独立を考えるうえで気になることといえば、ネイルサロンの開業費用がどれくらいかかるのかという点ではないでしょうか。

サロンの形態は大きくわけて「テナント店舗」と「自宅サロン(マンションサロン)」の2種類あり、それぞれ開業にかかるコストは大きく異なります。

本コラムでは、ネイルサロンの開業費用や必要な準備、サロン運営にかかるコストについて詳しく解説します。

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ネイルサロンの開業費用

お店の規模や内・外装費、立地などさまざまな条件によって金額はことなりますが、「テナント店舗」「自宅サロン(マンションサロン)」それぞれの開業にかかる費用の目安は以下の通りです。

テナント店舗:80~500万円
・自宅サロ:30〜100万

※関連コラム:ネイルサロン開業時に活用できる助成金5選

テナント店舗のネイルサロン

月々の家賃が10~30万円前後の貸し店舗でサロンを開く場合、500万円近い開業費用がかかるといわれています。費用の内訳は以下の通りです。

【テナントを借りる場合

内訳費用
物件取得費(保証金・仲介手数料・保証委託料)80~250万円
内外装工事費50~100万円
家具・備品代30~100万円
ネイル商材費20~30万円
広告宣伝費10~20万円
合計約200~500万円

テナント店舗でのネイルサロン開業において大きな出費となるのが、物件取得費です。物件取得費とは、保証金や礼金、仲介手数料といった物件の賃貸契約をする際にかかるコストのこと。

出店する地域や立地によって異なりますが、テナントを借りる場合は家賃6〜10ヶ月分の物件取得費がかかると考えておいた方が良いでしょう。

テナントは、コンセプトに合わせて壁紙の色を変えたり、壁を撤去したり、自分好みの内装に変えられるのもテナント店舗で開業する魅力です。

ちなみに、賃貸マンションなら保証金が必要ないため、開業にかかるコストを大幅に削減できます。

自宅サロン

家賃7~10万円賃貸マンションを契約してプライベートサロンとしてオープンする際にかかる費用は、約80~150万円が目安となっているようです。

マンションをサロンにする場合

内訳費用
物件取得費(敷金礼金・仲介手数料)30~50万円
家具・備品代20~50万円
ネイル商材費10~30万円
広告宣伝費5〜10万円
合計約80~150万円

貼って剥がせるシールタイプの壁紙で雰囲気を変えたり、ラブリコで部屋に仕切りを作ったり、原状回復できる範囲であれば内装も変更できます。

ネイルサロン開業に必要な準備

物件の下見・契約

良い物件を選ぶポイント、ネイルサロンのコンセプトと出店場所を決めておくこと。

物件探しは、縁とタイミングの巡り合わせです。

サロンコンセプトとコストのバランスを考えたうえで、駅からの距離や人通りの多さ、ターゲット層などをもとに希望条件に合う物件を選びましょう。

ここ数年、オンラインによる物件相談・内見サービスを導入している不動産が増えています。現地へ行く手間が省け、自宅にいながら気になる物件を内見できるというものです。

ただし、部屋のニオイや騒音などは人によって感じ方が異なるため、気になる物件は現地で確認した方が失敗のリスクは少ないでしょう。

ネイルサロンの屋号を決める

屋号とは、ネイルサロンの名前のことです。

屋号を決めるときは、「商標権を侵害しない」「お客様に覚えてもらいやすい」といった点に気をつけましょう。

ロゴを決める

屋号やサロンコンセプトに合うロゴマークを決めましょう。

デザイナーに依頼するのであれば、デザイン制作を依頼できるオンラインサービスがおすすめです。

開業届を出す・法人設立の登記を行う

ネイルサロンの規模に関係なく所得がある場合は、「個人事業主」となるため納税義務が発生します。

開業したら、サロンのある最寄りの税務署に開業届を提出しましょう。

会社を設立する場合、必要書類や手続きが多くなるため専門家に依頼した方が良いかもしれません。

銀行口座の開設

事業専用の口座は必須ではありませんが、売上金・経費の管理をするうえであると便利です。お金の流れを把握しやすいよう、すでにある口座を店舗専用として使うのも良いでしょう。

ネイルサロンの運用経費はどのくらいかかる?

ネイルサロンは、開業して終わりではありません。店舗を存続していくためには、家賃や水道光熱費などの固定費用がどれくらいかかるかも把握しておきましょう。

運用費用の主な内訳としては、「賃料」「水道光熱費」「ネイル商材費」「広告宣伝費」などが挙げられます。

サロン経営が軌道に乗るまで時間がかかることを想定し、開業費用も含めて予算を多めに見積もっておくと安心です。

ネイルサロン経営を成功させるポイント

余裕をもって準備を進める

開業手続きやホームページの開設といった事務的な作業が山積みです。

さらに、工事が予定通りに進まずオープンが遅れてしまうケースもあるかもしれません。

資金調達や物件探しに時間を要することも考慮し、スケジュールに余裕を持って準備を進めましょう。

スモールスタートで始める

プライベートサロンからスタートして、事業が軌道に乗ったらスタッフを増やしていき、2店舗目、3店舗目というように少しずつ規模を大きくしてくのが理想です。

小規模のサロンなら、開業&運営費用を最小限におさえることができます。

また、個人サロンなら1人ひとりのお客様とじっくり向き合えるため、質の高いサービスを提供できリピーターを獲得しやすいというメリットも。

目の前の利益ばかりを追うのではなく、最初は一人でも多くのファンを増やすことに注力しサロンの認知度を上げていきましょう。

まとめ

店舗を持たない出張型サロンやトータルビューティサロンの一部を間借りする併設型サロンなど、ネイルサロンにはさまざまな形態があります。

形態によって開業コストも変わるため、「どのようなサービスを提供したいのか」「どんなサロンにしたいのか」を踏まえたうえで理想のネイルサロンをカタチにしていきましょう。

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この記事の著者

篠原 ともみ

ネイリスト・ネイル講師。2児の母。
ネイリストとして約10年間、日本・アメリカ・フィリピンのサロンでグローバルに活躍。

現在はフィリピンにてネイル&アイラッシュサロンを経営するかたわら、美容分野の記事監修およびライティング業にも携わっている。