資格試験を受けようと申込みをしたが、結局直前まで勉強できなかったという人もいると思います。

このコラムでは一陸特で直前まで勉強できなかった人が一夜漬けで合格できるか否かという点を解説していきます。

養成課程講師として長年活躍する経験豊富な講師によるオンラインレッスン

資料請求でお試しテキストとサンプル講義をプレゼント

1分で簡単無料体験(会員登録→お申込み→視聴)

一陸特を一夜漬けで合格するのはかなり難しい

一陸特を一夜漬けで合格することは非常に難しいです。

理由としては、しっかり理解していないと、解けない問題が多いということがあげられます。

実務で関わっている人であっても法規や具体的な仕組みなどを知らないことが多く、きちんと対策を行わないと合格することは難しいです。

一陸特は、マークシート方式なので、解らない問題があってもマークをしておけば正解になる問題もあるかもしれませんが、試験はそんなに甘いものではありません。

法規は12問、無線工学24問で、合格にはそれぞれ8問以上、15問以上正解する必要があります。

選択肢は法規は4択、無線工学は4択又は5択ですが、全て4択だと仮定して、確実に正解すると解っている場合以外をランダムで選んだ場合の合格率は次のようになります。

    法規の確実な正答数
   

0

1

2

3

4

5

6

7

8



工学






0

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

1

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

2

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.1%

0.1%

3

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.1%

0.1%

0.2%

4

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.1%

0.2%

0.3%

0.4%

5

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.1%

0.2%

0.4%

0.7%

0.9%

6

0.0%

0.0%

0.0%

0.1%

0.2%

0.5%

0.9%

1.5%

1.9%

7

0.0%

0.0%

0.1%

0.2%

0.5%

1.0%

1.9%

3.1%

4.0%

8

0.0%

0.1%

0.2%

0.4%

0.9%

1.9%

3.7%

6.1%

8.0%

9

0.0%

0.1%

0.3%

0.7%

1.7%

3.6%

6.9%

11.3%

14.8%

10

0.1%

0.2%

0.5%

1.3%

2.9%

6.3%

12.0%

19.7%

25.8%

11

0.1%

0.3%

0.8%

2.0%

4.7%

10.1%

19.4%

31.7%

41.6%

12

0.2%

0.5%

1.2%

3.0%

6.9%

14.8%

28.4%

46.5%

60.9%

13

0.2%

0.6%

1.6%

3.9%

9.1%

19.6%

37.4%

61.2%

80.3%

14

0.3%

0.7%

1.9%

4.6%

10.7%

23.0%

44.0%

72.0%

94.4%

15

0.3%

0.8%

2.0%

4.9%

11.4%

24.4%

46.6%

76.3%

100.0%

この表をみて解るとおり、ともに合格点以上の確実な正解を導き出せない場合は、殆どの場合不合格となります。

難易度としても、二陸特や三陸特のように合格させる試験ではないので、一夜漬けでこれだけ確実な正解に持って行くことは無理なことです。

一夜漬けで合格できる可能性があるのは?

一夜漬けで合格できる人はいない訳ではありません。

  • 工学関係の勉強をした人
  • 実務として無線の技術的な分野や申請に携わっている人
  • 電気通信主任技術者や工事担任者を有している人

は、一夜漬けで合格する可能性があります。

一方で、二陸特や三陸特、3アマや4アマを有しているとしても、一陸特を一夜漬けで合格する可能性は低いです。

まして、高校までの物理(電気分野)や対数関数(ログ)がわからなければ、ほぼ一夜漬けでの合格の可能性は0に等しくなります。

一夜漬けで合格する方法

一夜漬けを行う場合は、行うことは決まっています。過去問の演習です。

無線従事者資格は、問題の使い回しも多く、約半数がそのままです。

問題の焼き直し・類似問題も含めれば9割程度になります。

過去問演習を行う際に、以下のように行ってください。

<法規>科目の過去問演習

1.条文を問う問題

次のような条文を問う問題の場合は、その条文を覚えます。

【令和4年2月度 工学A[4]】

2.適合するもの/適合しないものを選ぶ問題

次のような適合するもの/適合しないものを選ぶものは、正解の選択肢を覚えるとともに、適合しない選択肢の何が間違っているかを調べて、正しいものを覚えます。

なお、参照する条文は全て問題文に記載されているので、すぐに調べることができます。

【令和4年2月度 工学A [6]】

<無線工学> 科目の過去問演習

1.知識を問う問題

知識を問う問題では、2種類あります。

次のような空欄補充の場合は、そのまま覚えます。

【令和4年2月度 無線工学A[6]】

次のような正誤問題で知識を問う問題では、他の選択肢が何の事を指しているのか調べてください。

【令和4年2月度 無線工学A[14]】

2.正しいもの/誤っているものを選ぶ問題

正しいもの/誤っているものを選ぶ問題では、正しいものを覚え、間違っているものの何処が間違っているかを調べ、正しいものを覚えて下さい。

【令和4年2月度 無線工学A[19]】

3.計算問題

計算問題は解き方を覚えてください。

しかし、どうしても難しいという場合は、問題文と答えをそのまま覚え、全く同じ問題が出ることに賭けるというのも一つの手段です。

【令和4年2月度 無線工学A[15]】

自信がなくても受験すべき?

合格しないのが明らかな場合に記念受験すべきかという点ですが、受験すべきであると思います。

理由としては2つあります。

1.合格する可能性が0ではない

無線従事者の試験はマークシート方式です。可能性は限りなく低いですが、0ではありません。

したがって、受験すべきです。

しかしながら、考えて解りそうな所は時間がある限り頑張るのが重要です。

合格点ギリギリでも満点でも合格であるという点は同じです。

2.試験会場の雰囲気を味わう

無線従事者の試験を受けたことがない人は、その試験の雰囲気がどのようなものか一度経験しておく事をお勧めします。

また、受験会場の環境なども確認することができます。

養成課程講師として長年活躍する経験豊富な講師によるオンラインレッスン

資料請求でお試しテキストとサンプル講義をプレゼント

1分で簡単無料体験(会員登録→お申込み→視聴)

この記事の著者  橋爪 兼続 講師

橋爪 兼続 講師 講師紹介はこちら


【保有資格】
・第一級陸上無線技術士
・第一級海上無線通信士
・航空無線通信士
・第二級アマチュア無線技士

海上保安大学校卒業後、大型巡視船の主任通信士として通信業務に携わりました。
退職後、地場鉄道会社の子会社において、鉄道関連の無線設備の保守等に従事し、社内向けに第一級陸上特殊無線技士の取得講座を行っています。

その一方で、他社からの依頼により、第二級及び第三級陸上特殊無線技士並びに第三級及び第四級アマチュア無線技士の養成課程講師としても活動しています。

講座を見る