ネイリスト技能検定試験2級の実技試験では、ネイルケアやカラーリング、ネイルアートのほかにチップラップの課題があります。

「形がうまくとれない」「凹凸が目立つ」「気泡が入ってしまう」というように、チップラップはきれいに仕上げるのが難しく苦戦する人も多いのではないでしょうか。

今回のコラムでは、チップラップの手順や上手に仕上げるコツ、やりがちなNG例について解説します。

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チップラップとは?

チップラップとは、爪が折れてしまったときや亀裂が入ったときに補強・修復を行う技術です。補強・修復にはシルクやグラスファイバーといったラップ材とレジン(接着剤)を使用ます。

最近では、簡単に補強できるジェルや長さを出専用チップもあり、サロンワークで施術するケースは稀です。

しかし、チップラップはジェルネイルやスカルプチュアにも応用できるため、補強の基礎としてしっかり習得しておきましょう。

チップラップはネイリスト技能検定試験2級の技術課題

チップラップは、ネイリスト技能検定試験2級・実技試験で出題される技術課題のひとつ。

技術試験の合格基準は、減点方式となっており50点満点中38点以上で合格となります。

チップラップの装着時・仕上がりそれぞれの採点ポイントは、以下の通りです。

各項目で減点されないよう、採点ポイントをしっかり頭に入れて練習を行いましょう。

【チップラップの装着】

・サンディングからスタートし、正しくチップを装着すること
・チップは正しいサイズか、まっすぐ装着できているか
・ストレスポイントまでラップ材でしっかり覆い、エッジの先端まで装着すること

【チップラップの仕上がり】

・爪先はラウンドに削り、フリーエッジの長さは5mm程度にすること
・左右対称に形成しサイドラインはストレート、サイドには角がないこと
・表面に凸凹がなく、気泡が入っていないこと
・10%程度のCカーブにすること
・キューティクルやサイドウォールにグルー(レジン)がはみ出ていないこと
・表面に光沢が出ていること

チップラップの手順

事前仕込み

チップラップの課題では、事前にハーフチップを仕込むこと許可されています。

事前の仕込みは、チップラップの仕上がりを大きく左右する重要な工程です。

モデルの爪のサイズに合ったチップを選び、チップのサイドやコンタクトゾーンの厚みを削っておきましょう。

サンディング

「はじめにサンディングしていること」が実技試験のチェックポイントであるため、チップラップは爪表面をサンディングしておきます。

その後、フリーエッジを1mm程度にカットしましょう。

チップ装着

事前仕込みで用意したチップを装着します。トップエンドを押さえながら、ゆっくり接着してください。

中央が接着できたことを確認したら端もしっかり押さえるのがポイントです。

気温が下がる冬場は、アクティベーターを使うと接着しやすくなります。

接着に使用するグルーは、古くなると固まるまでに時間がかかることもあるため新品を用意しておきましょう。

チップカットと段差削り

チップラップの課題では、フリーエッジが5mm程度と決められています。

削りすぎを防ぐため、7mm程度の長さでカットしておき、180Gのウォッシャブルファイルで削るのがおすすめです。

チップを装着した位置と自爪の境界線が見えなくなるまで、段差をなくしておくと自然な仕上がりになります。

ラップ材の貼りつけ

続いて、シルクやファイバーなどラップ材を貼りつける工程です。

プレプライマーを塗り細長くカットしたシルクをのせたら、レジンを塗布して硬めます。

このとき、シルクが大きすぎるとグルーが皮膚に付く恐れがあるため、爪を覆えるくらいの大きさに調節しましょう。

アプリケーション

チップラップの厚みを出すために、レジンを2〜3回ほど重ねます。

中央のハイポイントや凸凹をなくすことを意識しながらアプリケーションを行うと、見栄えが良くなります。

厚みが足りないと、削ったときにシルクが透けて見えてしまうため注意が必要です。

アウトラインの形成

180Gのウォッシャブルファイルで先端を滑らかなラウンド型に削ります。

ファイルを縦に持ち替えて、正面のストレートを整えてください。

正面を整えたら、ファイルを横に入れ込みサイドストレートをとります。

爪の生え際から先端までのラインがつながるよう、厚みが均一になっているか確認しましょう。

表面のツヤ

180Gのウォッシャブルファイルで表面を整え後は、100G→180G→220G→280Gの順でバッファーに変えて細かく削ります。

チップラップは仕上がりのツヤも採点ポイントであるため、シャイナーの裏表を使ってきれいに磨きましょう。

念のため、試験本番では新品のシャイナーを2〜3本用意しておくと安心です。

ダストオフ

最後、表面についた粉をダストオフします。細かい粉はハケだけで取りきれないため、水に浸したガーゼで表面や裏面を優しく拭き取りましょう。

チップラップを上手に仕上げる7つのコツ

1. チップ選び・仕込み

チップラップを試験本番でスピーディ且つきれいに仕上げるためには、チップ選びと事前の仕込みがとても重要です。

モデルの爪のCカーブをチェックし、サイズと深さの合うナチュラルハーフチップを用意しましょう。薄めのチップだと調整しやすいかもしれません。

その度、爪の丸みに合わせてコンタクトゾーンの厚み削り、トップエンド部分のファイリングや深さの微調整を行います。

また、シルクなどのラップ材も爪の幅に合う大きさにカットして四つ角を落としておくと見栄えが良くなります。

シルクは、素手で触りすぎると透けやすくなってしまうためピンセットを使って慎重に行うことが大切です。

2. プレパレーション

手指消毒が完了したら、フリーエッジをカットし爪の表面をウォッシャブルファイルでサンディングします。

3. チップ装着

爪にチップを装着します。爪に接する部分にのみグルーを塗布したら、真ん中からトップエンドにかけてチップを付けましょう。

このとき、爪とチップの間に空気が入らないよう少し強めに上から押さえましょう。

グルーが硬化したら、指に対してまっすぐ装着できているか確認してください。

4. チップカット・段差埋め

フリーエッジは5mm程度と決まっています。

ファイリングすることを考慮して、7mm程度残してカットするとよいでしょう。カットしたら先端をラウンドに整えます。

その後に行う段差埋めでは、チップを装着したラインが完全に消えるまで削ってください。

自爪を削らないよう指でガードしながら削るのがポイントです。

5. シルク装着

プレプライマーを塗布してからラップ材を装着します。硬化後、はみ出したシルクを削る際は毛羽立たないように慎重にファイリングしてください。

粘土の低いグルーを使うと仕上がりがきれいになります。自爪が透けないよう、シルク繊維の隙間にもしっかりとグルーを浸透させましょう。

6.  アプリケーション

チップラップには、「レジン&アクティベーター」と「フィラー&グルー」2種類の方法があります。

ネイリスト技能検定試験2級では、レジン&アクティベーターを用いるケースがほとんどです。

レジンは、粘度の高いものを使用すると塗布の回数が少なくスムーズに施術できます。

一度目は少量を薄く伸ばし、二回目以降ではハイポイントができているか横から確認しながら厚めに塗布しましょう。

気泡ができてしまった場合は、硬化後に気泡と周りを削ってから再度レジンをのせてください。

7. ファイリング・仕上げ

長さと形を整えたら、先端・サイドストレート・表面を削っていきます。

先端にかけて細くなっていたり、太くなっていたりバラつきがないようまっすぐ削ることを意識してください。

全体に凸凹がなくなったら、バッファーとシャイナーで光沢が出るまで磨いていきます。

ダストブラシでダストオフし、ウェットガーゼで爪の裏面まできれいに拭き取ったら完成です。

チップラップの注意点

アプリケーションの厚みが薄い

チップラップは、ラップ材を貼り付けてレジンを数回重ねながら形成します。

レジンを重ねる回数が少ないと、厚みが足りずきれいにラップ材を覆うことができません。

粘度が高いレジンを使い、2〜3回重ねて厚みを出しましょう。

ハイポイントを作るときは、プレートの中央にレジンを垂らすと自然なカーブに仕上がります。

正しい形をわかっていない

チップラップの正しい完成形がわかっていないと、残しておくべき部分まで削ってしまいます。

チップラップを上手に仕上げるポイントは、ハイポイントを削りすぎずサイドストレートをしっかり取ることです。

正面だけでなく、サイドや先端などさまざまな角度からフォルムを確認しましょう。

【チップラップの理想的な形】
・ハイポイントが全長の真ん中にある
・先端に向かってサイドがまっすぐにのびている
・厚みやCカーブが均一である

表面のバブル(気泡)や傷が残っている

ツヤ出しの際、表面にバブル(気泡)が入ってしまう場合、ハケ圧が強い、もしくはレジンをのせるときにハケを動かしすぎている可能性があります。

一度入ってしまったバブルを完全に消すころはできません。

また、表面に傷が残ってしまうのであれば、粗いファイルで削りすぎていることが原因です。

目が細かいファイルに変えることで、仕上がりが滑らかになります。

最後のツヤ出しは、グリット数の数字が大きいネイルファイルを使いましょう。

まとめ

チップラップは、ネイリスト技能検定試験2級の実技試験のなかでも高度な技術が求められる課題です。

採点基準をしっかりと確認したうえで練習に取り組み、苦手を克服していきましょう。

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この記事の著者

篠原 ともみ

ネイリスト・ネイル講師。2児の母。
ネイリストとして約10年間、日本・アメリカ・フィリピンのサロンでグローバルに活躍。

現在はフィリピンにてネイル&アイラッシュサロンを経営するかたわら、美容分野の記事監修およびライティング業にも携わっている。