄になってしまいます。

ダブルライセンスを狙うなら、社労士の仕事に関連のある資格の取得を目指しましょう

最も多いのは行政書士とのダブルライセンス

社労士資格とのダブルライセンスが多いのは行政書士と言われており、公的書類作成や相談に応じて社労士の観点からの労務、人事アドバイスができるのは、クライアントにとって頼りがいのある、安心できる社労士であるとの評価につながっています。

このように、自己にとっても、クライアントにとっても、社労士資格をより魅力的なものにできるのがダブルライセンスです。

ぜひみなさんも興味のある資格のダブルライセンス取得を目指してみてはいかがでしょうか。

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※2027年合格目標

この記事の監修者 池田 光兵講師

池田 光兵講師

2000年に、中央大学経済学部を卒業。同年より広告代理店で企画営業職に従事。
2006年より、大手人材紹介会社2社にて、キャリアアドバイザー、研修講師、転職セミナー講師などを幅広く経験。
2020年に社会保険労務士試験に合格後、2021年より株式会社アガルートに入社し講師として従事。
2024年に、第一種衛生管理者試験に合格。

社会保険労務士試験は、ほぼ独学で就業しながらも毎日コツコツと勉強し、三度目の挑戦で合格した苦労談も面白く、また、三度やったからこそ教えられる「やっていいことと駄目なこと」も熟知している。
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