本記事では社会福祉士国家試験科目の1つである「権利擁護を支える法制度」の概要や勉強法について紹介します。

本科目は憲法や民法、行政法などの法律から、社会福祉士と関係の深い成年後見制度の知識が問われる科目です。

法律関係は苦手という方も、試験対策の参考にしていただき、効率的に学習を進めていただければ幸いです。

関連コラム:社会福祉士試験の19の試験科目(共通科目・専門科目)について解説

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「権利擁護を支える法制度」科目とは?

権利擁護を支える法制度の概要

「権利擁護を支える法制度」は、旧カリキュラムの「権利擁護と成年後見制度」に相当する科目になります。

本科目では、人権や財産などの様々な権利、社会的排除や虐待などの権利侵害、成年後見制度などの権利擁護についての知識や理解が問われます。

私たち社会福祉士に期待されている権利擁護の使命を果たすために、

  • どのような権利が法的に保障されているのか
  • どのような権利の侵害が起きているのか
  • 権利を守るためにどのような対応をすべきか

を具体的な実情や制度を踏まえて理解していく必要があります。

権利擁護は、社会福祉士の核ともいえる大事な使命になるので、しっかり学習を進めていきましょう。

権利擁護を支える法制度の重要度

「憲法」「民法」「行政法」に関する基本的な知識、虐待防止法、成年後見制度など、出題範囲が広く、得点源にしづらい科目になります。

一方で、成年後見制度や日常生活自立支援事業など、一般的な知識だけで解ける問題が数問出題されるため、ある程度の学習をしていれば、合格に必要な点数を得点することはできます。

これらを踏まえると、学習の重要度は標準といえます。

権利擁護を支える法制度の難易度

法学を除くと、成年後見制度や日常生活自立支援制度などの一般的な知識で解けるような問題は、出題範囲をある程度絞ることができるため、難易度は標準といえます。

また、各種の意思決定支援ガイドラインが事例で問われることが多いですが、一定の考えを身につけることができれば対応可能です。

一方で、法学は学習の底が見えないため、基本的な部分をさらうだけにするなど、割り切りも重要になります。

まずは、成年後見制度や日常生活自立支援制度などの本科目の頻出ポイントから学習を始めて、少しずつその他の知識を増やしていくようにしましょう。

「権利擁護を支える法制度」の勉強法

続いて、権利擁護を支える法制度についての勉強法を、ポイントを絞って紹介します。

1. 憲法・民法・行政法と権利擁護の関わりを意識する

私たち社会福祉士が権利擁護を実践していくためには、「憲法」「民法」「行政法」の知識が必要となります。

「憲法」では、基本的人権の理解を深めることで、国家に対し、どのような権利が法的に保障されているのかを理解することができます。

「行政法」では、行政機関によって基本的人権が侵害・制限される場合に、どのような対処ができるのかを理解することができます。

「民法」は、私人と私人との間の法律関係のルールを定めた法律です。民法の契約のルールを理解しておくことで、悪意を持った契約相手から不都合な契約を結ばされてしまったクライエントを守ることなどに繋がります。

このように、本科目で法学の知識が問われるのは、社会福祉士として権利擁護を実践するために必要だからです。

法学の学習の際には、「それがどのように権利擁護の実践に活きるか」という視点を持っておくと、試験の出題意図に沿った効率的な学習を行うことができます

2. 成年後見制度は細部まで理解する

成年後見制度は本科目で最も重要かつ頻出なので、必ず押さえておきたい内容となってます。

2−1 まずは概要を掴む

成年後見制度は、民法で規定されており、認知症や精神障害、知的障害などの障害により、正しい判断が難しい方の保護のために、援助する人を付ける制度です。

実施主体は家庭裁判所となっています。

学習を進めるうえで、まずは制度利用の流れは最低限理解しておきましょう。

2−2 「後見」「補佐」「補助」の3類型の違いを理解する

成年後見制度はその名称に「後見」とありますが、後見のほかにも「補佐」「補助」という3類型に分かれています。

概要や役割が混同しないよう注意しましょう。

後見

判断能力がほとんどなくなった人に適用されるもので、3類型で最も重い類型に当たります。「成年後見人」が法的な支援・保護などを行ないます。

補佐

判断能力が相当程度低下した人に適用され、3類型の中で中間に位置します。「補佐人」が法的な支援・保護などを行ないます。

補助

判断能力がある程度低下した人に適用され、3類型の中では最も軽い類型に位置します。「補助人」が法的な支援などを行ないます。

2−3 事件に関するデータに触れておく

成年後見関係の「事件」の概況についても出題される可能性があります。

金銭を管理する立場上、不正に権利を使われないよう注意しなければなりません。

過去問題で事件に関連する出題があった際は、裁判所ホームページの「成年後見関係事件の概況」を見直すことで、理解をより深めることができます。

3. 日常生活自立支援事業での得点を目指す

本科目は聞き慣れない言葉も多く、人によっては苦手意識を持ってしまうかもしれません。

その場合は、学習しやすい、この日常生活自立支援事業から学習を始め、試験で出題があった時に確実に1点はとれるようにしておきましょう。

まず押さえたいのが成年後見制度との違いについてです。

日常生活自立支援事業は、福祉サービスの利用援助や日常的な金銭などの管理に限定されており、「法律行為」の代理等は認められていません。

一方、成年後見制度は、日常的な金銭管理のみに留まらず、財産管理や福祉施設の入退所など生活全般の支援に関する契約等の「法律行為」の援助が認められています。

違いなどを問われた時にスムーズに答えられるようにしておくことで選択肢に惑わされず答えることができます。

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橋口 貴俊 講師

この記事の執筆者 橋口 貴俊 講師

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地元の都道府県社会福祉協議会で働く。
地域福祉の推進のため、県域における福祉人材の確保・育成・定着に関する業務に携わっている。

社会福祉士としての専門性を高めるため、社労士と行政書士の試験に、働きながら独学で合格する。
社会人のための効率の良い学習方法を追究した結果、80日の短期間で、難関と言われる行政書士試験の一発合格に至る。

受験生がつまずきやすい社会保障制度や法律について、社労士試験などで培った専門性を発揮し、合格に必要な知識だけに絞った分かりやすい講義を得意としている。