本記事では、第一級陸上特殊無線技士(一陸特)の「無線工学」科目の概要や勉強法等について紹介します。

「無線工学」とは、無線を使用するに当たって必要な電波の性質や、電気回路等のことです。

無線を使用する際にはそこまで無線工学に関しては考えませんが、保守点検を実施するに当たってはこの知識が必要となります。

本記事を参考に、試験対策に活用していただければと存じます。

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「無線工学」科目とは?

無線工学では、以下の項目が試験範囲となっています。

  1. 多重無線設備(空中線系を除く)の理論、構造及び機能の概要
  2. 空中線系等の理論、構造及び機能の概要
  3. 多重無線設備(空中線系を除く)及び空中線系等のための測定機器の理論、構造及び機能の概要
  4. 多重無線設備(空中線系を除く)及び空中線系並びに多重無線設備及び空中線系等のための測定機器の保守及び運用の概要

このとおり、「理論」が問われます。

保守点検は無線従事者として実施する必要があるので、知識として身につけておかなければならない内容です。

無線工学の試験は、出題数が24問で6割以上である15問以上で合格となります。

逆に考えると9問も間違うことができます。

難易度としては若干難しいですが、対策さえすれば合格はできる科目です。

第一級陸上特殊無線技士試験「無線工学」科目の出題数

項目毎の出題数は次の通りとなっています。

なお、この出題数は1問程度増減することがあります。

項目 出題数
多重通信システム 3
基礎理論 4
変調 2
送受信装置 3
中継方式 2
レーダー 2
アンテナ 2
電波伝搬 3
電源 1
測定 2

この表のとおり、幅広い範囲から出題されます。

従って、各科目でしっかりと対策を行うことが必要です。

陸上特殊無線技士試験「無線工学」の勉強法

「多重通信システム」の勉強法

多重通信システムでは、衛星通信やマイクロ波通信、デジタル伝送方式が出題されます。

身近なものではなく、理解するのは難しいと思いますが、問題の傾向がはっきりしていますので、過去問から対策を立てれば得点源となります。

「基礎理論」の勉強法

基礎理論は、基本的な電気回路や電子回路が出題されます。

基本的に計算問題となりますので、各種公式や現象、対数関数等の計算ができないと解くことができません。

ただ、公式や問われる内容は限られていますので、何度も解き直し、確実に身につけましょう。

全分野で一番出題数が多いので、ここを避けては合格することが難しくなります。

「変調」の勉強法

変調は、無線機が送信信号をどのように送信波に変換するのかが問われます。

内容をしっかり理解することは非常に難しいので、現象として何が起こるのかを把握しておけば問題ありません。

なお、出題傾向としてもはっきりしていますので、対策をすれば得点源となります。

「送受信装置」の勉強法

送受信装置は、無線装置内部の仕組みとなります。

この項目も数多く計算問題が出題されます。

また、対数関数の計算が必要となります。

ただし、計算問題として出題されるパターンは限られており、対策すれば十分得点がとれます。

また、計算問題以外にも知識問題が問われます。

これについては、現象としてしっかり覚えてください。

「中継方式」の勉強法

地上茎マイクロ波多重通信の中継方式について出題されます。

一部計算問題となりますが、基本的には知識問題となります。

パターンは多いですが、頻出問題について押さえておけば問題ありません。

「レーダー」の勉強法

レーダーの仕組みや特性について出題されます。

ここでは計算問題がメインとなります。

計算の難易度は高くないですが、公式を知らないと解けないので、公式をしっかり覚えておく必要があります。

「アンテナ」の勉強法

アンテナの仕組みや構造について出題されます。

計算問題もあり、対数関数の計算も出題されます。

公式を覚えておくことも必要ですが、頻出する知識問題については押さえておく必要があります。

「電波伝搬」の勉強法

電波伝搬は、電波がどのように伝搬するかということについて出題されます。

知識問題も計算問題も出題されます。

計算問題では、対数関数の計算が出てきます。しっかり公式を覚えておく必要があります。

知識問題については、頻出問題があるので、それを押さえておけば問題ありません。

「電源」の勉強法

電源装置の仕組みや電池について出題されます。

電池が出題されると身近でわかりやすいかもしれません。

この範囲は出題範囲が狭く、出題された場合は確実に得点することが必要です。

「測定」の勉強法

無線機を想定する際の方法について出題されます。

実務としては一番必要となる知識です。

計算問題がメインとなり、一部知識問題もあります。

計算問題は対数関数の計算が出題されるため、しっかり計算方法を押さえておく必要があります。

対数関数の計算をできるようになろう!

一陸特の無線工学を合格するためには、対数関数の計算ができるようになることが重要です。

対数関数の計算自体は難しいですが、出題形式が限られているので、それぞれでどのように計算していくのかを把握することで確実に得点できるようになります。

知識問題にあっても、頻出問題をしっかり押さえておけば問題ありません。

過去問を何度も解き、しっかり対策を行えば確実に合格することができます。

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この記事の著者  橋爪 兼続 講師

橋爪 兼続 講師 講師紹介はこちら


【保有資格】
・第一級陸上無線技術士
・第一級海上無線通信士
・航空無線通信士
・第二級アマチュア無線技士

海上保安大学校卒業後、大型巡視船の主任通信士として通信業務に携わりました。
退職後、地場鉄道会社の子会社において、鉄道関連の無線設備の保守等に従事し、社内向けに第一級陸上特殊無線技士の取得講座を行っています。

その一方で、他社からの依頼により、第二級及び第三級陸上特殊無線技士並びに第三級及び第四級アマチュア無線技士の養成課程講師としても活動しています。

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