登録日本語教員はいつから取得できる?必要な場合、なり方まで解説
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「登録日本語教員資格はいつから取得できるの?」
「登録日本語教員資格はどのように取得すればいいの?」
上記のような疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
日本語教育に携わりたいと思っているものの、特に、制度の改正や新たな資格制度が導入されると、その手順や必要な準備について把握するのは難しいですよね。
登録日本語教員制度は、教育の質を高め、より多くの外国人に効果的な日本語教育を提供するために設けられたものですが、具体的な取得方法や時期についてはこれから情報が公開されるということもあり、まとまったが少ないのが現状です。
そこで本コラムでは、登録日本語教員の資格を取得するためのプロセスや具体的な取得時期について解説します。
試験ルートや養成機関ルート、現職者向けの経過措置についても触れ、それぞれのルートの特徴を整理しています。
本コラムを読むことで、あなたが選ぶべき最適なルートが見つかり、スムーズに資格取得への道を進むことができるでしょう。
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登録日本語教員はいつから取得できる?
文部科学省に設置された「日本語教育小委員会」の「第124回日本語教育小委員会」が公表した資料「令和6年度以降の日本語教員試験の実施について」において、令和6年度の第1回日本語教員試験の実施日は2024(令和6)年11月17日(日)とすることが公表されました。
試験ルートで資格を取得する場合
登録日本語教員となるためには、原則として、認定日本語教育機関において日本語教育を行うために必要な知識及び技能についての「日本語教員試験(基礎試験と応用試験により構成)」に合格し、文部科学大臣の登録を受けた登録実践研修機関が実施する「実践研修」を修了しなければなりません。
そのため、登録日本語教員資格を取得するうえでは、「基礎試験」と「応用試験」に合格したあと、「実践研修」を修了する必要があります。試験に合格し実践研修を終えたあととなることから、試験ルートで登録日本語教員資格を取得できるのは、2025年春以降ということになるでしょう。
試験日程
2024(令和6)年11月17日(日)
・試験に出願に関する詳細は、2024(令和6)年の6月頃に公開される受験案内を確認してください
・2024年6月現在、第1回試験の出願期間は2024(令和6)年8月上旬~9月上旬が予定されており、試験の詳細は6月頃公表予定の受験案内で公表される見込み
合格発表日
2024(令和6年)12月20日(金)
・基礎試験・応用試験の合格発表は、試験実施から数週間以内に発表される見込み
試験ルートでは、2024(令和6)年11月17日(日) に文部科学省が実施予定の「日本語教員試験」にまず合格する必要があります。
試験ルートにおける実践研修
試験に合格した後、登録日本語教員としての資格を取得するには、文部科学大臣が登録する「登録実践研修機関」で実施される実践研修を修了する必要があります。
この研修は、2024年の秋以降に実施される予定ですが、具体的な日程はまだ確定していません。おおよそ、2024年秋頃以降の開始を見込んでおくと良いでしょう。
実践研修の研修期間についてはまだ決まっていないものの、「実践研修の指導時間は、45単位時間(1単位時間は45分以上。※大学の単位に換算すると1単位)以上とする」とされているため、33.75時間(1単位時間45分×45単位時間)以上の実践研修を受けなければなりません。
1週間で4時間の実践研修を受講する場合を考えると、8週(約2ヶ月)かかることから、実践研修修了までには2〜3ヶ月程度を見込んでおく必要があるでしょう。
参考: 登録実践研修機関・登録日本語教員 養成機関に関する省令等の案について
試験ルートにおける資格取得までの期間
試験ルートで資格を取得するには、試験合格から実践研修が修了して修了証が発行されるまで、おおよそ半年程度が見込まれます。
養成機関ルートで資格を取得するケース
試験に合格して実践研修を終えて登録日本語教員を目指すルート(試験ルート)がある一方で、特定の養成機関などにおいて課程を終えた方は、基礎試験が免除されるルート(養成機関ルート)もあります。
養成機関ルートを選択した場合でも、応用試験に合格する必要があることから、登録日本語教員資格を取得できるタイミングは2025(令和7)年以降と変わりません。
ただし、登録日本語教員養成機関の登録申請受付は、2024年の夏頃から開始され、実際に登録が行われるのは2024年秋以降となる予定となっており、2024年6月現在、登録日本語教員養成機関はまだ未定となっています。
養成機関ルートでは、養成機関となる大学等においては25単位、専門学校等においては、375単位時間以上の過程を修了しなければなりません。その後、登録日本語教員試験を受験することになります。
登録日本語教員試験は、2024年は1回のみ実施が予定されているため、養成機関ルートの場合、早くとも2025年の秋~冬頃に実施される見込みの第2回登録日本語教員試験(基礎試験免除のため応用試験のみ)を受けることになるでしょう。
したがって、養成機関ルートを利用する場合、2026年(令和8)の春以降に登録日本語教員資格を取得できると考えられます。
養成機関での学習期間
養成機関における学習期間は以下が目安となります。ただし、2024年6月時点において、養成機関は具体的なカリキュラムを整備して、認定される準備をしている段階です。
したがって、以下の養成機関における学習期間はあくまでも目安となります。
登録実践研修機関と登録日本語教員養成機関の登録を受けた機関で課程を修了する方
大学等 | 26単位以上の取得が必要で、通常1〜2年の学習期間が必要 |
専門学校等 | 420単位時間以上のカリキュラムの受講が求められ、1〜2年の学習期間が一般的 |
登録日本語教員養成機関の登録を受けた機関で課程を修了する方
大学等 | 25単位以上の取得が必要で、通常1〜2年の学習期間が必要 |
専門学校等 | 375単位時間以上のカリキュラムの受講が求められ、1〜2年の学習期間が一般的 |
養成機関における学習を修了したあとで、日本語教員試験を受験することになるため、登録日本語教員資格を得るためにはさらに時間がかかります。
養成機関ルートにおける実践研修
養成機関ルートのうち、「登録日本語教員養成機関の登録を受けた機関で課程を修了する方」については、養成機関の課程修了後、試験に合格したのち「実践研修」を受講しなければなりません。
一方、養成機関ルートのうち、「登録実践研修機関と登録日本語教員養成機関の登録を受けた機関で課程を修了する方」については、「実践研修」は養成課程と一体的に実施されるため、養成課程修了後に日本語教員試験(応用試験)に合格することで登録日本語教員資格を取得できます。
養成機関ルートにおける資格取得までの期間
養成機関ルートでの資格取得は、養成課程から実践研修修了までの期間を含めて、おおよそ2年程度が見込まれます。
現職者で経過措置を受けて資格を取得するケース
登録日本語教員資格は、2023年(令和5年)に施行された「日本語教育機関の認定等に関する法律」に基づき、正式に導入されるものです。
「日本語教育機関の認定等に関する法律」は、日本語教育の質の確保と、専門的な日本語教師の育成を目的としており、日本語教育機関の認定と、そこで日本語を指導するための登録日本語教員の資格制度を新設しました。
日本語教員資格を取得するためには、試験ルートと養成機関ルートが原則的なルートとなっているものの、新しい制度へのスムーズな移行と現在、日本語教師として活躍する方の負担を軽減する目的で、経過措置が設けられています。
経過措置を利用する場合でも、基礎試験ルートや養成機関ルートよりも先んじて資格が取得できるわけではないことから、現職者が日本語教員資格が取得できるのは、2025(令和7)年以降ということになるでしょう。
現在日本語教師として活躍する人のうち、登録日本語教員資格を取得したい方は、経過措置の適用を受けることで、登録日本語教員資格を取得できます。
経過措置の適用を受ければ、特定の要件を満たす現職者に対して、日本語教員試験(基礎試験と応用試験)や実践研修の免除が認められるものです。
経過措置の対象
経過措置の対象となるのは次のような要件に該当する方のみです。
- Cルート: 「必須の教育内容50項目に対応した日本語教員養成課程等」を修了し、学士、修士、博士の学位を有する方。
- D-1ルート: 現職者で、文部科学省の確認を受けた養成課程等を修了し、学士以上の学位を有する方。
- D-2ルート: 現職者で、現行告示基準教員要件に該当する養成課程等を修了し、学士以上の学位を有する方。
- E-1ルート: 現職者で、日本語教育能力検定試験(昭和62年4月1日から平成15年3月31日実施)に合格した方。
- E-2ルート: 現職者で、日本語教育能力検定試験(平成15年4月1日から令和6年3月31日実施)に合格した方。
- Fルート: 上記以外の現職者の方。
なお、経過措置の適用は、2024年(令和6)年4月1日から2029(令和11)年3月31日までの間のみとなるので注意してください。
経過措置の詳細については、以下の記事を参考にしてください。
■ 【現職向け】登録日本語教員の経過措置とは?6つのルートと講習内容を解説
経過措置の講習
経過措置のルートのうち、D-1、D-2、E-1 及び E-2 のルートの経過措置の対象者の方が日本語教員試験の免除を受けるためには、文部科学省が実施する講習を受講し修了しなければなりません。
講習は、講習Ⅰ及び講習Ⅱがあり、それぞれの対象範囲等は以下の通りです。
項目 | 対象範囲 | 時間 | 修了試験 |
講習1 | 平成12年報告で新たに追加された内容を中心に構成 | 90 分×5コマ程度 各コマで単元確認(10問程度)を実施 |
50問程度 |
講習2 | 平成31年審議会報告で追加された内容及び近年の情勢等の変化が大きい内容を中心に構成 | 90 分×5コマ程度 各コマで単元確認(10問程度)を実施 |
100問程度 |
経過措置のための講習(講習1と講習2で構成)については、2024(令和6)年10月15日より受付を開始し、11月1日より受講可能になる予定です。
各講習は、現職日本語教師を対象に実施され、インターネット上でオンデマンドで受講するものとし、経過措置期間中(令和11年度まで)は任意のタイミングで受講することが可能です。
講習後は、講習修了確認試験を実施し、講習内容の定着が確認できたことをもって講習修了となります。
講習の具体的な申込方法については準備が整い次第公表される予定です。
参考: 日本語教員試験に関すること:文部科学省
参考: 登録日本語教員の 登録申請の手引き p.8
資格取得までの期間
経過措置の適用を受けることで試験の免除対象者となる場合でも、試験に出願し、免除資格の確認を経たうえで合格証書を取得しなければ登録日本語教員となることはできません。
また、基礎試験の合格または免除を得なければ、応用試験に合格することもできないので注意してください。
したがって、経過措置を受けて資格を取得する場合でも、2024(令和6)年11月17日(日) に実施される試験に出願する必要があります。
2024(令和6)年6月現在、第1回試験の出願期間は2024(令和6)年8月上旬~9月上旬が予定されており、試験の詳細は6月頃公表予定の受験案内で発表される見込みです。
また、D-1、D-2、E-1 及び E-2 のルートの経過措置の対象者が日本語教員試験の免除を受けるために文部科学省が実施する講習の修了証は、日本語教員試験申込時点で原則提出が求められますが、受験申込時に講習を修了していない場合、試験が実施された翌年の4月までに修了証を提出すれば良いことになっています。
この場合、修了証が提出されるまでの間、日本語教員試験の結果が合格基準を満たしていても仮合格の扱いとなり、期限までに修了証が提出されなければ合格は取り消されるので注意してください。
参考: 日本語教員試験に関すること:文部科学省
参考: 登録日本語教員の 登録申請の手引き
登録日本語教員が必要なのは認定日本語教育機関で働く場合のみ
登録日本語教員資格は、特定の条件下でのみ必要とされる資格です。
具体的に、日本語教員資格が必要となるのは、認定日本語教育機関で働く場合のみです。
認定日本語教育機関とは、国が定める特定の基準を満たした教育機関であり、これから新たに設置される制度の一環として、日本語教育の質の向上を目指しています。
認定日本語教育機関で教鞭をとるためには、登録日本語教員としての資格が求められるため、現職で認定機関に所属している教員や、将来的に認定機関で働く希望がある者にはこの資格が必要となります。
一方で、その他の日本語教育機関での教育活動や、オンラインでの日本語会話授業などでは、この資格は必須ではありません。
ただし、業界の動向によっては、求人条件として登録日本語教員資格を望む場合が出てくるかもしれません。
したがって、資格を持っていることによるデメリットはなく、むしろ将来的により多くの選択肢を持つことができると言えるでしょう。
現在、認定日本語教育機関の設立に向けた準備は進行中であり、具体的な認定を受けたスクールはまだ存在しません。
登録日本語教員養成機関については、2024(令和6)年夏頃から登録の申請受付を開始し、2024(令和6)年秋以降に登録が行われる予定です。
登録日本語教員養成機関の一覧については今後、登録が行われた後で、日本語教育機関認定法ポータルにおいて公開される予定です。
参考: 登録日本語教員の 登録申請の手引き p.9
登録日本語教員になるには
登録日本語教員としての資格を取得するためには、主に以下の3つのルートがあります。
各ルートは、異なる対象者や要件に応じて設計されています。ここでは、それぞれのルートの概要と目的について説明します。
試験ルートの場合
試験ルートは、日本語教育に必要な知識と技能を身につけるために、「基礎試験」と「応用試験」の2段階の試験を受けて合格することで資格を取得します。
このルートは、教育現場での実践力を問う「実践研修」の修了も必要です。
基礎試験では、日本語教育の基礎的な理論や知識を問われ、応用試験では、実際の教育現場で必要とされる応用的な技能が評価されます。
・試験ルートの対象者
日本語教員としての経験がない方や、初めて日本語教員を目指す方に最適です。
・試験ルート設定の目的
教育の質を担保し、基礎から応用までしっかりとした日本語教育能力を持つ教員を育成することを目的としています。
・試験ルートにおける資格取得までのプロセス
- 基礎試験:日本語教育の理論や知識についての試験
- 応用試験:教育現場での実践的な技能を問う試験
- 実践研修:文部科学大臣が登録する研修機関で、日本語教育の実践的なスキルを習得するための研修
養成機関ルートの場合
要請機関ルートでは、文部科学大臣の登録を受けた「登録日本語教員養成機関」が提供する養成課程を修了することで、資格を取得するルートです。
養成機関ルートでは、日本語教員試験の基礎試験が免除されるため、応用試験と実践研修の修了のみで資格を得ることが可能です。
養成機関は、大学や専門学校で提供され、基礎的な理論から実践的なスキルまで、幅広く学習することが求められます。
・養成機関ルートの対象者
大学や専門学校で日本語教育を専門に学ぶ学生に適しています。
・養成ルート設定の目的
日本語教育の理論と実践を体系的に学ぶことで、質の高い教育者を育成することを目的としています。また、養成課程を通じて、日本語教育の幅広い知識とスキルを習得することを重視しています。
・養成ルートにおける資格取得までのプロセス
- 養成課程:日本語教育の理論、教授法、カリキュラム開発、評価方法などを体系的に学ぶ
- 基礎試験:免除
- 応用試験:教育現場での応用力を評価する試験
- 実践研修:養成課程を修了後に実施される、実際の教育現場での研修 ただし、実践研修が養成課程と一体的に実施されるルートもある
現職者の経過措置ルートの場合
現職者の方には、資格取得の負担を軽減するために「経過措置」が設けられています。
経過措置は、日本語教員試験や実践研修の一部または全部の免除が認められるもので、現職者の実績や経験に基づいて資格を取得しやすくするための特別なルートです。
対象となる方は、一定の要件を満たすことで、必要な講習や試験を免除される場合があります。
・経過措置ルートの対象者
現在すでに日本語教育に従事している教員や過去に日本語教育経験のある方が対象です。
なお、経過措置の適用を受けることで試験の免除対象者となる場合でも、試験に出願し、免除資格の確認を経たうえで合格証書を取得しなければ登録日本語教員となることはできません。
また、基礎試験の合格または免除を得なければ、応用試験に合格することもできないので注意してください。
・経過措置ルート設定の目的
現職者の経験や知識を考慮し、新たな資格制度への円滑な移行を支援することを目的としています。
また、現職者が持つ豊富な実務経験を尊重し、負担を軽減することで、新しい制度への適応を促進します。
・経過措置ルートにおける資格取得までのプロセス
- 講習: 文部科学省が実施する現職者向けの特別講習(講習1・講習2)を受講
- 日本語教員試験免除: 日本語教員試験の基礎試験や応用試験の免除を受けることが可能(ルートによって免除されるものが異なる点に注意)
- 実践研修免除: 日本語教育に関する実務経験に応じて、実践研修の一部または全部が免除される
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