第二級陸上特殊無線技士(二陸特)を受験しようと思いつつも、躊躇している人もいると思います。

このコラムでは、二陸特の難易度について解説します。

二陸特を受験されようとしている方に参考になればと思います。

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第二級陸上特殊無線技士の難易度は低い!

二陸特の難易度は低いです。

理由としては以下の通りです。

理由1 出題される問題が狭く浅い範囲である

二陸特は「法規」と「無線工学」の2科目です。

法規については、最低限知っておくべき事項のみで、難しい問題は出題されません。

無線工学については、「取扱方法」であり、基本的には無線機をどうやって使用するかという実務に沿った内容がメインとなります。

理由2 過去問がそのままでる事が多い

新問もたまには出てきますが、基本的には過去問と同一問題がそのまま出題されます。選択肢まで一緒の時が多くあります。

したがって、最低限の知識を得た上で、過去問を解いていけば、確実に点数がとれるようになります。

無線資格との難易度比較

二陸特の隣接科目としては、

  • 第一級陸上無線技術士
  • 第二級陸上無線技術士
  • 第一級陸上特殊無線技士
  • 第三級陸上特殊無線技士

があります。

陸上無線技術士はレベルが格段に異なるので、ここでは陸上特殊無線技士の3種についてみてみます。

国家試験の情報は次の通りです。

  一陸特 二陸特 三陸特
科目 法規
無線工学
法規
工学
法規
工学
科目合格 なし なし なし
受験資格 なし なし なし
受験者数(R2年度) 4,986人 4,177人 1,410人
合格者数(R2年度) 2,122人 3,582人 1,211人
合格率(R2年度) 42.6% 84.5% 85.3%

※令和3年度以降に関して電話で問い合わせたところ「公表していない」との返答がありました。

また、これらの資格は養成課程で取得でき、養成課程は次の通りです。

  一陸特 二陸特 三陸特
受験資格 あり なし なし
受講時間 無線工学 48時間以上 4時間以上 2時間以上
法規 6時間以上 5時間以上 4時間以上
実施回数(R2年度) 71回 315回 603回
受講者数(R2年度) 1,242人 11.519人 15,225人
修了者数(R2年度) 1,230人 11,471人 15,211人
修了率 99% 99% 99%

これからわかるとおり、二陸特はお金を払い2日間の養成課程を受講すればほぼ取得できる資格となります。

二陸特と三陸特の資格により扱える機器の違いは、主にレーダーです。

ですが、レーダーを使用する部署は限りなく少ないため、実用上は三陸特で問題ありません。

しかしながら、二陸特も三陸特も難易度が殆ど変わらないので、より上位である二陸特を取得することをおすすめします。

第一級と第二級特殊無線技士の難易度の差が大きい理由

ますは、この二つの資格の操作範囲を見てみます。

資格名 操作範囲
一陸特 1.陸上の無線局の空中線電力500W以下の多重無線設備(多重通信を行う事ができる無線設備でテレビジョンとして使用するものを含む。)で30MHz以上の周波数の電波を使用するものの技術操作
2.多重無線設備以外の操作で第二級陸上特殊無線技士の操作の範囲に属するもの
二陸特 1.次に掲げる無線設備の外部の転換装置で電波の質に影響を及ぼさないものの技術操作
イ 受信障害対策中継放送局及び特定市区町村放送局の無線設備
ロ 陸上の無線局の空中線電力10W以下の無線設備(多重無線設備を除く。)で1606.5kHzから4000kHzまでの周波数の電波を使用するもの
ハ 陸上の無線局のレーダーでロに掲げるもの以外のもの二 陸上の無線局で人工衛星局の中継により無線通信を行うものの空中線電力50W以下の多重無線設備2.第三級陸上特殊無線技士の操作の範囲に属する操作

即ち、一陸特になると、多重無線(マイクロ無線等)が扱えるようになります。

また、一陸特を取得すると、登録点検事業者の点検員となることができ、仕事の幅が広がります。

そのため、試験の内容も異なっており、出題範囲は次の通りです。

資格名 法規 無線工学
一陸特 電波法及びこれに基づく命令の概要 1.多重無線設備(空中線系を除く。)の理論、構造及び機能の概要
2.空中線系等の理論、構造及び機能の概要
3.多重無線設備及び空中線系等のための測定機器の理論、構造及び機能の概要
4.多重無線設備及び空中線系並びに多重無線設備及び空中線系等のための測定機器の保守及び運用の概要
二陸特 電波法及びこれに基づく命令の簡略な概要 無線設備の取扱方法(空中線系及び無線機器の機能の概念を含む。)

このとおり、具体的内容を把握しておく必要があります。

また、会社が取得させる場合、二陸特は養成課程で取得させますが、一陸特では受講要件を満たせないことが多いので、国家試験を受験させることが多くなります。

そのため、合格率の差がこのように開きます。

第二級陸上特殊無線技士試験に落ちるのはどんな人?

二陸特の試験に落ちるのは、「簡単だと思って勉強をしなかった人」です。

既に書いていますが、二陸特は過去問がそのまま出ます。そのため、過去問をしっかりすれば、落ちることはまずありません。

ただ、やみくもに過去問を解いても何が何だか解りません。

不安であれば、過去問を研究し効率的に勉強できるeラーニングや、お金を払って養成課程を受講するのも一つの手だと思います。

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この記事の著者  橋爪 兼続 講師

橋爪 兼続 講師 講師紹介はこちら


【保有資格】
・第一級陸上無線技術士
・第一級海上無線通信士
・航空無線通信士
・第二級アマチュア無線技士

海上保安大学校卒業後、大型巡視船の主任通信士として通信業務に携わりました。
退職後、地場鉄道会社の子会社において、鉄道関連の無線設備の保守等に従事し、社内向けに第一級陸上特殊無線技士の取得講座を行っています。

その一方で、他社からの依頼により、第二級及び第三級陸上特殊無線技士並びに第三級及び第四級アマチュア無線技士の養成課程講師としても活動しています。

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