たくさんの子どもたちを指導・サポートする立場である学校の先生(教員)。

身近な存在ではありますが、教員の業務内容はイメージするよりも多岐にわたります。

教員は実際にどのような仕事をしているのか、1日のスケジュールはどのような流れなのか、詳しく知らないという方も多いでしょう。

本コラムでは、教員の業務内容や役割、1日の流れなどを解説します。

教員のなり方にも触れるため、教員の仕事に興味のある方はぜひ今後の参考にご覧ください。

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教員の仕事・業務内容とは?

教員の仕事は、小学校〜高校などで児童・生徒の成長をサポートすることです。

主な業務は授業を行うことですが、クラス運営や授業の準備、進路指導、部活動指導、地域活動、子どもたちの生活面や道徳面についての指導も担当します。

子どもたちが家族以外の人と集団生活を行う中で、社会のルールやコミュニケーションを学び、将来円滑に社会生活を送れる力を身に付ける総合的な指導・サポートを行うことも教員の重要な仕事のひとつです。

また、学校の種類によって子どもたちの成長度合いが異なります。

そのため、小学校、中学校、高校では、それぞれの成長に適した指導・サポートを行なわなければなりません。

ここからは、小学校、中学校、高校に分けて、教員の仕事・業務内容を紹介します。

  • 小学校教員の仕事内容とは?
  • 中学校教員の仕事内容とは?
  • 高校教員の仕事内容とは?

小学校教員の仕事内容とは?

小学校の教員は、学級の担任として、国語、社会、算数、理科、生活、音楽、図画工作、課程、体育、道徳、外国語(英語)、特別学級、総合的な学習の授業などを担当します。

小学校は、大人になるための基礎的な学力、体力、人格形成がされる場です。

また、学級の担任は、児童の成長を考慮した年間計画を立て、時間ごとに具体的な教育・指導計画を作成して教材や教具の準備も行います。

なお、音楽などは専門の教員が別途配置されているケースがあるため、専門的な技術をもたなくても小学校教員になることは可能です。

小学校教員の仕事は、学習指導だけではありません。

児童の出欠席の調査、健康状態の確認、教育環境の整備といった学級運営やしつけなどの日常生活の指導、運動会や遠足などの学校行事の指導、PTAや地域活動などの協力なども、小学校教員の大切な仕事です。

中学校教員の仕事内容とは?

中学校教員は、国語、社会、数学、理科、音楽、美術、保健体育、技術・家庭、英語などの科目の中からひとつを専門的に教えるのが主な仕事です。

年度初めに定めた年間指導計画に基づき、教科書を主な教材として使用しながら、プリントやスライドなどの補助教材を準備し、工夫しながら授業を行います。

学級を担任する場合は、道徳や総合的な学習の時間、特別活動の指導も行います。

また、部活動や学校行事、PTA活動などをほかの教員と分担して受けもつことや、学校運営組織である教務部、学習指導部、生徒指導部、進路指導部などに所属し、必要な仕事を行うことも業務のひとつです。

中学校は、青年前期にあたる児童を指導・サポートします。

小学生に比べて個性が明確になり、独立心や反抗心も出てくる年齢であるため、精神面での指導も重要です。

いじめや不登校の問題に対し、教員間で連携・協力しながら解決に導くことも求められます。

高校教員の仕事内容とは?

高校教員の主な仕事は、担当する教科を生徒に教えることです。

高校では、中学校までの義務教育を終えた生徒に、更に専門的な教育や指導を行います。

教える科目や教科は多岐にわたります。

普通科では、国語、社会、数学、理科、保健体育、芸術、外国語などが主な教科です。

また、専門教科として、農業、工業、商業、水産、看護、体育、音楽、芸術などの授業を行う高校もあります。

中学校よりも生徒数が多く、教科の専門化も進む高校では、教員は基本的に1人1教科の担当です。

また、高校教員は、総合的な学習の時間、ホームルーム活動、生徒会活動、クラブ活動、学級行事などの指導、進路指導などもほかの教員と分担して指導を行います。

学級の担任を受けもった場合は、成長期の生徒を学習面・精神面の両方でサポートすることが求められます。

教員の役割とは?

教員には、児童や生徒に学習内容を習得させるとともに、健やかな心身の成長と将来社会で生きていくために必要な能力を養わせる役割があります。

また、子どもたち一人ひとりに向き合うことも教員の重要な役割です。

学校に通う子どもたちは、勉強が得意な子や運動が得意な子、社交的な子、内向的な子までさまざまです。

教員は先入観や偏見をもたずに、良き指導者、良き理解者、良き相談相手として子どもたち一人ひとりに対応しなければなりません。

文部科学省のホームページでは、教育の目的について「教育の目的は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の形成を期すること」と定めています。

引用:教育基本法 第1条 (教育の目的):文部科学省

教育の目的を果たすため、教員たちはすべての子どもたちの自ら学び考える力を養い、豊かな人間に成長するように指導・サポートを行う役割を担っています。

教員・教諭・教師の違いはある?

教員と似たような言葉として、教論、教師などがあり、混乱してしまうという方も多いでしょう。

ここでは、教員と似た言葉の意味と違いについて解説します。

以下、教員と似ている言葉と意味の一覧です。

教員学校で生徒を教育・指導する職務に従事している人。非常勤講師、講師、実習助手などの教諭でない人も含む。
教論教員免許を取得し、各都道府県が実施する教員採用試験に合格した正教員。
教師何か特定の分野に関して教え導いていく立場の人。学問だけでなく、文化や道徳などの分野でも教師と呼ぶ。
講師各自治体の講師登録団体から派遣される教員。教員免許をもっているが、各都道府県が実施する教員採用試験には合格していない人を指す。
職員教育する職務以外の仕事に従事する教員以外の人を指す。事務職員や用務員、栄養職員、調理員などが該当する。
教職員教員と職員を合わせた、学校に勤務するすべての人を指す総称。

教員とは、学校などの教育機関で子どもたちに教育・指導を行う職務に従事している人という意味で使用されます。

対して、教諭と呼ばれる人は教員免許をもち、なおかつ教員採用試験に合格して仕事に従事する正教員です。

また、教師とは、特定の分野に関して教え導いていく人を指します。

教える内容は学問だけでなく、文化や道徳、宗教などの分野なども含みます。

教員になるためには?

教員になるためには、まず教員免許を取得して、各都道府県が行う教員採用試験に合格しなければなりません。

また、小学校、中学校、高校で教員になるための方法に大きな違いはありませんが、細かい部分で異なる点があります。

  • 小学校教員になるためには?
  • 中学校教員になるためには?
  • 高校教員になるためには?

小学校教員になるためには?

小学校教員になるためには、まず大学などに進学して所定の単位を取得し、小学校教諭免許を取得しなければなりません。

必要な単位取得のためには、原則、小学校での教育実習を行います。

さらに、小学校教諭免許取得後は、各都道府県や政令指定都市の教育委員会が実施する教員採用試験もしくは、私立小学校の教育採用試験に合格しなければなりません。

教育採用試験に合格すると候補者名簿に登録でき、該当年度の必要教育数に応じて採用となります。

なお、採用試験は第1次試験と第2次試験があります。

第1次試験は筆記と実技、第2次試験は面接が一般的です。

中学校教員になるためには?

中学校教員になるためには、まずは大学などに進学して所定の単位を取得し、中学校教諭免許を取得しなければなりません。

中学校教諭免許ができたら、各都道府県や政令指定都市の教育委員会が実施する教育採用試験、もしくは私立中学校の教育採用試験を受けます。

教育採用試験は、各教科単位で実施され、合格すると採用候補名簿に登録されます。

なお、各教育委員会によっては登録に有効期限があるため、注意が必要です。

高校教員になるためには?

高校教員になるためには、大学などに進学して所定の単位を取得して高等学校教諭免許を得ることが必要です。

また、必要な単位取得のためには原則、高校で教育実習を行わなければなりません。

高等学校教諭免許を取得できたら、教育採用試験を受験して合格できれば採用となります。

教育採用試験には、各都道府県が実施する試験と私立高校が行う試験があります。

教員の一日の流れは?業務スケジュールを紹介

教員が過ごす一日の流れとして、午前中、午後、放課後の3つに分けて業務スケジュールを紹介します。

ただし、紹介するスケジュールは基本的なものです。

所属する学校や役職、部活動を受けもつかどうかによって、スケジュールは大きく異なります。

  • 午前中の業務スケジュール
  • 午後の業務スケジュール
  • 放課後の業務スケジュール

午前中の業務スケジュール

教員は児童・生徒が集まる1時間ほど前に出勤し、登校指導や授業の準備などを行います。

一般的に教員の勤務開始時間は8時、もしくは8時15分からとなっていますが、中学校や高校だと部活動の朝練習や委員会活動などで、7時30分頃から登校する生徒もいるでしょう。

そのため、教員は実際の勤務開始時間よりも前の6時30分〜7時頃には、学校に到着する必要があります。

また、朝は登校指導のほかに、教職員による朝の打ち合わせに参加します。

打ち合わせ内容は、主に児童や生徒への連絡事項の確認などです。

そのあとは、担当するクラスの教室に向かい、児童や生徒たちと合流します。

教室では、朝の会やホールルームを実施し、出欠や1日の予定、連絡事項などを確認します。

朝の会終了後、一般的に8時45分頃より1限目の授業開始です。

お昼の時間までは授業と休み時間が繰り返し実施されますが、休み時間も教員にとっては勤務時間です。

休み時間では次の授業の準備や児童・生徒の見守り、雑務などを行います。

4限までの授業を終えると、給食(お弁当)の時間です。

学校によって異なりますが、教員は教室で児童や生徒と一緒に食べる場合と職員室などで済ませる場合があります。

昼食後は午後の授業まで少し時間があるため、連絡帳などのチェックやメールの返信、配布物の準備などを済ませる時間にあてるケースが多いです。

午後の業務スケジュール

昼休憩後、午後の授業が始まります。

曜日や学年によって異なりますが、基本的に6限目まで授業を行ったあと、午後4時すぎから帰りの会やホームルームを実施します。

帰りの会やホームルームの主な内容は、配布物や宿題、連絡事項の確認です。

帰りの会が終了したら、児童・生徒たちを下校させます。

放課後の業務スケジュール

生徒たちの帰宅を見届けたあと、教員は休憩に入ります。

ただし、退勤するまでに、翌日の授業の準備や事務作業など、当日までに行わなければならない作業を終わらす必要があります。

日によっては、職員会議や校内行事の準備なども行うでしょう。

また、小学校のクラブ活動もしくは中学校や高校での部活動などの顧問を担当している場合は、活動場所に出向きます。

1日の担当する作業が終われば、退勤です。

退勤時間は17時頃が基本となっていますが、担当する作業量が多いため、規定時間の17時に退勤することは難しいでしょう。

場合によっては、19時以降も残業しているというケースもあります。

まとめ

本コラムでは、教員の業務内容や役割、教員のなり方、1日のスケジュールについて解説しました。

以下、本コラムの要点をまとめます。

  • 教員の仕事は小学校〜高校などで児童・生徒を指導し、成長をサポートすること
  • 小学校の教員は学級の担任として、国語などの基本教科や体育、音楽や図工、総合的な学習の時間などの授業を担当する
  • 中学校・高校の教員は担当する教科を専門的に教えるのが仕事であり、学級の担任や部活動の顧問などをほかの教員と分担して受けもっている
  • 教員は、児童や生徒に学習内容を習得させるとともに、健やかな心身の成長と将来社会で生きていくために必要な能力を養わせるのが主な役割
  • 教員になるためには大学などで所定の単位を取得して免許を取得し、その後教員採用試験に合格する必要がある
  • 教員は6時30分〜7時頃には学校に到着し、16時すぎの放課後まで忙しい
  • 放課後も部活動の参加や事務作業があるため残業するケースが多い

教員の仕事は大変さもありますが、児童や生徒の成長を間近でサポートできる魅力もあります。

子どもが好き、子どもたちのために力になりたいという方は、教員という仕事がぴったりでしょう。

また、教員といっても小学校、中学校、高校で向き合う子どもたちの年齢や担当する業務内容が異なります。

自分がどんな教員になりたいのか、教員として何を教えたいのかを見極めてから、進路を決めるのがおすすめです。

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