「日本語教育能力検定試験の合格率はどのくらい?」
「試験の難易度は高いの?」
「合格するためにはどれくらいの得点が必要?」

日本語教育能力検定試験の受験を検討している方や、日本語教師を目指している方には、こうした疑問や不安を持っている方が多いのではないでしょうか?

本コラムでは、日本語教育能力検定試験の合格率や難易度、そして具体的な合格点について詳しく解説します。

試験の特徴や難易度の理由についても触れながら、合格するためのポイントを明確にしていきますので、ぜひ参考にしてください。

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日本語教育能力検定の合格率

日本語教育能力検定試験の合格率は、例年25%~30%程度で推移しています。

令和5年度の試験では、合格率は30.0%であり、全科目受験者数が8,211人、応募者数は10,170人でした。これは、日本語教育能力検定試験の合格率が安定していることを示しています。

また、過去のデータを見ると、徐々に合格率が上昇している傾向があります。以下の表は、平成23年度から令和5年度までの合格率、全科目受験者数、応募者数を示したものです。

年度 合格率 全科目受験者数 応募者数
令和5年度 30.0% 8,211 10,170
令和4年度 30.9% 7,054 8785
令和3年度 29.8% 8,269 10,216
令和2年度 28.9% 9,033 11,316
令和元年度 28.3% 9,380 11,699
平成30年度 28.5% 6,801 8,586
平成29年度 25.5% 5,733 7,331
平成28年度 25.1% 4,907 6,167
平成27年度 23.0% 4,727 5,920
平成26年度 23.5% 4,362 5,436
平成25年度 22.9% 4,374 5,439
平成24年度 23.1% 4,798 5,877
平成23年度 26.6% 5,732 7,034

この表からも分かるように、日本語教育能力検定試験の合格率は年々上昇している傾向があります。

これは、受験者が試験対策にしっかりと取り組んでいることや、試験対策講座の充実などが影響していると考えられます。

計画的な勉強と過去問演習を重視し、自分に合った教材を活用して効率的に学習を進めていきましょう。

日本語教師としてのキャリアを目指す方は、試験対策を怠らず、しっかりとした準備を進めてください。

日本語教育能力検定試験の難易度

日本語教育能力検定試験の難易度は、合格率から見ても高いことがわかります。

最新のデータによると、合格率はおよそ25%から30%の間で推移しており、全受験者のうち約4人に1人しか合格できない試験です。

このことからも、日本語教育能力検定試験は簡単には合格できない試験であると言えます。

難易度が高い理由1 試験範囲が広い

日本語教育能力検定試験が難しい理由の一つに、試験範囲の広さがあります。

試験の出題範囲は「社会・文化・地域」「言語と社会」「言語と心理」「言語と教育」「言語」の5つの主要な分野に分かれており、それぞれに多くの細分化された項目があります。

例えば、社会言語学、異文化コミュニケーション、言語習得理論、教育評価法、日本語文法など、多岐にわたる分野の知識が問われます。

このため、受験者は広範囲にわたる知識を網羅的に学習する必要があります。

難易度が高い理由2 年1回しか試験が実施されない

もう一つの大きな要因は、試験が年に1回しか実施されないことです。

多くの資格試験が年に複数回実施されるのに対し、日本語教育能力検定試験は毎年10月に1回しか行われません。

このため、一度不合格になると、次の試験まで1年間待たなければならず、受験者にとっては大きなプレッシャーとなります。

さらに、試験の機会が少ないことから、モチベーションの維持や長期間にわたる学習計画の立案が必要となり、これも難易度を高める一因となっています。

他の要因

これらの理由に加えて、日本語教育能力検定試験は出題内容が専門的であることも難易度を高めています。

例えば、音声学の分野では音声データを聞いて解答する問題があり、普段の学習ではなかなか体験できない形式の問題です。

また、教育理論や教授法の知識も問われるため、実践的な知識と理論的な知識の両方が必要とされます。

さらに、日本語教師養成講座を修了している受験者と比べて、独学で試験に臨む場合はさらに難易度が上がる可能性があります。

養成講座では体系的な教育とサポートが提供されるため、独学でこれに匹敵する学習を行うには相当な努力と計画が求められます。

日本語教育能力検定試験の合格点・合格ライン

日本語教育能力検定試験の合格点や試験ごとの足切り点などは、公式には一切公開されていません。

そのため、受験者は具体的な合格基準を知ることはできず、試験対策を行う際にはある程度の推測が必要となります。

しかし、一般的には165点前後が合格ラインとされており、概ね7割以上の得点があれば合格圏内に入るとされています。

このように考えられる理由は、過去の試験結果や受験者の体験談から導かれるものです。以下は、試験ごとの配点と測定内容です。

科目 配点 測定内容
試験Ⅰ 100点 原則として、出題範囲の区分ごとの設問により、日本語教育の実践につながる基礎的な知識を測定する。
試験Ⅱ 40点 試験Ⅰで求められる「基礎的な知識」および試験Ⅲで求められる「基礎的な問題解決能力」について、音声を媒体とした出題形式で測定する。
試験Ⅲ 100点 原則として出題範囲の区分横断的な設問により、熟練した日本語教員の有する現場対応能力につながる基礎的な問題解決能力を測定する。

以下は、令和5年度の試験結果から見たマーク式と記述式の平均点等の一覧です。

マーク式平均点等一覧

試験区分 受験者数 平均点 標準偏差 最高点 最低点
マーク式総合
(220点)
8,211 140.6
(63.9%)
24.8
(11.3%)
205 44
試験Ⅰ
(100点)
8,249 61.5
(61.5%)
11.5
(11.5%)
91 17
試験Ⅱ
(40点)
8,220 26.8
(66.9%)
6.2
(15.5%)
40 4
試験Ⅲマーク式
(80点)
8,211 52.2
(65.3%)
9.3
(11.6%)
77 4

記述式を含む平均点等一覧

試験区分 受験者数 平均点 標準偏差 最高点 最低点
総合
(240点)
4,985 167.9
(70.0%)
15.5
(6.5%)
219 136
試験Ⅲ
(100点)
4,985 69.1
(69.1%)
7.7
(7.7%)
92 36
試験Ⅲ記述式
(20点)
4,985 11.3
(56.3%)
3.7
(18.3%)
20 0

合格ラインの推測

日本語教育能力検定試験の合格ラインが165点前後と推測されるのは、試験の全体得点が240点であることに基づいています。

240点のうち165点を得点するためには約68.75%の得点率が必要です。この得点率は、一般的な資格試験における合格基準として妥当な範囲とされています。

また、試験の平均点が70%前後であることからも、7割の得点が合格ラインに近いと考えられます。

例えば、令和5年度の総合平均点は167.9点であり、これは全体の70.0%に相当します。これに基づけば、全体の7割以上を得点することで合格圏内に入る可能性が高いと推測されます。

試験ごとの足切り点が公開されていないため、詳細な情報は不明ですが、全体的に高得点を目指すことで、合格の可能性を高めることが重要です。

日本語教育能力検定試験に合格するための勉強方法

日本語教育能力検定試験に合格するためには、計画的な勉強が欠かせません。独学で試験に挑戦する場合、以下の基本的な勉強法を参考にしてみてください。

勉強時間を確保する

まず、勉強時間を確保することが重要です。日本語教育能力検定試験は広範囲にわたる知識を問うため、十分な時間をかけて準備する必要があります。

一般的には、試験合格には400~500時間程度の勉強時間が必要とされています。この時間を確保するためには、毎日のスケジュールに組み込み、コツコツと積み重ねていくことが大切です。

例えば、平日は通勤時間や昼休み、夜の時間を活用し、休日にはまとまった時間を取るようにしましょう。

試験内容を把握し計画を立てる

次に、試験内容を把握し、計画を立てることが必要です。日本語教育能力検定試験は、試験Ⅰ(基礎知識)、試験Ⅱ(音声問題)、試験Ⅲ(問題解決能力)という3つの試験で構成されています。

それぞれの試験で求められる知識やスキルを理解し、自分の強みや弱みを把握しましょう。そのうえで、具体的な学習計画を立てることが重要です。

月単位、週単位、日単位で目標を設定し、進捗を管理していくことで、効率的に勉強を進めることができます。

適切な教材を揃える

勉強を進めるうえで、適切な教材を揃えることも欠かせません。日本語教育能力検定試験に対応した教材としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 「日本語教育教科書 日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド」
  • 「日本語教育能力検定試験 合格するための本」
  • 「考えて、解いて、学ぶ日本語教育の文法」
  • 「日本語教育教科書 日本語教育能力検定試験 分野別用語集」

これらの教材は試験範囲を網羅しており、独学でも効果的に学習を進めることができます。また、教材選びの際には、自分の理解度や進捗に合わせて使い分けることが重要です。

おすすめの教材については以下の記事も参考にしてください。

日本語教育能力検定試験におすすめのテキスト・参考書13選!

過去問を解く

過去問を解くことは、試験対策において非常に重要です。

過去問を解くことで、出題傾向や問題の難易度、時間配分などを把握することができます。また、実際の試験形式に慣れることもできます。

過去問を解く際には、以下の点に注意しましょう。

  • 時間を計って解く:試験本番と同じように時間を計って解くことで、時間配分の感覚を養うことができます。
  • 解答を見直す:解答後に必ず見直しを行い、間違えた箇所を確認し、理解を深めるようにしましょう。
  • 繰り返し解く:一度解いただけではなく、複数回繰り返し解くことで、知識を定着させることができます。

日本語教育能力検定の試験内容

試験日時10月中旬
試験範囲試験Ⅰ、試験Ⅱ、試験Ⅲ
試験時間試験Ⅰ: 90分
試験Ⅱ: 30分
試験Ⅲ: 120分
受験料17,000円

日本語教育能力検定試験は、日本語教員となるために必要な基礎的な知識と能力を測定する試験です。

この試験は公益財団法人日本国際教育支援協会が主催し、文化庁や日本語教育学会などの後援を受けて実施されています。

試験の特長として、受験資格に特に制限がないことが挙げられます。つまり、日本語教師を目指す人であれば誰でも受験が可能です。試験は毎年10月中旬に行われ、受験料は17,000円です。

試験は以下の三部構成で実施されます。

  • 試験Ⅰ: 90分、100点満点

出題範囲の区分ごとの設問により、日本語教育の実践につながる基礎的な知識を測定します。

  • 試験Ⅱ: 30分、40点満点

試験Ⅰで求められる基礎的な知識および試験Ⅲで求められる基礎的な問題解決能力について、音声を媒体とした出題形式で測定します。

  • 試験Ⅲ: 120分、100点満点

出題範囲の区分横断的な設問により、熟練した日本語教員の有する現場対応能力につながる基礎的な問題解決能力を測定します。

試験範囲は非常に広く、「社会・文化・地域」「言語と社会」「言語と心理」「言語と教育」「言語」の5つの区分に分かれています。

各区分はさらに細分化されており、日本語教育に関する幅広い知識が求められます。

受験申し込みはオンラインで行い、受付期間は例年7月上旬から7月末までとなっています。受験票は9月下旬に送付され、試験結果は12月下旬に通知されます。合格者には合格証書が交付されます。

この試験に合格することで、日本語教育の現場で必要な知識と能力を備えていることが証明され、日本語教師としてのキャリアをスタートする大きな一歩となります。

独学での合格も可能ですが、しっかりとした計画と準備が必要です。試験対策としては、過去問を繰り返し解くことや、適切な教材を活用するのがおすすめです。

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