管理業務主任者試験の学習を進めていくなかで、会計の「仕訳問題」に戸惑う方も多いのではないでしょうか。

仕訳問題が解けないと合格できないのではないかと、不安に感じているかもしれません。

そこで、仕訳問題の出題数や傾向、学習の優先度を解説します。

効率が良い仕訳対策」もお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

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管理業務主任者試験における仕訳問題の出題傾向

管理業務主任者試験では例年、仕訳は2問出題されています。

内容は、管理組合の活動にともない発生した収入と支出の仕訳です。

仕訳に慣れていない受験生にとっては、「わかりにくい」「難しい」と感じる問題も多いでしょう。

管理業務主任者試験においては、民法や他の法令、マンション標準管理規約など、出題数が多い項目を優先して学習しなければなりません。
そのため、仕訳対策は手薄になりがちです。

ただし、管理業務主任者試験で出題されるのは、管理組合の収入と活動費に関しての仕訳。
一般的な商店の経理で行われる仕訳と比べて、取引の場面が限られています。

管理組合の活動によく出て来る場面をイメージし、問題を解くコツや学習法を押さえていれば、2問とも正答することが可能になります。

※関連コラム:管理業務主任者試験は独学で合格できる?必要な勉強時間やおすすめ勉強法も解説!

管理業務主任者試験における仕訳問題を解くコツ

管理業務主任者試験で出題される仕訳を解くコツは、次の3点に着目することです。

  1. いつの仕訳なのか
  2. お金の増減
  3. 勘定科目(名前)

1.いつの仕訳なのか

「発生主義」と「いつの仕訳が問われているか」が最大のポイントです。

管理業務主任者試験の仕訳では、「発生主義」が採用されています。

簡単に言えば、「取引が生じた時点で仕訳する」ということ。

発生主義では、現実に現金や預金の増減がなくても、仕訳をしなければなりません。
管理組合の活動で言えば、修繕などに掛かった費用は「工事が完了した時点」で仕訳することになります。

【例】
令和3年2月に代金70万円の修繕が完了し、令和3年3月に普通預金から支払ったとしましょう。
このケースでは、令和3年2月に70万円の未払金と修繕費を仕訳しなければなりません。
そして、令和3年3月に未払金と普通預金の仕訳をします。
試験で問われたのが「令和3年3月分の仕訳」であれば、「修繕費」は計上しません。
あくまでも、令和3年3月に発生するのは「未払金」と「普通預金」の処理です。

「発生主義の意義」「いつの仕訳が問われているのか」
を忘れないようにすれば、解答を見つけやすくなるでしょう。

2.お金の増減

お金の増減といっても、計算が大切なわけではなく、仕訳の対象となる「お金」の意味を理解することが重要です。

管理業務主任者試験の仕訳の問題を解く際は、支払った預金の合計額を計算しなくても問題を解けます。

仕訳の対象となる「お金」は、現実に増えたり減ったりする現金や預金だけではありません。

「今月入るはずだった収入のうち未回収のもの(未収金)」
「支払い義務が確定したけれども、支払いは翌月の費用(未払金)」
など、目に見えない権利や義務の発生・消滅も仕訳しなければならないので、これらを忘れないようにしましょう。

3.勘定科目(名前)

発生主義、いつの仕訳が問われているか、お金の増減に着目し、「未収金」「未払金」「前受金」「前払金」を正確に仕訳できれば、簡単に解答を見つけることができるでしょう。

過去問などで是非試してみてください。

【動画】管業受験生必見!会計・仕訳問題対策「仕訳を解くコツ!」

動画の解説もぜひご覧ください。

仕訳の効率的な勉強方法

仕訳は「2問」の出題にとどまりますので、学習に時間をかけ過ぎないことが大切です。

例えば、勘定科目の理解に時間をかけ過ぎると、効率がよくありません。
「未収金」「未払金」「前受金」「前払金」など基本的な言葉を優先的に理解するようにしましょう。

いきなり「建物付属設備」「什器備品」など特徴的な勘定科目を覚えていなくても、解ける問題があるためです。

また、仕訳を解くために、簿記検定3級や2級の学習をしてくださいというアドバイスも見かけますが、それほど時間に余裕のある人は少ないでしょう。

簿記検定で出題される仕訳の出題傾向は、管理業務主任者試験とは異なります。
管理業務主任者試験の傾向をとらえて学習しなければ、時間がいくらあっても足りません。

傾向と逸れた仕訳問題をたくさん解いてしまうと、本試験のとき、考えすぎて答えが出ないなんてことも考えられます。

仕訳学習のコツは、管理業務主任者試験のテキストに書かれている仕訳の基本を押さえ、過去問を解いて、「この仕訳になる理由」を理解することです。

はじめは、過去問で問われている管理組合の活動を把握したら、解答・解説を読んでしまうなど、思い切った学習法をとりましょう。

※関連コラム:マンション管理士試験・管理業務主任者試験の勉強方法~傾向と対策~

まとめ

管理業務主任者試験で問われる仕訳の特徴、解くコツや学習法をお伝えしました。

過去問の答えだけでなく解説を読み、「この活動に対する仕訳は?」「”お金”の増減は?」という視点で理解に努めてください。

敬遠し過ぎず、手を広げ過ぎず、仕訳の効率的な学習ができるよう、過去問研究を怠らないようにすると良いでしょう。

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この記事の監修者

工藤美香講師

不動産会社への入社をきっかけに、不動産関連資格の学習を開始。

何事も諦めないをモットーに、不動産会社での実務やモデル業と学習を両立させ、マンション管理士試験、管理業務主任者試験、宅建試験、賃貸不動産経営管理士試験全てにストレートで合格。

学習の継続のしやすさに重きを置き、要点の分かりやすいコンパクトな講義、受講生目線に立った使いやすいテキストの制作に心血を注いでいる。

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