マンション管理士試験は、合格率が例年7~12%(最新令和5年度は10.1%)程度で推移している難関資格試験。

その中でも民法は出題範囲も広く難しい科目と言えます。

特に法律初学者にとっては、とっつきにくい用語や表現が多いですが、あきらめないでください。
我慢して学習を続けてあるレベルに達すると、一気に理解が深まるのが民法です。

ここではマンション管理士試験の科目の中で、民法等と管理組合の運営について解説します。

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マンション管理士試験における民法等・管理組合の運営の出題傾向

マンション管理士試験の全50問のうち、民法等の問題は6問程度、管理組合の運営(管理実務)については3問程度が出題されます。

膨大な条文からなる民法の出題範囲は広く、深い知識を問う問題も出題されるので、法律初学者にとっては難しい科目です。

管理組合の運営についても、基本知識として覚える部分は少ないですが、細部にわたって難しい問題が出題される傾向があります。

民法は、基本的にはマンションに関連する各種契約、債務不履行、不法行為、物件変動、時効、相続などについての出題が中心です。

また、借地借家法や区分所有法などと絡めた時の、不動産取引に関連する民法の論点が問われます。

具体的な事例での出題が多く、複雑な事例も出題されるため、暗記するだけでは回答できない問題が多く出題されます。

管理組合の運営については、会計、税務、標準管理委託契約書などに関する管理事務についての問題が出題されます。

例年、会計の問題が必ず2問は出題されています。

マンション管理士試験における民法等・管理組合の運営の解き方のポイント

①   民法等の解き方

民法の問題に解き方の注意点としては、まずは、問題文をしっかり読むことが大切です。

マンション管理士の試験問題には引っ掛け問題も多く、問題文の細部の読み方を誤ると正解が導き出せないことがあります。

また、4つある選択肢は必ずすべて読むようにしてください。途中でこれが正解だと思った場合でも、細部を読み誤っていることがあります。

引っ掛け問題も多いので、一文字を読み間違えたことで、正解にたどり着けないこともあります。

また、複雑な民法の問題は、問題の意味を理解するのに時間がかかることがあります。

複雑な具体例が出題されている時は、登場人物とその関係を問題用紙の余白に書いて、視覚的に整理するとわかりやすくなります。

普段から、自分にとって理解しやすい関係図を素早く書けるように練習しておきましょう。

②   管理組合の運営の解き方

毎年2問は必ず出題される管理組合の会計についての問題は、基本的な仕訳についてと、貸借対照表等計算書類に関する知識が求められます。

簿記検定3級程度の力があれば問題なく解けるレベルですが、計算等で迷ってしまうと思わぬ時間を取られてしまいます。

会計の問題は35問目くらいの中盤に登場します。計算などで迷ったときは、後回しにして最後に残った時間で落ち着いて解くことをおすすめします。

民法等・管理組合の運営の勉強法

マンション管理士の民法の問題は丸暗記では正解できません。

それぞれの法律用語の意味を理解して自分の言葉で説明できるレベルが必要です。

必要なレベルに到達するための効果的な勉強方法をご紹介します。

① 最初に基礎知識を蓄える

まずは、基本的なテキストなどで民法についての概要と重要な法律用語を覚えることから始めましょう。

最初は民法の全体像をつかむことに注力してください。

民法を理解するにはまず、全体像を掴んでから、細部に移ることが有効です。


民法は「総則」「物権」「債権」「親族」「相続」の5編から成ります。

まずは、この5編が何を意味しているのかを理解してください。

その概要を理解したら、契約、不法行為、債務不履行、時効、抵当権などの細部と、そこに出てくる個々の法律用語の意味を確認して覚えていきましょう。

② 過去問を解いて応用力を鍛える

次に、過去問をどんどん解いていきましょう。

過去問で問われる具体的な事例などで基本事項の理解度を確認していきましょう。

わからない問題、論点をテキストなどで、一つ一つ解決していくことで、理解がどんどん深まります。


管理組合の運営については、過去問を中心に学習してください。

この分野は、厳密には試験範囲が広すぎて、すべての基礎事項を学ぶことは容易ではありません。

しかし、出題される内容は一定のパターンがあるので、過去問を解いてそのパターンを覚えましょう。

会計については過去10年の会計問題がスラスラ解けるようになれば対策としては十分です。

また、税務、滞納者対策などについても過去問をしっかり押さえることが大切です。

③ 問題をパターン化させて覚える

マンション管理士試験で出題される民法の問題は、マンションの売買、トラブル、相続などに関連したものがほとんどです。

マンション管理士試験に出題される民法の論点は、ある程度限られています。

過去問を解いて、テキストで確認することを繰り返すことで、出題のパターンを理解していきましょう。

また、学習を続けていくと、問題を解くためにどう考えればいのかという思考方法のパターンも身に付きます。

パターンが分かってくると、基本的な問題は反射的に解けるようになり、解答スピードも早くなります。

※関連記事:マンション管理士試験・管理業務主任者試験の試験内容・勉強方法と解くコツ

まとめ

難関試験と言われるマンション管理士試験ですが、正しい勉強方法で、コツコツと努力を続ければ、必ずや合格することができます。

特に民法は挫折しやすいと言われる科目ですが、あきらめずに合格目指して頑張ってください。

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この記事の監修者

工藤美香講師

不動産会社への入社をきっかけに、不動産関連資格の学習を開始。

何事も諦めないをモットーに、不動産会社での実務やモデル業と学習を両立させ、マンション管理士試験、管理業務主任者試験、宅建試験、賃貸不動産経営管理士試験全てにストレートで合格。

学習の継続のしやすさに重きを置き、要点の分かりやすいコンパクトな講義、受講生目線に立った使いやすいテキストの制作に心血を注いでいる。

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