社会福祉士は福祉系の国家資格ですが、他の国家資格と比較すると内容が簡単すぎるのではないかという意見を目にすることもあります。

社会福祉士の受験を検討している方にとっては気になる情報ですよね。

そこで本コラムでは社会福祉士試験について「簡単」「難しい」といった両面から内容を精査していきたいと思います。

社会福祉士試験の難易度が気になるという方は、ぜひチェックしてみてください。

社会福祉士は簡単すぎ？

結論から述べると、簡単すぎるとは一概に断言できませんが、ある程度は簡単であると考えられます。

ただし、社会福祉士試験には受験資格が定められています。

受験資格を得るための方法は12通りのルートに分かれており、きちんと調べておかなければ自分がどれに該当するのかわからなくなってしまうこともあるでしょう。

社会福祉士の受験資格に関しては、十分に注意が必要です。

以下では、社会福祉士試験について「簡単と考えられる要素」と「難しいと考えられる」要素に分けて、詳しくチェックしていきます。

※関連コラム：社会福祉士試験の難易度や合格率、合格点や合格基準2023

社会福祉士が簡単であると考えられる要素

社会福祉士の資格取得が簡単であるといわれる要素は以下の２つです。

• 必要な勉強時間はその他の国家試験と比べて短い
• 合格率はその他国家試験と比べて高い

詳しく解説していきます。

必要な勉強時間はその他の国家試験と比べて短い

社会福祉士試験の合格に必要な時間の目安は300時間程度といわれており、他資格と比較すると勉強時間が比較的短い点があげられます。

社会福祉士の試験範囲は全19科目と広く、合格するためには計画的な学習を継続することが大切です。しかし、その他の国家試験に関しても一定の勉強時間は必要です。

例えば司法試験については、3000〜10000時間の勉強時間が必要になるといわれています。

社会福祉士試験の10倍以上ということ。司法試験はイメージとしても難関と認識しやすいのではないでしょうか。

他に行政書士試験も約600時間の学習時間が必要といわれており、社会福祉士試験の倍の数字になっています。

宅建の勉強時間も300〜400時間が目安とされており、社会福祉士試験の合格に必要とされる時間と比べて長くなっています。

これらを見ていくと分かる通り、社会福祉士試験の合格に必要な勉強時間はその他の難関国家資格と比較するとそこまで長くありません。

その意味では、簡単であるという評価ができるでしょう。

関連コラム：資格試験の勉強時間別の難易度ランキング！一覧で紹介！2023年

合格率はその他国家試験と比べて高い

社会福祉士試験の合格率は、27%前後となっており、やはり合格率に関しても他の国家試験と比べると低いわけではありません。

例えば、司法書士の合格率は3.5%前後。

司法書士試験の合格率が低い要因の一つとして、試験時間が足りないという点が挙げられます。

試験科目が広く、記述式問題も出題されるため、時間が足りなくなってしまうことが多いようです。

そして先ほどご紹介した行政書士も、合格率が低い資格の一つです。

行政書士の合格率は11.5%前後となっています。

こちらも試験範囲が非常に広く、科目ごとに合格基準が設定されていて捨て科目を作れない点が要因であると考えられます。

ちなみに、宅建の合格率は16%前後です。

宅建は最難関の試験ではありませんが、決して簡単ではありません。

これらの数字を見ると、社会福祉士試験の合格率は比較的高いということがお分かりいただけたかと思います。

関連コラム：国家資格の難易度ランキング！簡単な資格は？合格率や勉強時間より

社会福祉士が難しいと考えられる要素

社会福祉士の資格取得が難しいといわれる要素は次の２点です。

• そもそも受験資格を得るのに時間がかかる場合がある
• 出題形式は五肢択一式と多肢選択式

詳しく解説していきます。

そもそも受験資格を得るのに時間がかかる場合がある

社会福祉士国家試験は、受験の前段階にて「受験資格」が設けられています。

実は社会福祉士試験の受験資格を得る方法は場合によって様々です。

年単位での実務経験を要求されるケースも多いので、受験資格を得るまでに時間を要することも少なくなく、難しいといわれる要因の一つとなっています。

社会福祉士試験の受験資格について、詳しくは上記の図をご覧ください。

例えば、一般大学を卒業している人の多くには実務経験が要求されます。

一般大学などに3年間通った場合は1年、2年間の場合は2年。社会福祉士の受験資格を得るためには、それぞれ相談援助実務の経験が必要です。

なお、社会福祉士試験を大学卒業後すぐに受験できるのは、福祉系大学で指定科目を履修している場合のみです。

福祉系大学に通っていたが基礎科目の履修のみに留まっていた場合は、短期養成施設に行くことで受験資格を得られます。

出題形式は五肢択一式と多肢選択式

社会福祉士試験の出題形式は、福祉系国家資格の中でも介護福祉士などと同様にマークシート方式となっています。

特に介護福祉士試験は「5つの選択肢から「正しいもの」及び「最も適切なもの」等を1つ選ぶ方式」です。

一方で社会福祉士試験の場合は「5つの選択肢のなかから正解を1つ、または2つを選ぶ」という五肢択一式または多肢選択式で出題されます。

つまり問題ごとに「正しいものを1つ選ぶ」のか「適切なものを2つ選ぶ」のか異なるのです。

問題文を読む際には十分に注意して、正解の選択肢が1つのみなのか、あるいは2つあるのかを見極めなければなりません。

マークシート形式だからといって、正解がすぐに分かるとは限らないのです。

そのため、社会福祉士試験で得点するためには必要な知識を浅く広く持っていることが求められます。

簡単かどうかは人それぞれ！難しいと思ったら予備校の検討も！

以上、社会福祉士試験について「簡単」や「難しい」といったそれぞれの要素を元にして検討してきました。

社会福祉士試験はその他の国家試験と比べて必要な勉強時間が短く、また合格率も高いということがご理解いただけたかと思います。

一方で、社会福祉士試験の受験資格を得るためのルートは複雑に分かれています。

そして出題形式が多肢選択式にもなっているため、意外に難しいと感じることもあるかもしれません。

結局、社会福祉士試験が簡単か難しいかは人それぞれの感じ方によるというのが実情です。

これらの内容を元にして考えた時に「難しい」と感じるようであれば、予備校の活用も検討してみましょう。

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