本稿では、臨床工学技士として8年以上働いている筆者がおすすめの参考書と問題集を紹介します。

参考書として適していない本を選んでしまうと、勉強効率が悪くなり勉強がはかどりません。

「臨床工学技士の国家試験対策としておすすめの参考書や問題集はどれ?」

「過去に国家試験を受けた人はどんな参考書や問題集を使っていたのか知りたい。」

そんな方に向けて、どのような参考書・問題集を選べばいいのかについても解説していますので、参考にしてください。

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臨床工学技士の独学におすすめの参考書3選

国家試験の勉強をする際におすすめの参考書を3つ紹介します。

  • 臨床工学技士 ブルーノート 基礎編
  • 臨床工学技士 イエローノート 臨床編
  • 病気が見えるシリーズ

順番に紹介していきます。

臨床工学技士 ブルーノート 基礎編

臨床工学技士ブルーノート基礎編」は、国家試験で出題される専門基礎科目領域を網羅している本です。

解説されている専門基礎科目は次のとおりです。

  • 医学概論
  • 医用電気電子工学
  • 医用機械工学
  • 生体物性材料工学

解説されている内容は平成24年の国家試験出題基準のため、発売されてから時間が経っています。

しかし、医学概論や医用工学は出題内容が変わりにくく、2024年現在でも十分参考書として使用できます。

間違えた過去問について調べる時は、ブルーノート1冊で専門基礎科目全て調べられるので便利です。

臨床工学技士 イエローノート 臨床編

臨床工学技士イエローノート」は国家試験に出題される専門科目について書かれています。

解説されている専門科目は次のとおりです。

  • 生体機能代行装置学
  • 医用治療機器学
  • 生体計測装置学
  • 医用機器安全管理学
  • 臨床医学総論

専門科目の内容は臨床の現場で働く際の基盤になります。過去問に出題される内容について、根拠を理解しておくと就職後自分の役に立ちます。

写真や図解をふんだんに使って説明されているので、読みやすいです。

ブルーノートとイエローノートを合わせて購入し、自宅に置いておけば過去問の振り返りの際に便利です。

ブルーノートとイエローノートは500ページを超えるため重量があり、持ち運びには向いていません。あくまで自宅での勉強用と捉えておきましょう。

病気が見えるシリーズ

病気が見えるシリーズ」は各部位ごとの解剖や疾患を紹介している参考書です。全ページがカラーで、生体反応やさまざまな疾患について詳しく書かれています。

病気が見えるシリーズは全14冊ありますが、国家試験対策として循環器・呼吸器・腎泌尿器の3種類購入しておけば大丈夫です。

個人的に詳しく知りたい分野がある方は追加で購入しましょう。

臨床工学技士の独学におすすめの問題集

国家試験対策としておすすめの問題集を3つ紹介します。

  • 第35回臨床工学技士国家試験問題解説集
  • 臨床工学技士 グリーンノート 基礎編
  • 臨床工学技士 グリーンノート 臨床編

順番に紹介していきます。

第36回臨床工学技士国家試験問題解説集

第36回臨床工学技士国家試験問題解説集」は、2023年3月に実施された国家試験の問題が掲載されています。

2024年1月現在、最も新しいものが第36回です。36回から5年分さかのぼり、32回までの問題解説集を購入してすべて解いてみましょう。

各問題に解説も付いていますが、文章のみで説明されているものが多く、完璧に理解するためには別途参考書が必要です。

臨床工学技士の国家試験問題が冊子状で販売されているものは少なく、国家試験に臨むほぼすべての学生が購入している本です。

私が学生の際も、同クラスの生徒全員が購入して勉強していました。

一冊の厚みも薄く、持ち運びに便利なサイズです。

臨床工学技士 グリーンノート 基礎編

臨床工学技士 グリーンノート 基礎編」は、先に紹介した臨床工学技士ブルーノートの内容を穴埋め問題形式で出題しています。

穴埋め問題は国家試験で出題される範囲の内容なので、自分の理解力の確認ができます。択一式の過去問を何度も繰り返し解くと、問題と答えをセットで暗記してしまいがちです。

出題形式が変わると、自分が本当に問題の内容を理解できているか確認できます。

前項で紹介した臨床工学技士国家試験問題解説集を、過去5年分解き終えてしまった方におすすめです。

国家試験の出題範囲で、工学系の穴埋め問題を解きたい方はこちらの基礎編を購入しましょう。

臨床工学技士 グリーンノート 臨床編

臨床工学技士 グリーンノート 臨床編」は先に紹介した臨床工学技士イエローノートの穴埋め問題です。

択一式ではなく穴埋め問題になっており、消去法では答えられません。穴埋め問題を解くことで、現時点での理解度を確認できます。

ブルーノート、イエローノートとは異なり、300ページ程度です。基礎編・臨床編どちらか1冊であれば外出時に持ち運べます。

注意点として2014年に作成されており、新しい問題に関しての解説が記載されていない可能性があります。

その際は、別途自分で調べる必要があるので気を付けましょう。

呼吸・循環器・血液浄化について過去問題とは別視点で問題を解きたい方は臨床編の購入をおすすめします。

臨床工学技士の参考書問題集の選び方

参考書・問題集は何を買ってもいいわけではありません

これから紹介する3つのポイントに注意して買わないと、国家試験の勉強に活かせない可能性があります。

参考書・問題集の選び方で重要なポイントは次の3つです。

  1. 絵や図解が豊富
  2. 医療英語での説明がないもの
  3. 販売された年が10年以内

順番に説明していきます。

1.絵や図解が豊富

参考書は、絵や図解が豊富なものがおすすめです。医療の知識が乏しい学生は、文字だけの説明では具体的なイメージができず、説明されている内容が完璧に理解できないからです。

そのため、理解できるまで何度も読み返し、理解できるまで時間がかかってしまいます。

絵や図解が豊富な説明文だと、説明されている内容がわかりやすく、把握する時間を短縮できます。

参考書を選ぶ際は、絵や図解がどの程度盛り込まれているか確認しましょう。

2.医療英語での説明がないもの

参考書には医療英語で臓器や生体反応の説明がされている場合がありますが、学生が勉強の参考に使う本には向いていません

なぜなら、医療単語の意味が分からず1つずつ調べる必要があり、勉強がはかどらないからです。

「心臓カテーテル治療」や「呼吸器疾患」について専門的な内容が書かれている本を買う場合は注意しましょう。

3.掲載されている問題は過去10年以内

国家試験の問題は毎年出題される問題が異なります。そのため、問題の傾向の把握や出題される範囲を把握するために数年分、解く必要があります。

最低でも5年分の過去問を準備するのをおすすめしますが、10年以上前の過去問は情報が古いため、購入するのはやめましょう

医療技術は日々進歩しており、10年前は正答と扱われていた問題が今では不正解の可能性もあります。

そのため、準備する過去問は現在から10年以内に出題された問題にしましょう。

まとめ

臨床工学技士国家試験対策としておすすめな参考書・問題集は以下の6点です。

  • 病気が見えるシリーズ
  • 臨床工学技士 ブルーノート 基礎編
  • 臨床工学技士 イエローノート 臨床編
  • 第35回臨床工学技士国家試験問題解説集
  • 臨床工学技士 グリーンノート 基礎編
  • 臨床工学技士 グリーンノート 臨床編

自分の理解できていない分野の参考書を購入し、わからない問題を1問でも少なくすると合格へ近づきます。

問題解説集は学生必須の本ですので必ず購入し、1度は全問解答してみましょう。

問題解説集では物足りない方はグリーンノート基礎編・臨床編を購入し穴埋め問題にも挑戦するといいです。

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この記事の執筆者

増岡 匠也

臨床工学技士・消化器内視鏡技師

大学を卒業後就職し、2年間働き退職。その後臨床工学技士専門学校へ入学し臨床工学技士として働く。

現在臨床工学技士8年目で機器管理、透析、内視鏡、心カテ、手術室業務を経験。

臨床工学技士の知名度を上げるための情報発信を行っている。