本記事では社会福祉士国家試験科目の1つである「心理学と心理的支援」の概要や勉強法について紹介します。

本科目の出題範囲は広範囲に及ぶため、全ての内容を暗記するのは現実的ではありません。

覚える用語が多いため、一覧表でまとめたり、過去問題を活用し出題傾向を掴むなど、効率的に勉強を進める必要があります。

試験対策の参考にしていただき、効率的に学習を進めていただければ幸いです。

関連コラム:社会福祉士試験の19の試験科目(共通科目・専門科目)について解説

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「心理学と心理的支援」とは?

心理学と心理的支援の概要 

「心理学と心理的支援」は、旧カリキュラムの「心理学理論と心理的支援」に相当する科目であり、人の心の機能や発達、心理学を基礎とした心理的支援の技法などの知識や理解が問われます。

クライエントの心を科学的・客観的に捉えることができるようになるなど、相談援助の専門職である私たち社会福祉士にとって不可欠な知識であるため、大事に学習を進めていきましょう。

心理学と心理的支援の重要度

本科目は、非常に深い知識まで求められる問題が何問か混ざっており、得点源にしづらい科目になります。

一方で、基礎的な知識だけで解ける問題も数問出題されるため、ある程度の学習をしていれば合格に必要な点数を得点することはできます。

これらを踏まえると、学習の重要度は標準といえます。

心理学と心理的支援の難易度

心の基本的な理解や心理的支援の技法など、出題範囲が広範囲に及ぶことに加え、非常に深い理解や応用的な思考を求められる問題が何問か混ざっていることが本科目の特徴になります。

したがって、難易度はやや高めといえます。

とはいえ、「記憶」「学習」「心理検査」「心理療法」などの基礎的な知識は、得点に非常に結びつきやすいので、まずは試験で頻出している知識から固めていくことがポイントになります。

「心理学と心理的支援」の勉強法

「心理学と心理的支援」の勉強法について、ポイントを絞り紹介していきます。

試験の傾向を掴みながら得点力を高めていきましょう。

1. 心理学用語を正しく理解する

本科目では、耳慣れない心理学用語が多く出題されます。

具体例を絡めて、用語の理解を問う問題が出題されるため、単純な用語の暗記では得点を重ねることは難しいです。

用語の内容とその具体例を理解することで安定的に得点を積むことができます。

必ず、具体例を用いながら基本的な用語を押さえていくことを心がけましょう。

具体例を実際に自分で体験してみるなどのひと手間を加えると、より用語の理解が進みます。

また、頻出の用語は一覧表にして整理しておくと、後で見直す時に便利なのでおすすめです。

一例として「記憶」に関する表を紹介します。

手続き記憶動作に関する身体的反応の記憶
展望的記憶約束やこれからの予定など、将来の行動についての記憶
エピソード記憶過去の出来事の記憶など個人の経験に関する記憶

記憶の種類はこれ以外にも作業記憶、回想的記憶などがあります。

具体例の理解や一覧表の作成が苦手な方やこれに慣れていない方は、参考書などによる用語のインプットが終わったらすぐに過去問題にチャレンジし、問題の選択肢を参考にしながら、具体例の理解や一覧表の作成に取り組んでみましょう。

2. 様々な心理アセスメント(心理検査)の違いを理解する

本科目では、複数ある心理アセスメント(心理検査)の違いを問う問題が頻出しています。

問題に対応するためには、心理アセスメントの検査方法、検査対象、指標の特徴などについて、各検査の概要を整理して理解しておく必要があります。

まず、心理アセスメントの大枠を理解することから整理を始めるとよいでしょう。

心理アセスメントは、知能検査、人格検査、発達検査の3種類に大きく分けることができます。

この3種類の検査の中でも特に、知能検査と人格検査が頻出かつ基礎的な知識になります。

知能検査は、特に「対象者」や「指標」に着目して整理を進めるとよいでしょう。

人格検査は、「検査方法」に着目し、質問紙法、投影法、作業検査法のどれに分類できるかという点から整理を進めるとよいでしょう。

心理アセスメントも一覧表を作成しておくと、違いの理解が進みやすいのでおすすめです。

3. 心理療法の概要を理解する

本科目では、心理療法などの心理的支援の方法も理解しておく必要があります。

心理療法を用いた具体的支援方法を問う事例問題が出題されることも多いため、心理療法の名称、考案者、内容を押さえることに加え、事例問題に慣れておく必要があるといえます。

心理療法の名称や内容などは初めて聞く用語も多いので、早い段階から暗記の準備を始めることをおすすめします。

4. 心の健康に関する出題に備えておく

近年では、心の健康についての関心が高まっていることから、心の健康に関する問題は出題されやすいといえます。

コーピングなどのストレスマネジメントについて、学習を深めておきましょう。

なお、受験勉強の期間中は多くのストレスにさらされることが予想されるので、ここで学んだストレスマネジメントを実践してみるのもおすすめです。

今回紹介した方法を参考にしていただき「心理学と心理的支援」科目の勉強を効率的に進めていただければ幸いです。

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橋口 貴俊 講師

この記事の執筆者 橋口 貴俊 講師

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地元の都道府県社会福祉協議会で働く。
地域福祉の推進のため、県域における福祉人材の確保・育成・定着に関する業務に携わっている。

社会福祉士としての専門性を高めるため、社労士と行政書士の試験に、働きながら独学で合格する。
社会人のための効率の良い学習方法を追究した結果、80日の短期間で、難関と言われる行政書士試験の一発合格に至る。

受験生がつまずきやすい社会保障制度や法律について、社労士試験などで培った専門性を発揮し、合格に必要な知識だけに絞った分かりやすい講義を得意としている。