1級陸上特殊無線技士は、3級陸上無線技術士と言われるぐらい、2級陸上特殊無線技士や3級陸上特殊無線技士とは難易度が格段に上がります。

無線従事者養成課程で取得する方法(一定の受講資格制限あり)もないわけではないですが、2週間近く仕事を休むことになり、現実的ではありません。

では、第1級陸上特殊無線技士試験で合格するためには、どのように勉強すれば良いかということについて解説していきます。

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第1級陸上特殊無線技士試験の試験内容

科目、問題数、配点、合格点、合格ライン

科目工学法規
問題数24問12問
配点120点(1問5点)60点(1問5点)
合格点75点(15問)以上40点(8問)以上
合格ライン60%以上60%以上

1級陸上特殊無線技士(1陸特)は、工学と法規の2科目あり、それぞれ24問、12問となっています。

配点は全問5点となっているため、工学が120点、法規が60点が満点となります。

合格点は各科目6割以上となっているため、工学は15問、法規は8問正解すれば良いことになります。

また、1級陸上特殊無線技士では、科目合格はありません。

1度の試験で2科目とも合格する必要があります。

なお、2級総合無線通信士を有していれば法規科目が免除されます。

出題形式

出題形式は多岐選択式(4~5択)のマークシート方式となっています。

また、他の試験では、「1~4に正解がない」というような問題や「誤っている選択肢の数」を問われる問題がありますが、1級陸上特殊無線技士では、そのような問題はありません。

試験時間

試験時間は3時間となっていますが、勉強をしているのであれば、1~2時間あれば解ける問題量となっていますので、時間配分を気にする必要はありません。

また、法規と工学は同時に配布され、自分の好きな科目から解くことが可能です。

実際に試験会場では、最後まで残る人は少なく、途中退出する人が数多くいます。

第1陸上特殊無線技士試験の勉強の流れ

2級、3級陸上特殊無線技士を取得後に1級陸上特殊無線技士を取得される方もいますが、最初から1級陸上特殊無線技士を取得したとしても勉強量はさほど変わりません。

それほど1級陸上特殊無線技士は難易度が上がります。

まずは工学から勉強を始める

法規と工学の2種類ありますが、工学を先に勉強することをおすすめしています。

理由としては、法規の方が簡単ですが、工学の内容がわからないと、法規の内容がわからないという事象が発生するからです。

基本書等でインプットし、その後過去問を解いていく

基本的な勉強法としては、ベースとなる知識をインプットするために基本書やテキストを用いた勉強、その後は過去問を利用した勉強をするという順番になります。

過去に大学や他の資格(工事担任者や電気通信主任技術者等)で無線工学や通信工学の勉強したことがある方は、いきなり過去問からでも問題ありません。

第1陸上特殊無線技士試験の数学の難しさはどれくらい?

1級陸上特殊無線技士は数学が難しいという意見もありますが、基本的な公式への当てはめで解くことができます。

難易度としては、小学校で学ぶ四則演算、中学校で学ぶ1次方程式、高校で学ぶ対数関数(log)の基本のレベルです。

長期間数学から離れていた方でも、四則演算と一次方程式の解き方が解っていれば、取得は目指せます。

試験科目ごとの勉強法

法規科目の勉強法

法規で重要なことは、概要の把握と過去問による出題分の把握です。完全な暗記問題です。

しかし、暗記量としては他資格に比較してかなり少ないです。

無線従事者関係の法改正は頻繁に行われていますが、国家試験で問われるような基本的な事項については、改正されることは殆どありません。

過去問を解いていくとわかりますが、いわゆる使い回しの問題も数多くあります。

基本的な出題形式としては「誤っているものを選べ」「適切なものを選べ」という2種類ですが、間違い方が基本的に同じです。

したがって、どの部分が間違っているのかを覚えていくと、効率的に点数がとれるようになります。

一番重要なことは、「正しく日本語を読む」ということです。

焦らずに問題文を正確に読む練習をしましょう。

工学科目の勉強法

工学は暗記問題と計算問題に分かれます。

暗記問題

知識を問われる暗記問題は、法規と同様です。

計算問題

計算問題は、自分で何度も解き、選択肢がなくても計算して求められるようになるまで練習が必要です。

なお、計算問題も出題形式が限られていますので、解き方を覚えれば、確実に点数を取ることができます。

計算問題を全て捨てても合格できない訳ではありませんが、そのようなリスクが高い勉強法はおすすめできません。

計算が嫌いという人も手続きとして計算方法を覚えましょう。

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この記事の著者  橋爪 兼続 講師

橋爪 兼続 講師 講師紹介はこちら


【保有資格】
・第一級陸上無線技術士
・第一級海上無線通信士
・航空無線通信士
・第二級アマチュア無線技士

海上保安大学校卒業後、大型巡視船の主任通信士として通信業務に携わりました。
退職後、地場鉄道会社の子会社において、鉄道関連の無線設備の保守等に従事し、社内向けに第一級陸上特殊無線技士の取得講座を行っています。

その一方で、他社からの依頼により、第二級及び第三級陸上特殊無線技士並びに第三級及び第四級アマチュア無線技士の養成課程講師としても活動しています。

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