臨床工学技士がいらないと言われる理由とは?仕事もきついって本当?
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普段表に出ることのない臨床工学技士の話が聞きたいと思いませんか?
総合病院で8年以上働いている筆者が、臨床工学技士の体験談を詳細にお話いたします。
辛い体験の内容は「臨床工学技士がいらない」と言われる理由です。
なぜ臨床工学技士がいらないと言われるのか、働いていてきついと感じた内容を紹介しています。
臨床工学技士の暗い一面は、語られる機会が少ないので参考にしてみてください。
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臨床工学技士がいらないと言われる理由
臨床工学技士がいらないと言われる理由は3つあります。
- 病院の運営に影響がない
- 医療機器の使用は誰でもできる
- 臨床工学技士がいない病院もある
筆者は元臨床工学技士で、総合病院で8年以上働いた経験があります。
実体験を基に「臨床工学技士がいらない理由」を記述していきます。
理由1.病院の運営に影響がない
臨床工学技士がいなくても、病院の運営に影響は出ません。
病院の運営に必要な資格は以下の通りです。
- 医師
- 看護師
- 放射線技師
- 検査技師
- 理学療法士・作業療法士
- 栄養士
外来業務や入院から退院までの業務には、上記に挙げた資格保持者が欠かせません。
しかし、臨床工学技士がいなくても診察や検査はできます。
臨床工学技士は病院の運営上いなくても問題ないため、いらないと言えます。
理由2.医療機器の使用は誰でもできる
臨床工学技士は医療機器を専門に使う職業ではなく、保守・点検を行います。
医療機器が故障しない限り臨床工学技士の必要性は低く、医療機器を使用するだけなら医師や看護師で十分です。
仮に使用していた医療機器が故障したとしても、医療機器メーカーでも修理対応は可能なため、よほど急ぎでない限り医療機器メーカーの対応で間に合います。
そのため、医療機器を使用する際に臨床工学技士は必須ではありません。
臨床工学技士を知っている方は、「医療機器のスペシャリスト」や「医療機器を上手に使える人」といったイメージを持っているかもしれません。
実はそうではなく、臨床工学技士が医療機器を使うことは多くありません。
医療機器を実際に使うのは医師や看護師で、臨床工学技士が医療の現場で使う医療機器は限られているのです。
理由3.臨床工学技士がいない病院もある
病院の運営上臨床工学技士は必須ではなく、いなくても問題ありません。
そのため、臨床工学技士がいない病院もあります。
特に慢性期病院には、臨床工学技士がいない病院が多く見られます。
慢性期病院は医療機器の種類が限られており、仮に故障があったとしても急いで対応する必要もありません。
時間はかかりますが、医療機器メーカーにお願いして修理すれば解決可能です。
病院によっては臨床工学技士は不要です。
臨床工学技士の必要性は?
医療業界に臨床工学技士は不要と感じるかもしれませんが、そんなことはありません。
臨床工学技士が必要な病院やクリニックもあります。
- 救急病院
- 透析クリニック
上記の病院とクリニックでは臨床工学技士の需要が高く、臨床工学技士が様々な場面で活躍しています。
詳細は下記の記事で説明していますので、ご参照ください。
関連コラム:臨床工学技士は将来性がない?実際の需要を徹底調査
臨床工学技士の仕事できついと感じること
臨床工学技士の仕事できついと感じることは次の4つです。
- 呼び出し待機がある
- 必要とされる場面が切迫していることが多い
- なんでも直せると思われがち
- 病院内での立場が弱い
順番に説明していきます。
呼び出し待機がある
救急病院では臨床工学技士が呼び出し待機体制を取っている施設が多いです。
呼び出し待機のため、常に電話に出られる状態にしておかなくてはならず、休日も自由に出歩けません。
夜中に呼び出されると睡眠時間が削られるため、次の日の仕事がきついです。
必要とされる場面が切迫している状況が多い
臨床工学技士が呼ばれる場面は切迫している状況が多いです。
理由は、医療機器が故障し検査が中断していたり、患者が重症の場面で緊急的な処置を行う場面で呼ばれます。
そのため知らない・わからないでは許されません。
医療機器のトラブル対応や、緊急時の対応方法などの情報を取り入れておくことが重要です。
「何でも屋」と思われる
病院内で医療機器の修理対応を行っていると、なんでも直せる「何でも屋さん」と思われがちです。
例えば、筆者が過去に直してほしいと頼まれた物品はこちらです。
- 自動ドア
- ホッチキス
- 穴あけパンチ
- 食器乾燥機
- 鉛筆削り
明らかに医療機器ではない物品の修理依頼が舞い込んできます。
頼まれるとなかなか断れないため、壊れた物品を直していくうちに、病院内のスタッフに「何でも屋さん」のイメージが定着していきます。
病院内での立場が弱い
臨床工学技士は医療業界の中でも新しい資格です。
臨床工学技士法が制定されて35年ほどで、病院やクリニックの中でも人数の少ない部署です。
人数が少ないと院内での発言力や決定権は乏しく、他部署の言いなりになってしまいます。
自分たちで物事を決められないため、働きにくいと感じるでしょう。
臨床工学技士になって後悔したことはある?
臨床工学技士になって間もないころ、自分の不注意で医療機器を壊した経験があり、職場に迷惑をかけました。その際高額な修理費用が発生し、なぜミスをしたのかと後悔したことがあります。
臨床工学技士が取り扱う医療機器は1つ1つが非常に高価かつ精密機器です。取り扱い方を誤るとすぐに壊れてしまい、高額な修理費用が必要です。
筆者がミスをしたときは、誰しも必ずミスはすると先輩臨床工学技士に励まされ、自分の仕事のやり方を見直しました。
一度した失敗は二度と繰り返さないよう注意し仕事に取り組むことでミスが減り、楽しく仕事に臨んでいます。
このような人は臨床工学技士をやめておいた方がいい
筆者はこれまで8年以上、臨床工学技士として働いてきました。
正直その中で、「この人は臨床工学技士に向いていないな」と感じたこともあります。
具体的には次のような性格の人です。
- 新しい物に興味がない
- 機械いじりが好きじゃない
- 困っている人を助けたいと思わない
- 責任感がない
- 人と会話するのが苦手
- 血が苦手
上記のいずれかに当てはまる人は、臨床工学技士に向いていないでしょう。
臨床工学技士は、毎年開発され続ける医療機器を取り扱います。そのため、新しいものに興味がない方や機械いじりが苦手な人は向いていません。
また、トラブル時に呼ばれることが多いため、困っている状況を何とかしたいと思えない方、故障した経緯やどんな操作をしたのかヒアリングできない方も臨床工学技士には向いていません。
最後に、臨床工学技士は透析業務を行います。透析中は血管に針を刺したり、透析チューブ内を血液が循環します。
必ず血液を目にするため、血が苦手な人は臨床工学技士の仕事ができません。
上記内容に当てはまらなければ臨床工学技士として働けます。
まとめ
どのような仕事にも、きつい時期や辛い出来事は必ずあります。
臨床工学技士だけが特別にしんどいわけではありませんので、現在臨床工学技士を目指している方は不安になる必要はありません。
安心して日々の勉強に取り組んでください。
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▶資料請求して特典を受け取るこの記事の執筆者 増岡 匠也
臨床工学技士・消化器内視鏡技師
大学を卒業後就職し、2年間働き退職。その後臨床工学技士専門学校へ入学し臨床工学技士として働く。
現在臨床工学技士8年目で機器管理、透析、内視鏡、心カテ、手術室業務を経験。
臨床工学技士の知名度を上げるための情報発信を行っている。
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